6月14日、歯科医師会館にて、公益社団法人日本歯科医師会の定例記者会見が開催された。会長の堀憲郎先生は、日本歯科医師会定例記者会見で任期最後のあいさつを行った。
この記事のポイント ・6月16日に閣議決定される骨太の方針は、日本歯科医師会の要望通りの見通しである。 ・政府が閣議決定した「子供未来戦略方針」における歯科の重要性について言及した。 ・堀会長は、7年3ヶ月の任期を振り返って最後のあいさつを行った。 |
骨太の方針2023に向けた動き
堀会長は、政府より骨太の方針2023の原案が公表され、現時点では日本歯科医師会の要望通りの記載となる見通しと述べた。
(参照:物価高騰における歯科業界への影響や骨太の方針2023に向けた要望を公表|日歯定例記者会見)
昨今の物価や人件費高騰の対応については、歯科以外の分野も関わることから、骨太の前提部分に明記される予定であるとのこと。
骨太の方針は6月16日に閣議決定されるが、閣議決定を踏まえて、今後次期執行部と政府による政策の議論が行われることに期待を寄せた。
また、見直しを進めていた歯科口腔保健推進法の改正に関しては、今国会会期中での改正は見込めない旨を説明した。
子供未来戦略方針に対する歯科の関わり
堀会長は、閣議決定された「子供未来戦略方針」における歯科の関わりについて、今後の展望を述べた。
「子供未来戦略方針」とは、少子化対策の強化に向けて政府が閣議決定したもの。児童手当や育児休業給付の拡充などの具体策を盛り込み、今後3年かけて年間3兆円台半ばの予算を確保し、集中的に取り組む一方、財源は歳出改革などで確保するとしている。
日本歯科医師会は、このことから「子供未来戦略方針」における歯科の重要性について言及。地域の歯科医師会がすでに取り組んでいる歯科児童虐待や障がい児、医療ケア児への対応に関して、これまでは財源確保が厳しい状況であったことを共有し、今後は財源支援を求めていきたいと語った。
最後のあいさつ〜7年3ヶ月の任期を振り返って〜
堀会長は、7年3ヶ月の任期を振り返って以下の通り述べた。
コロナ対応に明け暮れた厳しい状況であったが、最大の課題である「失った歯科界への国民からの信頼の回復」においては、比較的短期間で一定の結果を出せたと思っております。新潟県長岡市での地域の歯科医師会から始まり、約25年間務めさせていただいた。日本歯科医師会会長就任後は、見たことのない景色を見ることができた。歯科以外の医療業界全体の様子や、経済界を含めた日本の様子を目に焼きつけることができ、刺激的な体験をしました。また、各界の優れた方々と意見交換を行ったことは忘れられない経験だったと思っています。数々の行事にお招きいただいたことなど、生涯忘れられない経験でした。
最後に、新型コロナウイルスの歯科医師の対応は、後世に残る歴史的な行動であったと感謝の言葉を述べた。歯科医療現場での感染防止対策や歯科医師の抗体検査、ワクチン接種に関しての振る舞いが、国民が歯科に対する信頼に繋がったと、任期を振り返った。
あいさつを行う 日本歯科医師会会長の堀憲郎先生
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