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臨床 2024/12/11

歯科訪問診療で必要な治療方針〜正しい理解に基づいた保険算定方法〜

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・令和6年の診療報酬・介護保険報酬改定で減算されたと思われていた「歯科訪問診療」。実はプラスに転じているって本当?

・訪問診療と外来診療ではなにが違うのか。加地彰人先生が解説する訪問歯科診療で必要なこととは?

 

この記事は、高齢者>訪問歯科

はじめに

令和6年の診療報酬・介護保険報酬改定1)においては、特に施設訪問に関する訪問診療料において減算になった、という声をよく耳にします。

 

しかし筆者は、新設された項目や「か強診」から「口管強」への移行、患者のライフステージの変化に治療内容をマッチングさせることにより、結果的に今回の改定はプラスに転じると考えます(図1)。

 

今回は、「歯科訪問診療で必要な治療方針と算定方法」をテーマに、外来診療と訪問診療では保険算定などにどのような違いがあるのかを解説します。特に医院を経営する院長や、これから訪問歯科を始めたいと思う先生方に参考にしていただきたい内容です。

 

図1 ライフコースとかかりつけ歯科医機能の評価(画像は出典1より引用)

 

1)中央社会保険医療協議会 総会(第561回)議事次第(厚生労働省)

 

令和の時代、歯科に求められていることは?

平成元年より始まった8020運動ですが、平成28年の調査で達成者が50%を超えました。

 

平成後期あたりから、高齢者の多歯時代に突入し、以前より、「歯の形態回復中心の治療から、口腔機能の維持・回復が中心となる治療にシフトされる」との話がありました。

 

しかし、近年では、オーラルフレイルや口腔機能低下症への対応として、リハビリテーションを必要とする口腔機能の回復→維持に加えて、C管理とP管理を含めた衛生状態と形態の回復とその維持管理も必要になりました。

 

さらに、口腔機能障害への移行により、摂食嚥下機能の回復のための摂食機能療法による食支援まで歯科に求められる時代となっています。

 

つまりは、我が国の今後の平均寿命の延伸による高齢者人口の増加に合わせた訪問歯科診療とは、形態と機能そして衛生状態の回復・維持のための口腔健康管理が求められ、さらには、多疾患・多剤服用で認知症の有病高齢者に対する口腔健康管理を行う必要があるということになります。

 

加地彰人先生 歯科訪問診療の様子

 

訪問診療と外来診療ではなにが違う?訪問歯科診療で必要なこと

訪問歯科診療で必要なことは、外来診療で行っている歯科治療を基本としますが、より有病高齢者に対する診療であることを意識しながら、口腔機能低下症を中心とした対応が求められるということです。

 

具体的には、セルフケアが不十分の患者に対するリハビリやケア、歯科治療を計画的に行うこと。さらに、口腔内環境が悪化しないように、「歯科衛生士による口腔衛生管理を徹底すること」「低下した機能の維持回復が困難になった患者に対する食形態の変更」「嚥下リハのスキル」が求められています。

 

以上のことから、外来診療においては、「自宅での生活」に踏み込む必要のない事柄に関して、訪問診療では、その「自宅での生活」における管理を行う必要があるというわけです。この点が、外来診療とは大きく異なります。

 

また、訪問診療では外来診療とは算定方法が異なります、施設基準をクリアしているか否かによる診療報酬の違いについての理解も必要ですし、医院経営の面でも診療報酬を取りこぼすことなく、正しい理解に基づいた算定を心がけるためにも基本的な事項を抑える必要があるのです(図2)。

 

図2 各種施設基準の届出情報(画像は出典1より引用)

 

この続きはセミナーで!

12月18日(水)より、本記事執筆者の加地彰人先生と野田正樹先生(株式会社デンタルサポート)による『訪問歯科診療をアップデート!今知っておくべき基礎知識を大整理!』が開催されます。

 

今回セミナーでは、診療報酬の正しい理解や算定方法について、実際の症例を交えながら情報が共有されます。

 

歯科訪問診療について少しでも知識を深めたいと思う方は、ぜひご覧ください。

 

12月18日(水)19時〜無料配信!セミナーのお申し込みはこちらから

 

この記事は、高齢者>訪問歯科

 

執筆者

加地 彰人の画像です

加地 彰人

歯科医師

医療法人あき歯科医院

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