「舌がヒリヒリ」「味覚がおかしい」「口臭がある」などの患者からの訴えに悩んだことはないだろうか。従来、「舌痛症は心身症」とされ、「味覚異常には亜鉛」「口臭には歯周治療」などの画一的対応がされがちだった。しかし現在、これらの症状は解明されつつあり、コントロールできるようになってきている。本書では基礎医学や臨床の事実に基づき、舌痛症や味覚異常などの「口腔難治性疾患」の発症機序や診断・対処のポイントを整理し、わかりやすい図で解説。患者を苦しみから救う助けとなる1冊だ。
CONTENTS
はじめに
本書の特徴と使い方.

SECTION 1
バーニングマウス シンドローム（BMS）と舌痛症
1．治療のポイント
2．BMS（口腔灼熱痛症候群）とは
3．BMSの症状
1）主症状
2）好発部位
3）随伴症状
4）発症の契機
4．BMSの診断
1）臨床診断
2）鑑別診断
5．BMSの薬物療法による対処24
1）BMSの病態生理
2）ロフラゼプ酸エチル（抗不安薬）
3）SNRIとSSRI（抗うつ薬
4）チザニジン（筋緊張緩和薬）
5）カルバマゼピン（抗てんかん薬）
6）ガバペンチノイド（抗てんかん薬、疼痛治療薬）
7）トラマドール（疼痛治療薬）
8）スルピリド（抗精神病薬）
9）薬物治療のまとめ
6．BMSの心理面への対応と理学療法.
1）心理面への対応
2）理学療法

SECTION 2
口腔乾燥症
1．治療のポイント
2．口腔乾燥症とは
1）ドライマウス
2）口腔乾燥症
3）唾液分泌低下
4）口腔乾燥症と唾液分泌低下の関係
3．口腔乾燥症の診察の手順
4．口腔乾燥症の診察項目.
1）口腔粘膜の唾液フィル
2）口腔粘膜上皮の損傷
3）唾液腺管の開口部からの唾液流出
4）歯の観察
5）口腔水分量（湿潤度測定
6）唾液流量試験（唾液流量の測定）
7）血液検査、画像検査、病理組織学的検査
5．口腔乾燥症の原因
1）唾液腺機能障害と非唾液腺性障害
2）唾液分泌低下の原因
3）非唾液腺性障害の原因
6．口腔乾燥症への対処
1）唾液分泌低下による口腔乾燥への対処
2）唾液フィルムの消失・被薄化による口腔乾燥への対処（唾液分泌低下がない場合）
3）体性感覚の神経障害による口腔乾燥への対処（唾液分泌低下がない場合）

SECTION 3
味覚異常
1．味覚異常の治療のポイント
2．味覚異常とは
1）味覚異常と味覚障害
2) 味覚と風味
3）味覚異常の一般的な用語と分類
4）味覚異常の訴えのパターン
3．味覚異常の原因
1）味覚障害による味覚異常
2）体性感覚神経の障害による味覚異常（痛み・辛み・渋みと味覚減退）
3）嗅覚障害による味覚異常
4）精神疾患による味覚異常と心因性味覚異常
4．味覚異常への対処

SECTION 4
口臭症
1．口臭治療の現状と治療のポイント
2．口臭症の原因と分類
1）口臭症とは
2）口臭症の原因
3）口臭症の分類
3．他覚的（客観的）口臭の原因
1）他覚的口臭の原因
2）口腔内口臭
3）口腔外口臭
4．他覚的（客観的）口臭への対処
1）口腔内口臭の診断
2）口腔内口臭への対処
3）口腔粘膜疾患への対処
4）口腔外口臭への対処
5）他覚的（客観的）口臭への対処のまとめ
5．主観的（自覚的）口臭の原因
1）精神疾患性口臭症
2）神経障害性口臭症（嗅覚異常／風味障害）
3）心因性口臭症
6．主観的（自覚的）口臭への対処
1）精神疾患への対処
2）神経障害（嗅覚異常）への対処3）心因性口臭症への対処.
索引著者略歴