義歯製作の理論、術式は様々でも「あるべき義歯の姿はひとつ」と著者はいう。その大前提として臨床医に必要となるのが「“よい義歯”をイメージできる力」である。本書はずばり、「よい義歯、だめな義歯」の判別法と義歯製作の普遍的事項=その拠り所となる知見や技術をもとに「17のルール」をまとめ、優先順位をつけてシンプルに義歯作りのノウハウを解説している。どんな方法論にでも応用できる点が秀逸。
CHAPTER1 現代の無歯顎症例像を捉える
1.総義歯の時代は終わったのか?
1‐1.日本でも北米でも無歯顎者の総数は増えている
1‐2.高齢者の口腔にみられる大きな格差
2.大きく変わった現代の無歯顎症例像
2‐1.総義歯製作に不利な条件が増えている
2‐2.歯槽頂間線法則がもはや通じない?
臨床ケース1‐1 高度な顎堤吸収により食事中に下顎骨折が・・・
3.顎堤吸収にかかわる疑問:名人の義歯は顎堤吸収を生じないのか
3‐1.義歯安定剤使用患者の実態が示すもの
3‐2.下顎顎堤吸収は多要因で起こる
臨床ケース1‐2 クッションタイプの義歯安定剤を使い続けた症例・・・
4.総義歯失敗のトライアングルとは
4‐1.古い総義歯の概念が作り出す「ひも状義歯」
4‐2.ひも状義歯、低位咬合、下顎の前方偏位というトライアングル
臨床ケース1‐3 咬合高径が低く、下顎が前方変位していた症例
5.顎堤吸収への基本的な考え方
5‐1.デンチャースペースとは
Check!! 着眼しよう
1.高齢者人口の急増と高齢者の口腔環境の変化を合わせて考えよう
2.以前とは様変わりした顎堤
3.顎堤断面の形態が変化している
4.名人が製作すれば下顎粘膜面をすべて金属としても妥当なのか
5.噛めない義歯の代表例とは(1)
6.噛めない義歯の代表例とは(2)
7.デンチャースペースを正しく理解しよう
CHAPTER2 上顎義歯への戦略
1.上顎の印象:落ちなくてもあとで困る駄目な印象とは
1‐1.顎堤吸収を考慮した印象が大事な理由
1‐2.吸収した顎堤への人工歯排列をどうするか?
1)吸収した顎堤への歯槽頂間線法則の適応は妥当か?
2)咀嚼時の片側性平衡咬合は必須か?
3)元あった位置への排列には何が必要か?
2.排列を念頭においた印象を
2‐1.唇側・頬側前庭の幅を確保した印象を!
3.上顎の印象は頭を使って採れ!
3‐1.頬側前庭部の読み方:歯槽頂にとらわれない
臨床テクニック バッカル・スペースへの筋突起の影響を考慮した印象方法
3‐2.戦略をもって個人トレーを作る
1)既製トレーには限界がある
2)完成義歯の外形線を予想することが重要
臨床ケース2‐1 顎堤吸収を読んだ印象を採ってみよう! その戦略は?
3‐3.審美を左右する唇側前庭部の読み方
臨床ケース2‐2 審美性の回復が課題!
歯槽頂線が尖形の症例への対応をどうするか
3‐4.奥の手:模型のトリミングで厚みの微調整
3‐5.上顎で吸収する場所はどこか?
1)シリコーン系適合試験材に騙されるな
臨床ケース2‐3 なぜ不適切なリラインになっているか?
3‐6.吸着を決める義歯後縁の大原則
3‐7.ポストダムの実践
1)ポストダムが必要な理由
2)金属床義歯ではV字状のビーディング形成を
3‐8.嘔吐反射をどう抑えるか
臨床ケース2‐4 嘔吐反射への対応は維持力の確保と咬合の安定で
3‐9.症例で確認:もう一歩上を排列で
臨床ケース2‐5 印象採得と排列を工夫して審美性を回復
4.上顎義歯のイメージをまとめる
Check!! 着眼しよう
1.顎堤吸収により人工歯排列の考え方は変化する(1)
2.顎堤吸収により人工歯排列の考え方は変化する(2)
3.BLBから義歯外形は推測できる
4.シリコーンは適量を適所に
5.吸着を得るために必要な解剖学的指標を知ろう
CHAPTER3 下顎義歯への戦略
1.下顎の印象に対する苦手意識が義歯の形態をダメにする
1‐1.陥りやすい下顎印象の誤り
2.すべて同じと考えよう下顎の義歯形態
2‐1.義歯には決まった形がある
3.義歯のイメージトレーニングのために
3‐1.良い義歯を眺める
4.義歯を見る眼を養う(1)
プレテスト1 この義歯の大きさは適切か?
4‐1.レトロモラーパッド(retromolar pad)
4‐2.頬棚(buccal shelf)
4‐3.忘れてはならない咬筋の影響
4‐4.左右を比較する習慣
4‐5.不要な部位は削る(デンチャーカービングという考え方)
5.知っているようで知らない下顎唇側の形態
5‐1.見落としやすい顎堤吸収パターン
5‐2.下唇の緊張が強い症例への対応
6.義歯を見る眼を養おう(2)
プレテスト2 このダイナミック印象は適切か?
6‐1.顎舌骨筋線部の印象手順は何を意図しているのか?
6‐2.舌と舌側フレンジの関係
プレテスト3 下顎後縁の長さは適切か?
6‐3.後顎舌骨筋窩の補綴学的意義は?
6‐4.後顎舌骨筋窩への延長は必要か?
プレテスト4 舌下線部の床縁の厚みは適切か?
6‐5.舌下腺部は吸着のキー
6‐6.舌下腺部の床縁の位置は
7.義歯を見る眼を養おう(3)
プレテスト5 顎舌骨筋線部の長さは適切か?
7‐1.横から眺める義歯のイメージ
1)比較ー部分床義歯での考え方ー
2)奥の手ー削って作る個人トレーとはー
プレテスト6 頬舌側の深さは適切か?
7‐2.頬舌側の深さを比べる
8.さらに一歩上を狙うコンパクトな義歯
プレテスト7 S字状カーブに改善の余地はあるか?
8‐1.S字状カーブの強さ
9.舌小帯とオトガイ棘
9‐1.舌の運動方向が舌小帯部を決める
10.下顎義歯のイメージをまとめる
Check!! 着眼しよう
1.誤った概念での印象が義歯を大きくしてしまう
2.義歯周囲組織の解剖は、顎骨の吸収があっても変わらない
3.咬筋の収縮に対する発想の転換を
4.下顎前歯部の顎堤吸収は下顎臼歯部とは挙動が異なる
5.発想の転換! 嚥下しないときに顎舌骨筋部には隙間がある
6.発想の転換! 後顎舌骨筋窩はデンチャースペースではない
CHAPTER4 実践:義歯の装着と調整の鉄則
1.義歯調整の必要性と妥当性
1‐1.義歯床の調整は恥ずべき行為か?
2.義歯装着前にしておくこと
2‐1.印象採得を過信しない
2‐2.義歯床粘膜面は滑沢に
3.患者に新義歯を装着するときの鉄則
3‐1.義歯床外形の確認
3‐2.義歯床粘膜面の調整
1)シリコーン系適合試験材
2)クリームタイプの適合試験材
3‐3.咬合面の調整
1)咬合調整の前準備
2)下顎位の検査
3)咬合接触関係の調整
3‐4.患者指導を怠らない
1)日本補綴歯科学会のガイドライン
2)調整の間隔
4.押えておきたい装着後の調整ポイント
4‐1.要調整部位ランキング―上顎義歯の調整ポイント
1)小帯部
2)上顎結節
3)口蓋隆起
4‐2.要調整部位ランキング―下顎義歯の調整ポイント
1)下顎隆起
2)オトガイ孔
3)咬筋影響部
4)顎舌骨筋線部
5)その他の要調整部位
4‐3.咬合の調整ポイント
4‐4.症例から再考する。何が間違っていたのか
1)痛いと言われたときに考えること
2)下顎シングルデンチャーの場合
臨床ケース4‐1 頻回の調整でも痛みが解消しなかった症例
臨床ケース4‐2 ティッシュコンデショニングを誤解した下顎シングルデンチャー症例
CHAPTER1 現代の無歯顎症例像を捉える
1.総義歯の時代は終わったのか?
1‐1.日本でも北米でも無歯顎者の総数は増えている
1‐2.高齢者の口腔にみられる大きな格差
2.大きく変わった現代の無歯顎症例像
2‐1.総義歯製作に不利な条件が増えている
2‐2.歯槽頂間線法則がもはや通じない?
臨床ケース1‐1 高度な顎堤吸収により食事中に下顎骨折が・・・
3.顎堤吸収にかかわる疑問:名人の義歯は顎堤吸収を生じないのか
3‐1.義歯安定剤使用患者の実態が示すもの
3‐2.下顎顎堤吸収は多要因で起こる
臨床ケース1‐2 クッションタイプの義歯安定剤を使い続けた症例・・・
4.総義歯失敗のトライアングルとは
4‐1.古い総義歯の概念が作り出す「ひも状義歯」
4‐2.ひも状義歯、低位咬合、下顎の前方偏位というトライアングル
臨床ケース1‐3 咬合高径が低く、下顎が前方変位していた症例
5.顎堤吸収への基本的な考え方
5‐1.デンチャースペースとは
Check!! 着眼しよう
1.高齢者人口の急増と高齢者の口腔環境の変化を合わせて考えよう
2.以前とは様変わりした顎堤
3.顎堤断面の形態が変化している
4.名人が製作すれば下顎粘膜面をすべて金属としても妥当なのか
5.噛めない義歯の代表例とは(1)
6.噛めない義歯の代表例とは(2)
7.デンチャースペースを正しく理解しよう
CHAPTER2 上顎義歯への戦略
1.上顎の印象:落ちなくてもあとで困る駄目な印象とは
1‐1.顎堤吸収を考慮した印象が大事な理由
1‐2.吸収した顎堤への人工歯排列をどうするか?
1)吸収した顎堤への歯槽頂間線法則の適応は妥当か?
2)咀嚼時の片側性平衡咬合は必須か?
3)元あった位置への排列には何が必要か?
2.排列を念頭においた印象を
2‐1.唇側・頬側前庭の幅を確保した印象を!
3.上顎の印象は頭を使って採れ!
3‐1.頬側前庭部の読み方:歯槽頂にとらわれない
臨床テクニック バッカル・スペースへの筋突起の影響を考慮した印象方法
3‐2.戦略をもって個人トレーを作る
1)既製トレーには限界がある
2)完成義歯の外形線を予想することが重要
臨床ケース2‐1 顎堤吸収を読んだ印象を採ってみよう! その戦略は?
3‐3.審美を左右する唇側前庭部の読み方
臨床ケース2‐2 審美性の回復が課題!
歯槽頂線が尖形の症例への対応をどうするか
3‐4.奥の手:模型のトリミングで厚みの微調整
3‐5.上顎で吸収する場所はどこか?
1)シリコーン系適合試験材に騙されるな
臨床ケース2‐3 なぜ不適切なリラインになっているか?
3‐6.吸着を決める義歯後縁の大原則
3‐7.ポストダムの実践
1)ポストダムが必要な理由
2)金属床義歯ではV字状のビーディング形成を
3‐8.嘔吐反射をどう抑えるか
臨床ケース2‐4 嘔吐反射への対応は維持力の確保と咬合の安定で
3‐9.症例で確認:もう一歩上を排列で
臨床ケース2‐5 印象採得と排列を工夫して審美性を回復
4.上顎義歯のイメージをまとめる
Check!! 着眼しよう
1.顎堤吸収により人工歯排列の考え方は変化する(1)
2.顎堤吸収により人工歯排列の考え方は変化する(2)
3.BLBから義歯外形は推測できる
4.シリコーンは適量を適所に
5.吸着を得るために必要な解剖学的指標を知ろう
CHAPTER3 下顎義歯への戦略
1.下顎の印象に対する苦手意識が義歯の形態をダメにする
1‐1.陥りやすい下顎印象の誤り
2.すべて同じと考えよう下顎の義歯形態
2‐1.義歯には決まった形がある
3.義歯のイメージトレーニングのために
3‐1.良い義歯を眺める
4.義歯を見る眼を養う(1)
プレテスト1 この義歯の大きさは適切か?
4‐1.レトロモラーパッド(retromolar pad)
4‐2.頬棚(buccal shelf)
4‐3.忘れてはならない咬筋の影響
4‐4.左右を比較する習慣
4‐5.不要な部位は削る(デンチャーカービングという考え方)
5.知っているようで知らない下顎唇側の形態
5‐1.見落としやすい顎堤吸収パターン
5‐2.下唇の緊張が強い症例への対応
6.義歯を見る眼を養おう(2)
プレテスト2 このダイナミック印象は適切か?
6‐1.顎舌骨筋線部の印象手順は何を意図しているのか?
6‐2.舌と舌側フレンジの関係
プレテスト3 下顎後縁の長さは適切か?
6‐3.後顎舌骨筋窩の補綴学的意義は?
6‐4.後顎舌骨筋窩への延長は必要か?
プレテスト4 舌下線部の床縁の厚みは適切か?
6‐5.舌下腺部は吸着のキー
6‐6.舌下腺部の床縁の位置は
7.義歯を見る眼を養おう(3)
プレテスト5 顎舌骨筋線部の長さは適切か?
7‐1.横から眺める義歯のイメージ
1)比較ー部分床義歯での考え方ー
2)奥の手ー削って作る個人トレーとはー
プレテスト6 頬舌側の深さは適切か?
7‐2.頬舌側の深さを比べる
8.さらに一歩上を狙うコンパクトな義歯
プレテスト7 S字状カーブに改善の余地はあるか?
8‐1.S字状カーブの強さ
9.舌小帯とオトガイ棘
9‐1.舌の運動方向が舌小帯部を決める
10.下顎義歯のイメージをまとめる
Check!! 着眼しよう
1.誤った概念での印象が義歯を大きくしてしまう
2.義歯周囲組織の解剖は、顎骨の吸収があっても変わらない
3.咬筋の収縮に対する発想の転換を
4.下顎前歯部の顎堤吸収は下顎臼歯部とは挙動が異なる
5.発想の転換! 嚥下しないときに顎舌骨筋部には隙間がある
6.発想の転換! 後顎舌骨筋窩はデンチャースペースではない
CHAPTER4 実践:義歯の装着と調整の鉄則
1.義歯調整の必要性と妥当性
1‐1.義歯床の調整は恥ずべき行為か?
2.義歯装着前にしておくこと
2‐1.印象採得を過信しない
2‐2.義歯床粘膜面は滑沢に
3.患者に新義歯を装着するときの鉄則
3‐1.義歯床外形の確認
3‐2.義歯床粘膜面の調整
1)シリコーン系適合試験材
2)クリームタイプの適合試験材
3‐3.咬合面の調整
1)咬合調整の前準備
2)下顎位の検査
3)咬合接触関係の調整
3‐4.患者指導を怠らない
1)日本補綴歯科学会のガイドライン
2)調整の間隔
4.押えておきたい装着後の調整ポイント
4‐1.要調整部位ランキング―上顎義歯の調整ポイント
1)小帯部
2)上顎結節
3)口蓋隆起
4‐2.要調整部位ランキング―下顎義歯の調整ポイント
1)下顎隆起
2)オトガイ孔
3)咬筋影響部
4)顎舌骨筋線部
5)その他の要調整部位
4‐3.咬合の調整ポイント
4‐4.症例から再考する。何が間違っていたのか
1)痛いと言われたときに考えること
2)下顎シングルデンチャーの場合
臨床ケース4‐1 頻回の調整でも痛みが解消しなかった症例
臨床ケース4‐2 ティッシュコンデショニングを誤解した下顎シングルデンチャー症例
よい義歯 だめな義歯
鈴木哲也のコンプリートデンチャー17のルール
-
著者
鈴木 哲也
-
出版社
クインテッセンス出版
-
ページ
168ページ
-
サイズ
A4判
-
ISBN
978-4781202327
-
価格
10,560円(税込)