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経営 2022/09/16

診療報酬点数について再考する #8 スケーリング・ルートプレーニングとは?

WHITE CROSS編集部
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歯科医院の売り上げや業績に直結する、診療報酬点数。毎年少しずつ内容や点数が改定され、二年に一度、大幅な改定が行われる。

 

算定項目によっては、算定条件や算定できる期間が細かく決まっているため、完璧に内容を覚えることがむずかしい項目もあるのではないだろうか。 

 

この連載では、算定する機会が多い項目や、複雑な条件が必要な項目について詳しく解説する。今回は、「スケーリング・ルートプレーニング」について紐解いていきたい。

 

スケーリング・ルートプレーニングとは?

 

歯周基本治療として行われるスケーリングとSRP

歯周基本治療は、歯周病における炎症性因子の減少または除去を目的とする処置のことを指し、「スケーリング」と「スケーリング・ルートプレーニング(SRP)」は、この歯周基本治療に含まれる。

歯周病検査などの結果から、「歯周基本治療を行う必要がある」と認められる場合に実施するため、歯周病検査が行われていない場合は算定できない

 

歯周基本治療に含まれる「スケーリング」とは、歯面に付着しているプラークや歯石、その他の沈着物をスケーラーなどで機械的に除去することを指す。また、「SRP」とは、歯根面に付着した歯肉縁下歯石や、細菌またはその代謝産物を含む粗造で病的なセメント質を除去し、生物学的に為害性のない滑沢な根面に仕上げることを指す。

 

スケーリングまたはSRPを算定した部位において、再度同じ処置を行う場合は、所定点数の100分の50に相当する点数で算定する必要がある。2回目以降のスケーリングおよびSRPは、歯周病検査の結果をふまえ、必要性や効果を考慮した上で実施するとされている。

 

しかし、歯周外科手術と同時に行われた歯周基本治療については、歯周外科手術と別に算定できないため注意が必要である。

 

なお、歯周基本治療の内容については、日本歯科医学会が提示している『歯周病の治療に関する基本的な考え方』を参考にして実施することとされています。

 

SRP

 

スケーリングとSRPの算定方法をおさらい!

スケーリングは、3分の1顎につき72点の算定が可能。同日に3分の1顎を超えてスケーリングを行った場合は、3分の1顎を増すごとに、38点を所定点数に加算することができる。


したがって、スケーリングを1回で算定する場合は「72+38×2=148点」、2回で算定する場合は1回目が「72+38×1=110点」2回目が「72点」、3回で算定する場合は各回「72点」ずつが加算できる。

自治体によってさまざまだが、一般的には1回または2回に分けて算定する歯科医院が多い。

 

SRPの点数は、以下の通りである。

SRPを行う部位 点数(1歯につき)
前歯 60点
小臼歯 64点
大臼歯 72点

 

SRPについては、4〜6ブロックごとに行われるケースが多いが、算定上は回数が少なくても多くても問題はないとされている。しかしSRPは一度に多数歯に行える治療ではないため、1回にあまりにも多い歯数のSRPを算定すると、自治体によってはレセプトが返戻されることもあるため要注意。

 

また、クラウンやブリッジといった補綴物の印象を行う予定の歯については、SRPを行った後、原則として3回目の歯周病検査すなわち再評価が終わってから印象を行う必要がある。歯周基本治療期間中に補綴物の印象を行う場合は、「早期補綴治療」としてさまざまな条件を満たさなければいけない。

(参照:「歯周病患者に対する補綴歯科治療のありかた」に関する提案書-日本歯周病学会

 

なお、歯周病安定期治療(SPT)、または歯周病重症化予防治療(P重防)を開始すると、スケーリングやSRPは算定できなくなる。

 

 

***

 

 

カルテやレセプトは、普段何気なく目に触れるものではあるが、診療報酬の内容や算定条件まで詳しく理解するには時間が必要である。

 

ぜひこの連載で、普段算定している項目だけでなく、算定していない項目についても攻略し、毎日のカルテ入力に役立てていただいきたい。

 

次回は、「歯周病安定期治療(SPT)」について解説する。

 

 

参考

歯科診療報酬点数表-厚生労働省

 

 

前回までの記事はこちら

#1 診療報酬点数とは?

#2 初診料・再診料とは?
#3 歯科疾患管理料とは?

#4 小児口腔機能管理料・口腔機能管理料とは?
#5 歯科衛生実地指導料・歯周病患者画像活用指導料とは?
#6 歯周病検査とは?
#7 口腔細菌定量検査とは?

執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

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