インプラント治療の合併症は、これまで外科学的合併症および生物学的合併症に注目が集まってきた。一方、実際のインプラント臨床でもっとも多く発生するのは補綴学的合併症であり、一見軽微にみえても処置を誤ると重篤な問題に発展する恐れがあるため、原因・対処法・予防策を把握しておくことが必須となる。そこで本書では、インプラント治療で想定されるあらゆる補綴学的合併症を網羅し、すぐに臨床に役立てられる情報を凝縮した。
1章
スクリュー固定式上部構造のゆるみとスクリューの破折
1-1 スクリューのゆるみについて抑えておくべき基礎知識
1.インプラントに用いるスクリューには2種類のゆるみ方がある
1)戻り回転のないゆるみ(軸力低下が原因)
2)戻り回転のあるゆるみ(ネジが逆回転)
・原因:ネジ(インプラント)のゆるみの分類と機械工学的な発生原因
・原因:スクリューのゆるみの原因となる戻り回転(逆回転)を誘発する外力
2.インプラントに用いるスクリューは2種類ある
1-2 アバットメントスクリュー(固定用スクリュー)のゆるみと破折
1.アバットメントスクリューがゆるむ臨床的原因
・原因:スクリューのゆるみを引き起こす上部構造(アバットメント)の不適合の原因(1)
・予防策:ボーン・プロファイラー(ミル)を応用して骨や軟組織の介在による不適合を予防
・原因:スクリューのゆるみを引き起こす上部構造(アバットメント)の不適合の原因(2)
・トラブル例:近心のコンタクト強さの調整不良よりネジのゆるみが繰り返し発生した症例
・トラブル例:UCLA 型アバットメントスクリューのゆるみが原因で破折した例
・トラブル例:コニカル型アバットメントスクリューのゆるみが原因で破折した例
2.アバットメントスクリュー・固定用スクリューがゆるんだ場合の対処法
・対処法:トルクレンチにより適性なトルク値で操作する
3.アバットメントスクリューのゆるみを生じさせないための予防策
・予防策:使用するスクリューの材質や表面コーティングに配慮する
・予防策:ドライバーチップ・スクリューヘッドの傷、摩耗、変形に注意する
4.覚えておくべき各インプラントシステムのスクリュー・ドライバーの規格
・必要知識:レンチやハンドドライバーの正しい使い方
5.アバットメントスクリュー・固定用スクリューがゆるんだ場合の対処法
1)スクリュー(ネジ)が締結する仕組み
2)破折したスクリューを撤去する際の注意点
3)ネジ山を切りなおす方法(再タップ)
・対処法:アバットメントスクリュー撤去に用いる専用ツール
・対処法:雌ネジに挫滅が生じた場合に行う再タップ
本章のまとめ
2章
セメント固定式上部構造の脱離、セメントの取り残し
2-1 セメント固定式上部構造の脱離
1.セメント固定式上部構造が脱離する原因
・トラブル例:合着セメントの接着不良によるジルコニアクラウンの脱離例
2.セメント固定式上部構造が脱離した場合の対処法
・対処法:セメント固定式からスクリュー固定式に変更する際の作業手順
3.セメント固定式上部構造の脱離を起こさないための予防策
1)セメントを正しく選択する
(1)仮着用セメントか? 合着用セメントか?
(2)仮着用セメントはどの種類を用いるか?
・予防策:インプラントに使用される仮着用セメントの特徴を把握し、適切に選択する
2)セメントによる浮き上がりを防止する
・予防策:セメントが浮き上がらないように流出孔を設ける
・予防策:セメントが浮き上がらないための適切な塗布
・予防策:サイドスクリューの付与
・必要知識:アバットメント(内冠)のデザインに必要な補綴学的基本原則
2-2 セメントの取り残し
1.セメントの取り残しが生じる原因
・原因:天然歯周囲組織とインプラント周囲組織の解剖学的な違い
・トラブル例:セメントの残留によりトラブルが生じた症例
・トラブル例:仮着材を洗い流した際にセメントを拡散させてしまった症例
2.セメントの取り残しが生じた場合の対処法
・対処法:フロスを用いた残留セメントの除去
3.セメントの取り残しが生じないための予防策
・予防策:アバットメントのアンダーカット部にセメントを押し込まないクラウン装着
・Column:セメント固定に優位性はあるのか?
本章のまとめ
3章
上部構造のチッピング
3-1 ベニア陶材のチッピング
1.ベニア陶材のチッピングが生じる原因
・トラブル例:メタルセラミッククラウンにおけるチッピング例 (1)(コーピング形態の不良)
・対処法:陶材の再築盛・焼成による修理
・トラブル例:メタルセラミッククラウンにおけるチッピング例 (2)(マージン部の薄い前装部分のチッピング)
2.ベニア陶材のチッピングが生じた場合の対処法
・対処法:ジルコニアコーピングを使用したベニア陶材のチッピング修理例
・対処法:ベニア陶材の修理方法
3.ベニア陶材のチッピングを生じさせないための予防策
・予防策:前装冠コーピングのデザインに配慮する
・予防策:前装冠コーピングのデザインを改良する
・予防策:前装冠コーピングの頬舌面に凸状のサポートを設ける
・予防策:遠心側にメタルバッキングを付与する
・予防策:ジルコニアコーピングの形態を工夫する
・予防策:咬合面形態を工夫する
・予防策:フルジルコニアの上部構造を用いる
3-2 ハイブリッドレジンのチッピング
1.ハイブリッドレジンのチッピングが生じる原因
・トラブル例:コーピング表面からのハイブリッドレジンの剥離様破折例(1)
・トラブル例:コーピング表面からのハイブリッドレジンの剥離様破折例(2)
・トラブル例:前装用ハイブリッドレジンの剥離様破折例
2.ハイブリッドレジンのチッピングが生じた場合の対処法
・対処法:取り込み印象による修復
・対処法:直接法による修復
3.ハイブリッドレジンのチッピングを生じさせないための予防策
・Column:CAD/CAMによるボーンアンカードブリッジのコーピングの有用性
本章のまとめ
4章
アバットメント、フレームワーク、インプラント体の破損・破折
4-1 アバットメントの破折
1.アバットメントが破折・チッピングする原因
・トラブルの傾向:ジルコニアアバットメントのチッピングが起こりやすい部位
・原因:インプラントの埋入方向、歯軸方向とジルコニアアバットメントのチッピングリスク
2.アバットメントが破折・チッピングした場合の対処法
・対処法:チッピングしたアバットメント切縁部の研磨に使用するポイント類
・トラブル例:ジルコニアアバットメントが破折した症例
3.アバットメントを破折・チッピングさせないための予防策
・予防策:チッピングを起こしにくいジルコニアアバットメントの設計
4-2 フレームワークの破折
1.インプラントブリッジのフレームワークが破折する原因
2.インプラントブリッジのフレームワークが破折した場合の対処法
・トラブル例:16年間使用した下顎ボーンアンカードブリッジのフレームが破折
・対処法:再製部位をろう着してフレームワークを完成
・トラブル例:鋳造によるフレームの破折例(1):インプラント相当部の破折
・トラブル例:鋳造によるフレームの破折例(2):インプラント間での破折
3.インプラントブリッジのフレームワークを破折させないための予防策
・予防策:破折のリスク軽減が期待できるCAD/CAMによる一塊型フレームワーク
4-3 インプラント体の破折
1.インプラント体が破折する原因
2.インプラント体が破折した場合の対処法
・トラブル例:下顎第二小臼歯に埋入したインプラント体の破折→インプラント体を除去
・原因:インプラント補綴に関する問題が複合的に関与
・対処法:インプラントレスキューキットによりインプラント体を撤去
・トラブル例:前歯部インプラント体の破折→インプラント体を除去せずに経過観察
・原因:前歯部への過度な外力
・対処法:あえてインプラント体の除去手術を行わずに経過観察
3.インプラント体を破折させないための予防策
4.アバットメント/インプラント体接合部(A/I接合部)の変形・破損について知っておくべき知識
・トラブル例:アバットメント/インプラント体接合部(A/I接合部)が破折・変形した症例(1)
・トラブル例:アバットメント/インプラント体接合部(A/I接合部)が破折・変形した症例(2)
・対処法:トレフィンバーでインプラント体を除去
本章のまとめ
5章
インプラントオーバーデンチャー(IOD)に関する合併症
5-1 合併症を起こさないためのアタッチメントの選び方
1.IODの各種アタッチメントの特徴と選択基準
・必要知識:IODのアタッチメントの種類と選択基準
・必要知識:IODに使用するスタッドアタッチメントの高さ
5-2 IODの合併症の原因となるインプラント埋入方向の不良
1.インプラント埋入方向の不良がオーバーデンチャーに与えるリスク
・必要知識:インプラントの平行性とIODの角度許容
・トラブル例:インプラントの埋入角度がスタッド型アタッチメントの角度許容量を超えてしまった症例
・対処法:アタッチメントをロケーターに変更して、インプラント間角度による問題を解決
2.インプラント埋入方向の不良によるIODの合併症を起こさないための予防策
・予防策:角度許容の自由度が高いCAD/CAMによる中間構造体、アタッチメント
5-3 アタッチメントの維持力低下
1.IODのアタッチメントの維持力が低下する原因
・原因:各種アタッチメントの維持力が低下する仕組み(連結しない場合、バーアタッチメント以外)
2.IODのアタッチメントの維持力が低下した場合の対処法
・対処法:アクチベーターを応用してアタッチメントの維持力が低下したIODを調整
3.IODのアタッチメントの維持力を低下させないための予防策
5-4 アタッチメントの破折・破損
1.IODのアタッチメントが破損する原因
・原因:ロケーターアタッチメント本体が摩耗する仕組み
・原因:バーアタッチメントの形状と強度との関係
・トラブル例:IODのバーが破折したのち、リカバリーを行った症例
・対処法:アバットメントスクリューの再締結・ろう着位置固定
2.IODのアタッチメントを破損させないための予防策
・予防策:IODにおけるインプラントの適切なポジションを守る
本章のまとめ
6章
インプラント治療における審美的・心理的トラブル
6-1 インプラント治療における審美的なトラブル
・トラブル例:インプラントの位置が唇側に寄りすぎている症例
・トラブル例:インプラント体の金属部分が露出した症例
・トラブル例:補綴間隙を考慮していない症例
6-2 インプラント治療における不快事象、心理(心因)的トラブル
1.心理的なトラブル、クレームに関する基本的な考え方
2.患者の訴えが比較的多い不快事象
・トラブル例:食片(肉や野菜の繊維など)の圧入
・トラブル例:インプラント補綴装置‐天然歯間が離開してしまう
・対処法・予防策:隣接面形態に関するトラブルへの対処法および予防策
・トラブル例:息漏れ・唾液の飛散
3.心理的なトラブルを惹起しやすい事象
・トラブル例:インプラント埋入部位が舌側に位置することで舌房の狭小化が生じた症例
・Column:舌房が狭小化すると患者は絶望する?
・トラブル例:上部構造の形態不良による舌への刺激・疼痛・違和感
4.高齢者への配慮(言葉使い・態度など)
本章のまとめ
索引
1章
スクリュー固定式上部構造のゆるみとスクリューの破折
1-1 スクリューのゆるみについて抑えておくべき基礎知識
1.インプラントに用いるスクリューには2種類のゆるみ方がある
1)戻り回転のないゆるみ(軸力低下が原因)
2)戻り回転のあるゆるみ(ネジが逆回転)
・原因:ネジ(インプラント)のゆるみの分類と機械工学的な発生原因
・原因:スクリューのゆるみの原因となる戻り回転(逆回転)を誘発する外力
2.インプラントに用いるスクリューは2種類ある
1-2 アバットメントスクリュー(固定用スクリュー)のゆるみと破折
1.アバットメントスクリューがゆるむ臨床的原因
・原因:スクリューのゆるみを引き起こす上部構造(アバットメント)の不適合の原因(1)
・予防策:ボーン・プロファイラー(ミル)を応用して骨や軟組織の介在による不適合を予防
・原因:スクリューのゆるみを引き起こす上部構造(アバットメント)の不適合の原因(2)
・トラブル例:近心のコンタクト強さの調整不良よりネジのゆるみが繰り返し発生した症例
・トラブル例:UCLA 型アバットメントスクリューのゆるみが原因で破折した例
・トラブル例:コニカル型アバットメントスクリューのゆるみが原因で破折した例
2.アバットメントスクリュー・固定用スクリューがゆるんだ場合の対処法
・対処法:トルクレンチにより適性なトルク値で操作する
3.アバットメントスクリューのゆるみを生じさせないための予防策
・予防策:使用するスクリューの材質や表面コーティングに配慮する
・予防策:ドライバーチップ・スクリューヘッドの傷、摩耗、変形に注意する
4.覚えておくべき各インプラントシステムのスクリュー・ドライバーの規格
・必要知識:レンチやハンドドライバーの正しい使い方
5.アバットメントスクリュー・固定用スクリューがゆるんだ場合の対処法
1)スクリュー(ネジ)が締結する仕組み
2)破折したスクリューを撤去する際の注意点
3)ネジ山を切りなおす方法(再タップ)
・対処法:アバットメントスクリュー撤去に用いる専用ツール
・対処法:雌ネジに挫滅が生じた場合に行う再タップ
本章のまとめ
2章
セメント固定式上部構造の脱離、セメントの取り残し
2-1 セメント固定式上部構造の脱離
1.セメント固定式上部構造が脱離する原因
・トラブル例:合着セメントの接着不良によるジルコニアクラウンの脱離例
2.セメント固定式上部構造が脱離した場合の対処法
・対処法:セメント固定式からスクリュー固定式に変更する際の作業手順
3.セメント固定式上部構造の脱離を起こさないための予防策
1)セメントを正しく選択する
(1)仮着用セメントか? 合着用セメントか?
(2)仮着用セメントはどの種類を用いるか?
・予防策:インプラントに使用される仮着用セメントの特徴を把握し、適切に選択する
2)セメントによる浮き上がりを防止する
・予防策:セメントが浮き上がらないように流出孔を設ける
・予防策:セメントが浮き上がらないための適切な塗布
・予防策:サイドスクリューの付与
・必要知識:アバットメント(内冠)のデザインに必要な補綴学的基本原則
2-2 セメントの取り残し
1.セメントの取り残しが生じる原因
・原因:天然歯周囲組織とインプラント周囲組織の解剖学的な違い
・トラブル例:セメントの残留によりトラブルが生じた症例
・トラブル例:仮着材を洗い流した際にセメントを拡散させてしまった症例
2.セメントの取り残しが生じた場合の対処法
・対処法:フロスを用いた残留セメントの除去
3.セメントの取り残しが生じないための予防策
・予防策:アバットメントのアンダーカット部にセメントを押し込まないクラウン装着
・Column:セメント固定に優位性はあるのか?
本章のまとめ
3章
上部構造のチッピング
3-1 ベニア陶材のチッピング
1.ベニア陶材のチッピングが生じる原因
・トラブル例:メタルセラミッククラウンにおけるチッピング例 (1)(コーピング形態の不良)
・対処法:陶材の再築盛・焼成による修理
・トラブル例:メタルセラミッククラウンにおけるチッピング例 (2)(マージン部の薄い前装部分のチッピング)
2.ベニア陶材のチッピングが生じた場合の対処法
・対処法:ジルコニアコーピングを使用したベニア陶材のチッピング修理例
・対処法:ベニア陶材の修理方法
3.ベニア陶材のチッピングを生じさせないための予防策
・予防策:前装冠コーピングのデザインに配慮する
・予防策:前装冠コーピングのデザインを改良する
・予防策:前装冠コーピングの頬舌面に凸状のサポートを設ける
・予防策:遠心側にメタルバッキングを付与する
・予防策:ジルコニアコーピングの形態を工夫する
・予防策:咬合面形態を工夫する
・予防策:フルジルコニアの上部構造を用いる
3-2 ハイブリッドレジンのチッピング
1.ハイブリッドレジンのチッピングが生じる原因
・トラブル例:コーピング表面からのハイブリッドレジンの剥離様破折例(1)
・トラブル例:コーピング表面からのハイブリッドレジンの剥離様破折例(2)
・トラブル例:前装用ハイブリッドレジンの剥離様破折例
2.ハイブリッドレジンのチッピングが生じた場合の対処法
・対処法:取り込み印象による修復
・対処法:直接法による修復
3.ハイブリッドレジンのチッピングを生じさせないための予防策
・Column:CAD/CAMによるボーンアンカードブリッジのコーピングの有用性
本章のまとめ
4章
アバットメント、フレームワーク、インプラント体の破損・破折
4-1 アバットメントの破折
1.アバットメントが破折・チッピングする原因
・トラブルの傾向:ジルコニアアバットメントのチッピングが起こりやすい部位
・原因:インプラントの埋入方向、歯軸方向とジルコニアアバットメントのチッピングリスク
2.アバットメントが破折・チッピングした場合の対処法
・対処法:チッピングしたアバットメント切縁部の研磨に使用するポイント類
・トラブル例:ジルコニアアバットメントが破折した症例
3.アバットメントを破折・チッピングさせないための予防策
・予防策:チッピングを起こしにくいジルコニアアバットメントの設計
4-2 フレームワークの破折
1.インプラントブリッジのフレームワークが破折する原因
2.インプラントブリッジのフレームワークが破折した場合の対処法
・トラブル例:16年間使用した下顎ボーンアンカードブリッジのフレームが破折
・対処法:再製部位をろう着してフレームワークを完成
・トラブル例:鋳造によるフレームの破折例(1):インプラント相当部の破折
・トラブル例:鋳造によるフレームの破折例(2):インプラント間での破折
3.インプラントブリッジのフレームワークを破折させないための予防策
・予防策:破折のリスク軽減が期待できるCAD/CAMによる一塊型フレームワーク
4-3 インプラント体の破折
1.インプラント体が破折する原因
2.インプラント体が破折した場合の対処法
・トラブル例:下顎第二小臼歯に埋入したインプラント体の破折→インプラント体を除去
・原因:インプラント補綴に関する問題が複合的に関与
・対処法:インプラントレスキューキットによりインプラント体を撤去
・トラブル例:前歯部インプラント体の破折→インプラント体を除去せずに経過観察
・原因:前歯部への過度な外力
・対処法:あえてインプラント体の除去手術を行わずに経過観察
3.インプラント体を破折させないための予防策
4.アバットメント/インプラント体接合部(A/I接合部)の変形・破損について知っておくべき知識
・トラブル例:アバットメント/インプラント体接合部(A/I接合部)が破折・変形した症例(1)
・トラブル例:アバットメント/インプラント体接合部(A/I接合部)が破折・変形した症例(2)
・対処法:トレフィンバーでインプラント体を除去
本章のまとめ
5章
インプラントオーバーデンチャー(IOD)に関する合併症
5-1 合併症を起こさないためのアタッチメントの選び方
1.IODの各種アタッチメントの特徴と選択基準
・必要知識:IODのアタッチメントの種類と選択基準
・必要知識:IODに使用するスタッドアタッチメントの高さ
5-2 IODの合併症の原因となるインプラント埋入方向の不良
1.インプラント埋入方向の不良がオーバーデンチャーに与えるリスク
・必要知識:インプラントの平行性とIODの角度許容
・トラブル例:インプラントの埋入角度がスタッド型アタッチメントの角度許容量を超えてしまった症例
・対処法:アタッチメントをロケーターに変更して、インプラント間角度による問題を解決
2.インプラント埋入方向の不良によるIODの合併症を起こさないための予防策
・予防策:角度許容の自由度が高いCAD/CAMによる中間構造体、アタッチメント
5-3 アタッチメントの維持力低下
1.IODのアタッチメントの維持力が低下する原因
・原因:各種アタッチメントの維持力が低下する仕組み(連結しない場合、バーアタッチメント以外)
2.IODのアタッチメントの維持力が低下した場合の対処法
・対処法:アクチベーターを応用してアタッチメントの維持力が低下したIODを調整
3.IODのアタッチメントの維持力を低下させないための予防策
5-4 アタッチメントの破折・破損
1.IODのアタッチメントが破損する原因
・原因:ロケーターアタッチメント本体が摩耗する仕組み
・原因:バーアタッチメントの形状と強度との関係
・トラブル例:IODのバーが破折したのち、リカバリーを行った症例
・対処法:アバットメントスクリューの再締結・ろう着位置固定
2.IODのアタッチメントを破損させないための予防策
・予防策:IODにおけるインプラントの適切なポジションを守る
本章のまとめ
6章
インプラント治療における審美的・心理的トラブル
6-1 インプラント治療における審美的なトラブル
・トラブル例:インプラントの位置が唇側に寄りすぎている症例
・トラブル例:インプラント体の金属部分が露出した症例
・トラブル例:補綴間隙を考慮していない症例
6-2 インプラント治療における不快事象、心理(心因)的トラブル
1.心理的なトラブル、クレームに関する基本的な考え方
2.患者の訴えが比較的多い不快事象
・トラブル例:食片(肉や野菜の繊維など)の圧入
・トラブル例:インプラント補綴装置‐天然歯間が離開してしまう
・対処法・予防策:隣接面形態に関するトラブルへの対処法および予防策
・トラブル例:息漏れ・唾液の飛散
3.心理的なトラブルを惹起しやすい事象
・トラブル例:インプラント埋入部位が舌側に位置することで舌房の狭小化が生じた症例
・Column:舌房が狭小化すると患者は絶望する?
・トラブル例:上部構造の形態不良による舌への刺激・疼痛・違和感
4.高齢者への配慮(言葉使い・態度など)
本章のまとめ
索引
誰もが遭遇するインプラント補綴の合併症
―原因・対処法・予防策―
-
著者
萩原 芳幸
-
出版社
クインテッセンス出版
-
ページ
112ページ
-
サイズ
A4判変型
-
ISBN
978-4781204048
-
価格
8,250円(税込)