■各演題・抄録

< 西田先生：令和6年度改定に仕組まれた「ステルス・デンタルボーナス」の正体＞
6月より、令和6年度診療報酬改定が実施されましたが、院長先生方のご感想はいかがでしょうか？"増点でウハウハ"、"ショボい改定やな"、"減収やんか！"などなど、人それぞれでしょうが、歯科の世界だけで物を見ていては「国の真の意図」は見えてきません。私は15年前から医科歯科連携に取り組み、改定ごとに医科点数表と歯科点数表を見比べてきました。歯科の皆様はご存知ないでしょうが、今改定は「医科は地獄、歯科は天国」の内容に仕上げられています。
国が掲げるキーワードは3つ、"質の高い医療"、"連携推進"、"重症化予防"です。悲しいことに、私達医科は診療所を中心として"質の低い医療を撤廃"され、歴史的な大打撃を受けました。逆に、歯科医療に向けてはこの三点に立脚した上で、国は歯科医療に対して最大限の期待を向けているのです。私はこれを『ステルス・デンタルボーナス』と名付けました。本日は、歯科ウハウハの正体を明らかにします。

＜津島先生：口管強でいよいよ完成！？ 全世代予防管理型歯科医院の構築＞
令和6年歯科診療報酬改定で「かかりつけ歯科医機能強化型診療所」は「口腔管理体制強化加算」に変わりました。その意味を紐解き、これまでの診療報酬改定の動向と当院の取り組みの変遷から、保険医としての理想的な展開とも言える形のひとつがはっきりと見えてきましたのでお示ししたいと思います。
歯科治療の需要の将来予想のイメージ図に、これまでの「治療・管理・連携型」「口腔機能管理」に加え「重症化予防」がはっきりと示されました。この衝撃を先生方と一緒に考えたいと思います。