全4回 歯科臨床における不正咬合への取り組み 続編
日常歯科臨床において不正咬合の問題に直面する機会は少なくない。不正咬合に対する処置は対症療法的なものに限定されることが多く、不正咬合治療を日常臨床に取り入れることを躊躇させる大きな要因となっている。不正咬合の根本的な問題点を理解すると、その治療はそれほどむずかしいことではないことが分かる。本セミナーでは、不正咬合を理解し、診断と治療計画の立案に関する基礎について解説する。
DAY1「下顎側方偏位の診断と治療」
講師:佐藤 貞雄先生、青木 聡先生
下顎側方偏位症例(MLD)の問題点は、左右の咬合高径に差があり下顎が咬合高径の低い側へ偏位していることである。さらにMLD症例の80%以上が偏位側の顎関節に機能障害を持っているとされている。正面から見た咬合平面は偏位側が上がっているため、治療においては左右の咬合高径を調節し、咬合平面がフラットになるようにして下顎を上下顎の正中線が一致する方向に誘導・適応させることが肝要である。
DAY2「ブラキシズムと咬合」
講師:佐藤 貞雄先生、中山 尚仁先生
ヒトの咀嚼器官は系統発生的に特殊に進化したものであり、咀嚼機能の発達を目的に進化したわけではない。ヒトの咀嚼器官は咀嚼、発音、呼吸、嚥下、姿勢維持、審美(言語を使わないコニュニケーション)、さらにブラキシズムなど多くの機能をもつ重要な器官となった。中でもブラキシズムはストレスを軽減させるストレスマネージメントの機能をもっている。そのグランディング運動をコントロールするために、咬合の概念が必要となるのである。
DAY3「順次誘導咬合の概念」
講師:佐藤 貞雄先生、長谷川 篤史先生
古典的なナソロジーが行き着いた咬合の概念は有機咬合(Organic Occlusion)である。ブラキシズムのような過酷な側方力が加わったときに前歯部は臼歯を保護し、強い垂直力が加わったときに臼歯部は前歯を保護するというものである。特にグランディング運動時には咬合誘導路の傾斜が重要となる。天然歯列における咬合誘導路の傾斜を測定すると、犬歯の誘導路傾斜がもっとも急峻であり、後方に向かって順次的にフラットな傾斜に移行する。その機能的な意義について解説する。
DAY4「不正咬合の予防的早期治療」
講師:佐藤 貞雄先生、吉崎 仁先生
不正咬合の予防的な早期治療は可能か?2000年代に行われたランダム化比較試験 (randomized controlled trial, RCT)では、これまで行われてきた矯正の1期治療(早期治療)にはその後の成長や不正咬合の予防に効果が見られないと結論されている。このことは、これまで行われてきた早期治療の方法には不正咬合の予防上大切な要素が含まれていないことを意味している。それは、顎顔面の成長における咬合高径や下顎の適応に対する診断、治療計画上の問題である。
※本セミナーは、2024年1月15日、2月5日、3月4日、4月1日にWHITE CROSS LIVEセミナーにて配信されたものです。
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全4回 歯科臨床における不正咬合への取り組み 続編
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ジャンル
咬合・補綴、コース受講
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視聴時間
732分
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視聴方法
WEB
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