歯内治療で困ったときに、チェアサイドで検索・確認ができるQ&A形式のヒント集。一般歯科医にアンケートをとり、臨床現場で実際に遭遇した疑問や困った出来事など、178項目を掲載。日本歯内療法学会専門医、指導医資格を有する執筆者らが、適切な治療法の選択や治療中のトラブルへの対応などを、見開き２ページで解説している。テーマごとに５巻にわけ、緊急時には「簡便・迅速」、じっくり検討したいときは「安全・適正」な使い方が可能。A5サイズで、持ち運びにも便利な仕様となっている。

"Ⅰ 鑑別診断
　１．保存療法・除去療法の鑑別診断（C・Pul）
　　１）臨床症状（主訴）からの鑑別診断法
　　２）待機的診断法の判定基準
　　３）複数主訴時における原因歯（原因病変）の特定・治療法選択基準
　２．感染根管治療の鑑別診断（Per）
　　１）根尖部病変の鑑別診断と治療法選択基準
　　２）根分岐部病変の鑑別診断と治療法選択
　３．エックス線画像診断
　　１）術前・術中・術後エックス線画像診断・他撮影法選択基準
　４．歯内－歯周病変の鑑別診断
　　１）歯内－歯周疾患の鑑別診断・治療法選択
　５．歯根破折（亀裂）の鑑別診断
　　１）歯根破折（亀裂）の診断・治療法選択
　６．その他
　　１）専門医への紹介法と準備

Ⅱ イニシャルトリートメント
　１．歯髄疾患（歯髄炎）
　　１）術前に確認すべき解剖学的因子と治療上の注意点
　　２）歯髄疾患（炎）に対する治療法・注意点
　　３）残髄炎への対処法
　２．麻酔法
　　１）確実に奏功する各種麻酔法（含外科処置時）と注意点
　３．根尖性歯周疾患（急性・慢性根尖性歯周炎）
　　１）根尖性歯周疾患に対する治療法・注意点
　　２）急性転化への対応
　４．根管治療（抜髄・感染根管治療）
　　１）適正なラバーダム防湿法と治療上の注意点
　　２）根管治療用小器具の使用上の注意点（SS 製、NiTi 製）
　　３）髄腔穿通（天蓋除去）時の回転切削器具の使用法と注意点
　　４）根管拡大・形成、根管充塡の適切な評価法
　　５）根管口探索法（含MBL 根管）
　　６）不正形態をつくらない根管拡大形成法
　　７）CBCT、マイクロスコープ撮影の有効活用法
　　８）症例に適応した有効な根管洗浄法と貼薬法
　　９）樋状根の根管治療
　　10）彎曲根管の根管治療
　　11）根管治療時の出血・排膿・瘻孔残存への対処法
　　12）根管側枝・分岐の確認と対処法
　　13）加圧根管充塡（側方・垂直）術式のポイントと評価法（画像診断）
　　14）糊剤根管充塡法（目的・糊剤選択・手法）の応用
　　15）即日根管充塡法
　　16）臨床症状（自発痛、違和感など）が消失しない症例の原因と対処法
　５．術後評価（経過観察）
　　１）処置後症状（打診痛、違和感など）発現症例への対処法
　　２）抜髄根管の根管充塡後に症状が発現

Ⅲ 再根管治療・外科的歯内療法
　１．再根管治療
　　１）再根管治療の判断基準（根本原因の特定）
　　２）安全・確実な補綴装置・支台築造除去法
　　３）再根管治療における根管充塡のタイミングと判断基準
　　４）長期間の再根管治療（治療法変更、治療状況確認など）の評価基準
　　５）長期（６か月超）にわたる根管治療の原因・考えるべき選択肢
　　６）根管充塡材（剤）除去法
　２．外科的歯内療法
　　１）外科的歯内療法（歯根尖〈端〉切除など）の適応症
　　２）外科的歯内療法の選択基準
　　３）歯根尖切除法の基本術式（切開範囲、歯肉剝離法、縫合法、術後管理法）
　　４）歯根囊胞摘出手術
　　５）逆根管充塡材（含MTA セメント）の選択・応用上の注意点（含充塡窩洞形成法）
　　６）その他外科的歯内療法の適応症・術式上の注意点
　３．投薬法
　　１）疾患・処置に合わせた効果的投薬療法の選択基準と用法

Ⅳ 偶発症・緊急対応・難症例対応
　１．偶発症
　　１）根管内器具破折・残留
　　２）内部吸収・根管穿孔
　　３）レッジ形成根管の処置法
　２．緊急対応
　　１）排膿・出血
　　２）異常疼痛
　　３）治療困難患者（歯）への対応
　３．難症例対応
　　１）難治症例の判定基準と治療法選択（保存・抜歯）
　　２）根管歯質脆弱歯に対する根管治療・歯冠修復の注意点
　　３）歯根分岐部病変への対処法
　　４）不正形態化した根管に対する再根管治療
　　５）根尖孔穿通困難歯への対応
　　６）根側囊胞（膿瘍）の処置
　　７）根尖孔破壊症例への対処法と注意点

Ⅴ 幼若永久歯・加齢変化・有病者
　１．幼若永久歯の歯内治療
　　１）幼若永久歯の保存療法・除去療法の鑑別診断
　　２）幼若永久歯に対する歯内治療法
　２．加齢変化への対応
　　１）狭窄・石灰化根管（含高齢者）
　　２）強度に石灰化した冠部歯髄腔へのアプローチ法
　　３）根尖孔閉鎖・根尖部肥大歯への対処法
　　４）歯根の骨癒着
　３．有病患者への対応
　　１）ベース（基礎疾患）を有する患者
　　２）有病者（高齢者）の術前診査・術中管理法
　　３）心疾患患者への麻酔
　　４）有病患者（含高齢者）の外科療法"