今も昔も「義歯の基本」は変わらないが、相変わらず「義歯は難しい」との声をよく耳にする。本書では、義歯の基本技術を突き詰め、製作に関するさまざまな要素を再確認し 、" 痛 い 、外 れ る 、噛めない"理由を考え、トップダウンで考えて再構築した"違和感のない、外れない、噛める、飲み込める"義歯である“今井メソッドデンチャー"（通称：すっぽんデンチャーの進化形）を紹介。保険診療の範囲内であっても片側性咬合平衡の得られた、リンゴ丸かじりが可能な全部床義歯が製作できれば、昨今の経済情勢や基礎疾患等の身体的事由のある患者にとっては朗報となる。治療ゴールは皆同じである。誰もが納得して再現性をもってできるようにその理論を整理し、術者の習熟度による差異を極力減ずることができるように、術式のシンプル化を意識して執筆した。義歯に悩むすべての歯科医師の技術向上に役立てば幸いである。（「プロローグ」より）
Chapter 1 義歯への信念と治療哲学
I 今井メソッドデンチャーの原点
●今井メソッドデンチャー"Imai method complete denture"とは？
●"今井式すっぽんデンチャー"から"今井メソッドデンチャー"へ　他
II 経営戦略的観点から考える"今井メソッドデンチャー"
●リンゴ1個の丸かじりが患者を幸せにする
●保険診療でも製作可能－多様な選択肢により経営的優位性は向上する　他

Chapter 2 今井メソッドデンチャーの理論的背景
（機能を最優先した安定義歯製作法）
Ⅰ解説編 総論
●よい義歯といわれるためには
●義歯が安定し機能するためには、支持・把持・維持の3つの要素の調和が大切　他
各論 基礎
●診査・診断は主訴の改善を目標に行う　他
各論 応用
●診査・診断と治療困難性の予測　他
II 図説編 総論
●よい義歯といわれるためには
●機能に優れた義歯といわれるためには、脱離・転覆に強い義歯となる必要がある　他
各論
●よい義歯といわれるためには
●義歯が安定し機能するためには、支持・把持・維持の3つの要素の調和が大切　他

Chapter 3 今井メソッドデンチャーの理論的背景
（機能を最優先した安定義歯製作法）
Ⅰ解説編
●診査・診断
●スナップ印象採得時の手順と注意点　他
II 図説編
●顎堤吸収の比較的少ない、顎位も安定している（初心者向け症例）
●スナップ印象は既製トレーの選択が重要　他