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床義歯学

床義歯学の画像です
本書は、歯学生として必要最少限と思われる知識を平易に記述し、有床義歯の全体が理解できるということを目的に執筆された。また用語に関しては歯科国家試験出題基準の用語を主に使用し、カッコ内で最少限の同義語と原語を加えた。
第I部 全部床義歯学
第1章 概論津留弘道
A.全部床義歯とは
1.定義
2.目的・意義
3.無歯顎の特質
4.軟組織
アーライン/外眼角/retromolar pad(臼後パッド)/硬口蓋/軟口蓋/口唇/口唇ヒダ(皺壁)/口腔前庭/切歯乳頭/小帯/唾液腺/歯周組織/舌/フラビー組織(フラビーガム)/翼突下顎ヒダ/翼突口蓋切痕
B.全部床義歯補綴の臨床的意義
1.機能
咬合/咀嚼/発音/嚥下
2.形態
顔貌/顎堤
C.全部床義歯の維持
1.人工歯
2.義歯床
床粘膜面/床研磨面/床縁部
D.全部床義歯の維持
1.物理的維持力
静的維持力/動的維持力
2.解剖学的維持力
顎の形態/維持に関与する筋/離脱に関与する筋
E.老化
1.一般的特徴
2.口腔の老化
唾液分泌の減少/組織の回復力低下/顎堤組織の弾性低下/咀嚼筋群の協調不良/神経機能の低下/顎骨の吸収/顎関節の形態変化/情緒不安定/会話の機能
F.全部床義歯補綴の診療手順
1.診査と治療計画
一般的診査/口腔ならびびその付近の診査/顎堤について
2.前処置
粘膜の炎症/過可動性組織
3.概形印象
4.研究用模型製作
5.個人トレー製作
6.機能印象
辺縁形成/最終印象
7.作業用模型製作
8.咬合床製作
9.咬合採得
10.咬合器装着
11.運動要素の記録
12.人工歯排列
13.試適
審美性について/咀嚼ならびに発音機能
14.フラスク埋没
15.流蝋と重合
16.研磨
17.再装着
18.削合
19.装着
20.アフターケア
G.金属床義歯
1.意義、特徴
金属床の長所/金属床の短所
2.構造
H.即時義歯
1.意義、利点
2.適応症
3.診療手順
印象採得/模型の咬合器装着/模型上の残存歯削除と義歯の完成/術後のリコール
第2章 治療計画小林義典
A.診査および診断
1.主訴
2.一般的診査
姓名、住所、勤務先、電話番号/年齢、性別/性格、気質/職業、経済状態、知識の程度/嗜好食品、習癖などの生活様式
3.既往歴
全身的既往歴/局所的既往歴
4.現症
全身的状態/局所的状態
B.治療計画の立案
C.患者教育
1.義歯に対する異物感
2.機能回復の可能性とその限界
3.その他
D.前処置
1.外科的処置
2.補綴的処置
粘膜調整/下顎偏位の修正/即時義歯
3.薬物的処置
義歯性口内炎/褥瘡性潰瘍
第3章 印象採得、咬合採得西浦 恂
A.無歯顎印象の目的
B.無歯顎の印象域
C.印象法の種類
1.目的別による分類
概形印象(予備印象)/精密印象
2.材料別による分類
モデリングコンパウンド印象/アルジネート印象/亜鉛華ユージノール印象/ポリサルファイドラバー印象/シリコーンラバー印象
3.圧力別による印象
無圧印象(粘膜静態印象)/加圧印象(咬合圧印象)/動的印象法(ダイナミック印象)
4.機能別による印象
解剖印象/機能印象
D.印象材とその性質
1.コンパウンド類
2.アルジネート印象材
3.ラバー系印象材
4.亜鉛華ユージノール印象材
E.印象用具
1.トレー
トレーの具備条件/トレーの種類
F.印象術式
1.前準備
トレーの選択、適合/その他の準備
2.概形印象
アルジネート印象材による概形印象/モデリングコンパウンドによる概形印象/ボクシング
3.模型製作
外形線/緩衝部位
4.個人トレー製作
5.機能印象採得
筋形成/仕上げ印象(最終印象)
6.作業用模型製作
ボクシング/スプリットキャスト/床外形線/歯槽頂線/リリーフ/ポストダム(後堤法)
G.下顎位・下顎運動記録の目的
H.咬合床
1.要件
2.基礎床(仮床)
3.咬合堤
I.咬合平面の設定
1.Camper線
2.鼻聴道線
3.両瞳孔線
4.仮想咬合平面
J.上下的顎間関係の記録
1.咬合高径の記録
安静空隙利用法/嚥下運動利用法/顔面計測法/発音利用法/咬合平面板
K.水平的顎間関係の記録
1.前後的・左右的顎間関係の記録
習慣性開閉口路利用法/ゴシックアーチ描記法
L.咬合堤形態
1.咬合堤形態の付与
アーチ/豊隆度/Christensen現象
M.標示線
1.正中線
2.口角線
3.鼻翼幅
4.上唇線と下唇線(笑点)
N.咬合器、模型装着
1.咬合器の種類
平均値咬合器/半調節性咬合器
2.顔弓(フェイスボウ)
3.模型装着
4.咬合器の調節
チェックバイト/矢状顆路傾斜角の調節/側方顆路角の調節/矢状切歯路傾斜の調節
第4章 製作、その他松本直之、長澤 亨
A.人工歯
1.人工歯の種類
前歯部人工歯/臼歯部人工歯
2.人工歯の選択
前歯部/臼歯部
B.人工歯排列
1.前歯部排列
一般的な排列法/発音を利用した排列法/個性的な排列法
2.臼歯部排列
全部床義歯に与える咬合様式/片側性の咬合平衡/両側性の咬合平衡/Hanauの咬合理論/臼歯排列法の実際
C.歯肉形成
1.審美的形態の付与
2.機能的形態の付与
床翼(フレンジ)部
D.蝋義歯の試適
1.床外形線の点検
2.咬合関係の点検
3.人工歯配列位置の点検
4.歯肉形成の点検
5.発音機能の点検
発音試験/発音法による前歯の位置確認/パラトグラム法による口蓋形態の点検
E.蝋義歯のフラスク埋没法
1.アメリカ法
2.フランス法
F.義歯重合法(加熱重合法)
1.流蝋
2.レジン填入
3.レジン重合
4.割り出し
G.削合
1.咬合器再装着
スプリットキャスト/Tenchの歯型/チェックバイト
2.削合の原則
3.選択削合
作業側/平衡側/前方運動時
4.自動削合
5.形態修正
H.研磨
1.研磨の目的
2.レジン床の研磨
3.人工歯の研磨
I.義歯の装着と点検
1.維持安定
2.咬合
3.適合性
材質の流動性/荷重の加え方/咬合と適合性
J.術後管理
1.患者教育
口腔内の清掃/外観/咀嚼/発音/義歯の清掃
2.床不適合
床下粘膜の圧迫/維持不良/粘膜調整
3.床裏装法(リライン)と改床法(リベース)
直接裏装法/間接裏装法/改床法
4.破損
床破損/人工歯の破折
5.咬合の変化
F.粘膜異常

第II部 部分床義歯学
第1章 概論権田悦通
A.部分床義歯とは
1.定義
長所/短所
2.臨床的意義
形態と機能の回復および改善/形態と機能の維持
3.構成要素
人工歯/維持装置(支台装置)/義歯床/連結装置(連結子)
B.分類
1.部位別分類(欠損歯の部位による分類)
2.残存歯と欠損部の位置関係による分類
3.Kennedyの分類
4.咬合圧支持による分類
5.義歯の目的別分類
6.その他の分類
C.維持装置
1.概論
機能/所要条件/支台歯と維持装置(支台装置の選択)
2.クラスプ
クラスプの利点と欠点/構造、形態、機能/分類と特徴/コンビネーションクラスプ
3.アタッチメント
アタッチメントの利点と欠点/構造、形態、機能/分類と特徴
4.レスト、フック、スパー
D.義歯床と連結装置
1.義歯床
意義と役割/機能からみた形態と構造/欠損歯の状態からみた形態と構造
2.連結装置(連結子・コネクター)
意義と役割/連結装置の種類と特徴/設計の所要条件
3.金属床
利点と欠点/メタルフレーム/ワンピースキャスト法(一塊鋳造法)/維持格子/フィニッシュライン(付線 finish line)
E.部分床義歯に使用される金属材料
1.金合金
鋳造用金合金/金合金線(白金加金線)
2.金銀パラジウム合金
鋳造用金銀パラジウム合金/金銀パラジウム合金線
3.コバルトクロム合金
鋳造用コバルトクロム合金/コバルトクロム合金線
第2章 治療計画長澤 亨
A.治療の手順と治療計画
B.診査と治療計画
1.診査所見の評価
一般的診査/現症診査
2.診断計画を左右する因子
咬合/義歯の環境と適応性/審美性/口腔内感覚と発音/衛生状態/歯冠形態
C.治療計画
1.前処置
患者教育と刷掃指導/外科的処置/保存的処置/矯正的処置/補綴的処置
2.義歯の設計
設計の基本原則/設計資料/サベイング/義歯の着脱方向の決定/支台歯の選択/維持装置の設計/義歯床の設計/床連結装置の設計
第3章 印象採得、咬合採得権田悦通
A.印象の考え方
1.被印象面の検討
残存歯/粘膜負担部/筋圧面/残存歯と欠損部
2.印象方針と術式の選択
負担圧の均等化/離脱力への対策
B.印象採得の種類
1.印象材による分類
単純印象/連合印象
2.印象目的による分類
概形印象(準備印象、予備印象)/最終印象(完成印象)
3.印象圧による分類
解剖的印象/機能印象/一次印象/二字印象/静的印象/動的印象(ダイナミック印象)
C.印象材の種類
1.アルジネート系
2.ラバー系
3.コンパウンド系
4.石膏系
5.亜鉛華ユージノールペースト系(酸化亜鉛ユージノール系)
6.その他の印象材
ワックス系/アクリル系
D.トレー
1.目的と所要条件
2.トレーの種類
材料による分類/製作法による分類
E.印象方法
1.単純印象
2.連合印象
3.特殊印象
オルタネードキャストテクニック印象
F.模型
1.所要条件
2.種類と特徴
作業模型/研究用模型/複(製)模型/耐火性模型/スプリットキャスト/オルタードキャスト
3.模型材の種類
β-石膏系/α-石膏系/模型用埋没材(耐火性模型材)
4.模型の製作法
5.模型に対する処置
ブロックアウトとリリーフ/後堤法(ポストダミング)とビーディング
G.歯列、対咬関係による咬合採得の種類
1.歯列、対咬関係と咬合採得
少数歯中間欠損で対咬関係が明確な場合/欠損歯数の多い中間欠損や遊離端欠損で対咬関係が明確な場合/欠損歯が多く対咬関係が不安定な場合/多数歯欠損で対咬関係が失われている場合/対顎が無歯顎の場合
H.咬合床
1.構造
基礎床/咬合堤/維持装置(支台装置)/連結装置/金属床
2.製作法
外形線記入/基礎床の製作/維持装置および連結装置の組み込み/咬合堤製作
3.咬合床の口腔内調整
I.咬合採得(顎間関係の記録)
1.顔面頭蓋に対する上顎の位置決定
顔弓による記録
2.上下顎位置的関係の記録
3.咬合器装着
咬合器の種類/作業模型の装着/咬合器の調節
4.咬合採得時の咬合圧と模型上での咬合関係
第4章 製作、その他羽田 勝
A.サベイング
1.目的
義歯の着脱方向の決定/支台歯のサベイラインの描記/残存歯歯冠や顎堤のサベイラインの描記/アンダーカット量を測定し、鉤先端の位置を決定/等高点、測定方向線の記入やトランスミッションマンドレールのスクリューの装着
2.サベヤーの構造
本体/模型台/付属品
3.サベイラインとその分析
B.維持装置(支台装置)の製作法
作業模型の修正/ワックスステップ/耐火模型の製作/ワックスパターンの形成/埋没および鋳造/研磨ならびに熱処理/適合検査
2.ワイヤークラスプの製作法
蝋着法/無蝋着法
C.連結装置の製作
1.製作法
模型の緩衝と外形線/長さの測定/屈曲/研磨
D.ワンピースキャストによるスケルトンデンチャー
1.製作法
作業模型のブロックアウト、リリーフ、ビーディング/複印象、耐火模型の製作/ワックサアップ/スプルーイング、埋没/鋳造/研磨/模型への試適/口腔内での試適
E.人工歯排列と削合
1.人工歯選択
前歯部人工歯の選択/臼歯部人工歯の選択
2.人工歯排列
前歯部排列/臼歯部排列
3.削合
F.歯肉形成
1.要件
審美性/機能性/衛生面
2.歯肉形成の実際
3.蝋義歯の口腔内試適
G.埋没、重合、研磨
1.加熱重合レジンを用いる方法
埋没/流蝋/填入、重合/埋没材からの義歯の割り出し
2.流し込みレジン重合法
3.研磨
4.リマウンティングと咬合調整
スプリットキャストを用いて再装着する方法/Tenchの歯型により再装着する方法/中心咬合位チェックバイトにより再装着する方法/顔弓により再装着する方法
H.試適、装着
1.装着前の診査
2.装着時の診査
義歯の着脱性/維持および安定性/咬合関係/床の適合/装着感、その他
I.アフターケア
1.ホームケア
義歯の取扱い方/プラークコントロール/デンチャープラーク/夜間の装着について
2.定期診査
口腔ならびに義歯の清掃状態/支台歯ならびに残存歯のう蝕の有無と骨植状態/粘膜の疼痛ならびに炎症の有無/顎堤の退縮の有無と義歯床の適合/義歯の変形や破損の有無
3.調整、修理
義歯床の調整/義歯構成要素の破損と修理

床義歯学

  • 著者

    津留 宏道
    小林 義典
    長澤 亨
    西浦 恂
    松本 直之

  • 出版社

    クインテッセンス出版

  • ページ

    275ページ

  • サイズ

    B5判

  • ISBN

    978-4874172063

  • 価格

    7,150円(税込)

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