2017年6月9日、「経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~」が閣議決定され、内閣府から発表された。これは日本の国としての方針と言えるものだが、そこにおいて歯科医療にとって大きな前進となる一文が盛り込まれた。
経済・財政を考える際に取り組むべき、主要分野の一つが医療を含む社会保障であり、その健康増進・予防の推進等の項目における
「健康増進の観点から受動喫煙対策を徹底する。疾病予防・重症化予防を推進し、 重症化予防等に向けた保健事業との連携の観点から、診療報酬を検討する。口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む。」
* この1文は出典のリンク先 P33にあります
という一文がそれにあたる。これは、国が社会保障の枠組みの中において、口腔と全身との関係性を認め、歯科検診・口腔ケアの充実を推進するとはっきり意思表明したということである。
大切なのは、歯科医療への福音と言える国の方針に対して、歯科医療界が単に受け身になるのではなく、より実のある歯科検診・口腔ケアを歯科医療から提供していけるように提言・行動し、日本社会のためにその領域を拡大していくことである。その先に、社会の求める歯科医療を提供できる領域の拡大や、それに伴う歯科医療の社会的価値の向上がある。
この追い風を活かしていくことが、我々歯科医療従事者に求められている。
出典: 経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~(平成29年6月9日閣議決定)
執筆者
WHITE CROSS編集部
臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。