歯科医師の角祥太郎です。
200名のスタッフマネジメントと300回の院内セミナーの経験を生かし、若手歯科医師のゼミを主催しています。
その中で、女性歯科医師ならではの目線で、院内の人間関係の問題に的確に応えていたのが小林智美先生でした。今回、WHITE CROSSさんにて、その一刀両断ぶりを共有させていただくことになりましたので、ぜひご笑覧いただければ幸いです。
こんにちは、歯科医師の小林智美です。
歯科医院経営における人間関係についてのお悩みを、女性歯科医師の目線からズバズバお答えしていきます。
今回のお悩みは『中間管理職のスタッフ』についてです。それではさっそく、お悩みをみていきましょう。
小林智美先生の紹介ページへ
Q. チーフの愚痴に困っています
うちのチーフ(歯科衛生士)の愚痴が多く、困っています。他のスタッフへの愚痴ばかり言っています。自身の立場を考えて、責任ある言動をしてほしいのですが…。(あつしさん/43歳男性/院長)
A. まずは理解者になってから伝えてみましょう
先生の理想では、中間管理職であるチーフには、愚痴を言わずに黙々と仕事をこなしてほしいとお考えかと思います。
もちろん、そのようなスタッフに恵まれたら最高ですが…。
チーフも人間ですし、中間管理職はストレスの多い立場です。院長と部下であるスタッフとの間で板挟みになり、思わず愚痴を言いたくなってしまう事もあるかもしれません。ただ、そうは言っても部下に愚痴を言うのはナシですよね。
そこで、まずは先生がチーフの受け皿になるのはいかがでしょうか。
チーフが何を考え、何に不満を抱いているのかすべて聞き、ガス抜きをしましょう。チーフも話す事で、ストレス解消になります。
そして、チーフが話し終わったら、「こんなに辛いのに、チーフだから我慢して頑張っているんだね」と伝えましょう。
嫌な仕事をしている事を評価している、と伝えるのがポイントです。これを伝える事で、先生がまずチーフの理解者になりましょう。
その上で、チーフとしての仕事、権利、責任を伝えます。
誰しも、不満を抱き、ストレスを溜めている状況下では、聞く耳を持てないことが多いのではないでしょうか?
まずは、ガス抜きをし、すべて吐き出してもらいましょう。その後、相手への理解を示し、最後に伝えたいことを伝えるのがポイントです。
「チーフなんだから、愚痴ばかり言わないで」とは、決して言わないように。
今回のマインドセット
① 先生が受け皿になり、理解者となる
まずは聞き手に回りましょう。
チーフに話してもらい、ガス抜きをするところからはじめます。
② 指導するのは理解者になってから!
伝えたいことがある場合は、相手の理解者になってから話すことがポイントです。
聞く耳をもってもらえなければ、伝わるものも伝わりません。
角先生のまとめ
「共感で終わらせるものと解決すべきものを分けながら聞く」
院長が受け皿になってチーフの話を聞く際に気をつけるべきことです。「よし、俺が全部解決してやる!」と、チーフが話をしたことすべてを解決しようと決めずに傾聴しましょう。実は、共感と称賛をするだけで十分なことがほとんどであったりします。共感で終わらせるものと解決すべきものを整理しながら、相手の話を聞いてみてください。
歯科医向けの最速キャリアプランオンラインゼミ(全4回)
2022年10月23日まで募集中!
最強の歯科ミーティングバイブル2(デンタルダイヤモンド社)
執筆者
東京歯科大学解剖学講座で歯学博士取得後、千葉県の大手医療法人海星会に就職。3年で副理事長に就任。社内ベンチャーとして訪問歯科や歯科医院の海外展開を支援する会社の立ち上げをリードする。近年は、株式会社clapping hands を設立し、診療の傍らメーカーへのアドバイザーも務める。学生時代よりプロレスラー(キム・ヨッチャン)としても活躍し、週刊プロレスの表紙掲載や著名人との対戦経験もある異色の経歴の持ち主である。