口腔癌の診断,治療,治療後(整容,機能回復)のすべて
・口腔癌について診断,治療そして治療後の再建や機能回復まで,全てを記載した書籍.
・口唇,頰,舌,歯肉,口底,口蓋をはじめ,頭蓋底などの口腔に関連する頭頸部の広い範囲をカバー.
・病理や解剖,各種治療法(手術,放射線,薬物,免疫療法など)に加えて治療部位の再建(義歯やインプラント,エピテーゼなど),嚥下や構音のリハビリテーション,評価なども記載.
・口腔外科,耳鼻咽喉科,頭頸部外科,形成外科,顎顔面補綴科など,口腔の癌治療に関わるすべての医療者のための成書です.
上巻
I編 口腔癌,口腔潜在的悪性疾患の診断
1章 口腔癌の疫学・TNM分類・アルゴリズム(長尾 徹・後藤満雄)
1 疫学
1 罹患数・罹患率
2 死亡数・死亡率
3 口腔癌の原因
1.喫煙・無煙タバコ(ビンロウ噛み)
2.飲酒
3.その他
2 口腔とは(機能,口腔癌の亜部位別発生頻度,分類)
1 口腔の亜部位と癌の発生頻度
2 亜部位と国際疾病分類
3 亜部位別の予後
4 頸部の取扱い
3 口腔悪性腫瘍のTNM分類
1 TNM分類使用の原則
2 病期分類および予後グループ
1.口腔(口唇を含む)のT分類
2.頸部のN分類
3.遠隔転移のTNM病期分類
4 口腔癌診療のアルゴリズム
1 口腔癌診療ガイドライン
2 NCCNガイドライン
3 EHNS-ESMO-ESTRO診療ガイドライン
2章 口腔癌の臨床像とその鑑別(中村誠司)
1 臨床像
1 臨床像と鑑別疾患
1.上皮性悪性腫瘍
2.非上皮性悪性腫瘍
3.悪性歯原性腫瘍
4.転移性癌
2 診断法
1 臨床診断 clinical diagnosis
2 画像診断 image diagnosis
1.原発巣
2.頸部リンパ節
3.遠隔転移
4.その他
3 病理診断 pathological diagnosis
1.細胞診
2.組織診
4 腫瘍マーカー tumor marker
3章 口腔潜在的悪性疾患(片倉 朗)
1 口腔潜在的悪性疾患の概念
2 口腔潜在的悪性疾患の病態と病理
1 紅板症 erythloplakia
2 白板症 leukoplakia
3 紅板白板症 erythroleukoplakia
4 口腔粘膜下線維症 oral submucous fibrosis
5 先天性角化不全症 dyskeratosis congenita
6 無煙タバコ角化症 smokeless tabacco keratosis
7 リバーススモーキング関連口蓋病変 palatal lesions in reverse smoking
8 慢性カンジダ症 chronic candidasis
9 扁平苔癬 lichen planus
10 円板状ループスエリテマトーデス discoid lupus erythematosus
11 梅毒性舌炎 syphilitic glossitis
12 日光性角化症(口唇のみ) actinic keratosis(lip only)
4章 各種口腔癌と歯原性腫瘍の病理(扁平上皮系癌,歯原性腫瘍)(中野敬介・長塚 仁)
1 扁平上皮癌の病因
2 口腔上皮性異形成,上皮内癌の組織病理
1 口腔上皮性異形成 oral epithelial dysplasia
2 上皮内癌 carcinoma in situ:CIS
3 扁平上皮癌の組織病理
1 扁平上皮癌の組織学的特徴
2 扁平上皮癌の亜型
1.類基底扁平上皮癌
2.紡錘細胞扁平上皮癌
3.腺扁平上皮癌
4.孔道癌
5.疣贅状扁平上皮癌
6.リンパ上皮性癌
7.乳頭状扁平上皮癌
8.棘融解型扁平上皮癌
4 歯原性腫瘍の病理
1 エナメル上皮腫 ameloblastoma
2 石灰化上皮性歯原性腫瘍 calcifying epithelial odontogenic tumor
3 腺腫様歯原性腫瘍 adenomataoid odontogenic tumor
4 エナメル上皮線維腫 ameloblastic fibroma
5 歯牙腫 odontoma
6 象牙質形成性幻影細胞腫 dentinogenic ghost cell tumor
7 歯原性線維腫 odontogenic fibroma
8 歯原性粘液腫 odontogenic myxoma
9 セメント芽細胞腫 cementoblastoma
5 歯原性悪性腫瘍の組織病理
1 エナメル上皮癌 ameloblastic carcinoma
2 原発性骨内癌,NOS primary intraosseous carcinoma,NOS
3 エナメル上皮線維肉腫 ameloblastic fibrosarcoma
5章 各種口腔癌の病理(唾液腺悪性腫瘍,非上皮性悪性腫瘍)(森 泰昌)
1 分子病理診断法
1 免疫組織化学染色
2 Fluorescence in situ hybridization(FISH)
3 Dual color in situ hybridization(DISH)
4 RNA in situ hybridization(ISH)法
5 ゲノムシークエンス,RNAシークエンス Sanger sequence,next generation sequence
6 Quantitative real time PCR(リアルタイムPCR法)
2 唾液腺悪性腫瘍の病理
1 腫瘍形成のドライバーとなる遺伝子異常
2 唾液腺導管癌 salivary duct carcinoma
3 多型腺腫由来癌 carcinoma ex pleomorphic adenoma/mixed tumor
4 粘表皮癌 mucoepidermoid carcinoma
5 (硝子化)明細胞(腺)癌 Hyalinizing clear cell carcinoma/adenocarcinoma
6 分泌癌 secretory carcinoma
7 基底細胞腺癌 basal cell adenocarcinoma
8 腺様嚢胞癌 adenoid cystic carcinoma
9 上皮-筋上皮癌 epithelial-myoepithelial carcinoma
10 腺房細胞癌 acinic cell carcinoma
3 非上皮性悪性腫瘍(肉腫)の病理
1 骨肉腫 osteosarcoma:OS
2 軟骨肉腫 chondrosarcoma
3 脂肪肉腫 liposarcoma
4 滑膜肉腫 synovial sarcoma
5 悪性末梢神経鞘腫瘍 malignant peripheral nerve sheath tumor:MPNST
6 Ewing肉腫 Ewing sarcoma
7 横紋筋肉腫 rhabdomyosarcoma
8 類上皮肉腫 epithelioid sarcoma
9 未分化多形肉腫 undifferentiated pleomorplic sarcoma:UPS
4 非上皮性悪性腫瘍
1 (粘膜)悪性黒色腫 malignant melanoma/mucosal malignant melanoma
5 非上皮性悪性腫瘍(血液リンパ系腫瘍の病理)
1 節外性NK/T リンパ腫(鼻型) extranodal NK/T cell lymphoma,nasal type
2 形質細胞腫 plasmacytoma
3 びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫 diffuse large B-cell type lymphoma/DLBCL
4 MALT関連性節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 mucosa-associated extranodal marginal B-cell lymphoma
6 非上皮性悪性腫瘍(神経内分泌腫瘍の病理)
1 嗅神経芽細胞腫 olfactory neuroblastoma
2 上皮性内分泌新生物
3 神経内分泌癌 neuroendocrine carcinoma(NEC)
4 NUT癌 NUT carcinoma
6章 各種口腔癌におけるバイオマーカーの開発(本田一文)
1 はじめに
2 バイオマーカーの種類と現状
1 診断バイオマーカー・治療モニタリングバイオマーカー
2 治療効果予測バイオマーカー
3 予後予測バイオマーカー
4 副作用・毒性バイオマーカー
3 Liquid biopsy(CTCs,ctDNA)を用いたバイオマーカーの可能性
4 まとめ
7章 口腔癌の画像診断(林 孝文)
1 口腔癌原発巣の画像診断・総論
1 はじめに
2 エックス線画像(口内法・パノラマエックス線画像等)
3 CT(コンピュータ断層撮影)/コーンビームCT(CBCT)
4 MRI(磁気共鳴画像)
5 超音波診断(US)
6 PET陽電子放出断層撮影
2 口腔癌原発巣の画像診断・部位別症例供覧
1 舌癌・口底(口腔底)癌
1.右側舌扁平上皮癌 T1N0
2.右側口底(口腔底)扁平上皮癌 T2N0
2 下顎歯肉(下歯肉)癌・上顎歯肉(上歯肉)癌
1.左側下顎歯肉扁平上皮癌(左下6部) T1N0
2.左側下顎歯肉扁平上皮癌(左下7部) T2N0
3.左側上顎歯肉扁平上皮癌(左上6・7部) T4N0
3 頬粘膜癌
1.右側頬粘膜扁平上皮癌 T1N0
3 頸部リンパ節転移の画像診断
1 顎下リンパ節転移
2 上内深頸リンパ節転移
3 中内深頸リンパ節転移
4 鎖骨上窩リンパ節転移
4 正常画像解剖
1.骨組織
2.筋肉
3.血管
4.間隙(隙)
5.唾液腺
6.リンパ節
7.その他の解剖構造
5 遠隔転移の画像診断
1 右側舌扁平上皮癌T3N0術後
6 術後再発の画像診断
1.右側下顎歯肉扁平上皮癌 T4aN0
2.左側上顎歯肉扁平上皮癌 T4N0
3.右側舌扁平上皮癌 T3N0
4.左側下顎歯肉扁平上皮癌 T2N0
7 下顎骨の放射線障害(放射線骨髄炎・放射線性骨壊死)の画像診断
1.右側中咽頭扁平上皮癌に対する化学放射線療法後
II編 口腔癌治療の実際I
1章 口唇癌(中山秀樹)
1 発生頻度,疫学
2 好発年齢,性差,好発部位
3 臨床像,予後
4 病理組織学的特徴
5 治療
2章 頬粘膜癌(太田嘉英)
1 発生頻度,疫学,頻度,好発部位
2 予後
3 治療
1 外科療法
1.原発巣切除
2.術式
2 頬粘膜癌に対する放射線治療
3章 舌癌,口底癌(鵜澤成一)
1 舌癌
1 発生頻度,性差,好発年齢
2 臨床所見
3 病理組織学的所見
4 治療
5 予後
2 口底癌
1 発生頻度,性差,好発年齢
2 臨床所見
3 病理組織学的所見
4 治療
5 予後
3 舌癌・口底癌の治療
4 舌癌の外科療法
1 舌癌の術式決定に関わる因子
1.肉眼所見
2.頸部リンパ節転移
3.周囲組織への進展
2 舌癌の手術
1.舌部分切除術
2.舌可動部半側切除術
3.舌可動部(亜)全摘術
3 口底癌の手術
1.口底部分切除術
2.合併切除術
4章 下顎歯肉癌(臼後部癌を含む)(桐田忠昭)
1 頻度・疫学・発症部位・リンパ節転移
1 頻度,組織型分類
2 性・発症年齢
3 部位別頻度
4 初発症状と来院経路,来院までの処置
5 所属リンパ節転移
2 臨床所見
3 下顎歯肉癌(臼後部癌を含む)の解剖学的特徴と進展経路
4 下顎骨への浸潤様式
1 病理組織学的顎骨浸潤様式
2 エックス線画像による顎骨浸潤様式
3 病理組織学的顎骨浸潤様式とエックス線画像による顎骨浸潤様式との関連
5 原発巣進展の画像診断
6 治療法
1 手術療法
1.下顎歯肉癌,臼後部癌の切除方法と切除範囲の選択基準
2.手術方法
2 非手術療法
7 予後,治療成績
1 下顎歯肉癌
2 臼後部癌
3 下顎辺縁切除術と下顎区域切除術による治療成績の比較
4 予後因子
1.下顎歯肉癌
2.臼後部癌
8 原発性顎骨中心性癌
5章 上顎歯肉癌・硬口蓋癌(梅田正博)
1 上顎歯肉・硬口蓋癌の疫学
2 臨床像
3 組織型分類
4 原発巣の進展度分類
5 所属リンパ節転移の特徴
6 上顎歯肉癌治療に必要な解剖学的事項
1 側頭下窩
2 翼口蓋窩
3 咀嚼筋隙
4 翼突下顎縫線
7 治療
1 手術療法
1.口内法による上顎部分切除術
2.口外法による上顎部分切除術,上顎亜全摘出,上顎全摘出
3.咀嚼筋隙一塊切除(側頭下窩郭清術)
4.ルビエールリンパ節切除
5.頬部瘢痕予防手術
6.即時インプラント埋入
2 非手術療法
8 予後
6章 唾液腺癌(多田雄一郎)
1 発生頻度,病理,疫学,頻度,好発部位,臨床像,予後
1 発生頻度
2 疫学
1.放射線
2.喫煙
3.ウイルス感染
4.環境因子
5.腫瘍発生リスク病変
6.悪性腫瘍発症
3 好発部位
4 病理
5 遺伝子異常
6 発生頻度
7 臨床像
8 予後
9 代表的腫瘍型の概要
1.唾液腺導管癌
2.腺様嚢胞癌
3.粘表皮癌
4.多形腺腫由来癌
5.腺房細胞癌
6.分泌癌
7.上皮筋上皮癌
8.筋上皮癌
9.明細胞癌
2 治療前診断
1 細胞診
1.検体採取
2.検体採取判定・新報告様式とミラノシステム
2 画像診断
3 TNM
1.原発巣(T分類)
2.頸部リンパ節転移(N分類)
3.遠隔転移(M分類)
3 治療
1 外科的治療
1.良性腫瘍
2.悪性腫瘍
2 放射線治療
1.術後放射線治療
2.切除不能局所進行唾液腺癌に対する根治的放射線治療
3.化学放射線治療
3 薬物療法
1.放射線治療併用薬物療法
2.術後補助治療
3.遠隔転移に対する治療
4 まとめ
7章 非上皮性悪性腫瘍
1 肉腫-総論(伏見千宙)
1 原発性骨悪性腫瘍
2 悪性軟部組織腫瘍
2 肉腫-各論
1 原発性骨悪性腫瘍
1.骨肉腫
2.軟骨肉腫
Ewing肉腫
2 悪性軟部組織腫瘍
1.横紋筋肉腫
2.平滑筋肉腫
3.血管肉腫
4.Kaposi(カポジ)肉腫
5.孤立性線維性腫瘍
6.デスモイド線維腫症
7.隆起性皮膚線維肉腫
8.線維肉腫
9.未分化多形肉腫
10.脂肪肉腫
11.滑膜肉腫
12.悪性末梢神経鞘腫瘍(伏見千宙)
13.粘膜悪性黒色腫(道 泰之)
3 治療(薬物療法)(朝井洋晶)
1 骨原発肉腫
1.骨肉腫
2.Ewing肉腫
3.軟骨肉腫
2 軟部肉腫 soft tissue sarcoma
1.円形細胞肉腫
2.非円形細胞肉腫(横紋筋肉腫,骨外性Ewing肉腫以外の軟部肉腫)
3 粘膜型悪性黒色腫 mucosal malignant melanoma
4 神経内分泌癌 neuroendocrime carcinoma:NEC
5 造血器腫瘍悪性リンパ腫 malignant lymphoma
8章 転移性癌(莇生田整治)
1 定義・診断基準
2 疫学
1 発生頻度
2 性差
3 好発年齢
3 原発部位と口腔病変の発生部位
1 原発部位
2 口腔病変の発生部位
4 臨床所見,病理組織学的所見,診断
1 臨床像
2 画像所見
3 病理組織型
4 生検
5 治療・予後
索引
下巻
III編 口腔癌治療の実際II
1章 頭蓋底外科(吉本世一)
1 解剖
1 頭皮
2 頭蓋骨膜弁
3 側頭筋膜
4 脳脊髄液
5 頭蓋底を構成する骨
6 脳神経
7 前頭蓋窩
8 眼窩先端部
9 海綿静脈洞
10 中頭蓋窩
11 側頭骨
12 頸動脈管
13 頸静脈孔
14 S状静脈洞
15 舌下神経管
2 切除法
1 はじめに
2 手術適応
3 術前準備
4 前頭蓋底手術
1.はじめに
2.症例提示
3.手術の解剖学的イメージ
4.皮膚切開
5.pericranial flapの作成
6.開頭
7.硬膜切開および再建
8.鼻内内視鏡による鼻腔の処理
9.腫瘍切除
10.前頭蓋底再建
11.閉創
12.術後状態
5 中頭蓋底手術
1.はじめに
2.症例提示
3.手術の解剖学的イメージ
4.皮膚切開
5.頬骨弓切除・側頭筋切除
6.側頭開頭
7.中頭蓋底切除
8.頸部郭清
9.下顎区域切除・上顎部分切除
10.頭蓋底および口腔顔面再建
11.閉創
6 前中頭蓋底手術
1.はじめに
2.症例提示
3.手術の解剖学的イメージ
4.皮膚切開
5.開頭および頭蓋底操作
6.腫瘍切除
7.前中頭蓋底再建
3 再建法
1 硬膜再建
2 Pericranial flap
3 側頭筋膜弁,側頭筋弁,側頭骨膜弁
4 遊離皮弁
5 頭蓋底再建の基本的な考え方
IV編 口腔癌治療の実際III
1章 頸部郭清術(原田浩之)
1 頸部郭清術の歴史
2 レベル分類
3 頸部郭清術の術式と適応
1 根治的頸部郭清術(RND)
2 根治的頸部郭清術変法(mRND)
3 選択的頸部郭清術
4 頸部郭清術に際して確認しておきたい解剖
1 顎二腹筋
2 顎舌骨筋
3 顔面神経下顎縁枝
4 副神経
5 頸部郭清術の実際
1 肩甲舌骨筋上頸部郭清術
1.皮膚切開・皮弁挙上
2.上面(顔面神経下顎縁枝の剖出)
3.オトガイ下・顎下の処理
4.後方および下方限界の設定
5.内頸静脈周囲の処理
2 根治的頸部郭清術変法(IJV,SAN保存)
1.皮膚切開・皮弁挙上
2.上面(顔面神経下顎縁枝の剖出)
3.下面
4.後縁
5.前縁
6 術後合併症・後遺症
1 浮腫
2 嗄声
3 リンパ・乳糜漏
4 横隔神経麻痺
5 ショルダードロップ
6 ホルネル症候群
7 ファーストバイトシンドローム
V編 口腔癌の放射線療法,薬物療法,免疫療法
1章 放射線療法
1 基礎知識(三浦雅彦)
1 4つのR
1.Repair(修復)
2.Redistribution(再分布)
3.Reoxygenation(再酸素化)
4.Repopulation(再増殖)
2 粒子線の特徴
2 適応と選択(吉村亮一)
1 根治治療
1.組織内照射
2.外部照射
2 術後照射
3 緩和照射
3 エックス線外部照射(吉村亮一)
1 根治照射
1.標的体積
2.線量
3.治療成績
2 術後照射
1.標的体積
2.線量
3.治療成績
3 緩和照射
1.照射範囲
2.線量
3.治療成績
4 小線源(密封,非密封)(戒田篤志)
1 小線源治療の歴史
2 小線源治療が治療効果を示す根拠
3 小線源治療の適応疾患
4 小線源治療の種類
1.低線量率小線源治療
2.高線量率小線源治療
3.口腔内補助装置の重要性
5 小線源治療の治療成績
6 小線源治療による有害事象
1.早期障害
2.晩期障害
5 粒子線治療(重粒子線)(伊川裕明・小藤昌志)
1 重粒子線治療の基礎
1.重粒子線治療とは
2.重粒子線の特徴
2 重粒子線治療の臨床
1.口腔がんに対する重粒子線治療の経緯と適応
2.口腔がんに対する重粒子線治療
3.有害事象
6 粒子線治療(陽子線)(髙山香名子)
1 はじめに
2 陽子線治療の歴史
3 陽子線治療の特徴
4 陽子線治療の適応
5 口腔癌に対する陽子線治療の実際
1.治療効果向上のための集学的治療
2.有害事象とその軽減のために
6 今後の展望
7 ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)(加藤逸郎)
1 緒言
2 BNCTの原理
3 頭頸部癌におけるBNCTの治療成績
4 世界最初の頭頸部癌に対するBNCTの症例―巨大な再発耳下腺癌患者が7年生存
5 神経浸潤性の腺様嚢胞腺癌術後再発例
6 上顎癌再発後,眼窩・頭蓋内に浸潤した症例
7 全頸部郭清術・頸部照射後の頸部再発例
8 確立された治療法のない血管肉腫の治療
9 下顎骨関節突起の軟骨性骨肉腫
10 BNCTの適応症例について
11 考察
2章 薬物療法(治療の変遷から最新治療まで)(本間義崇)
1 治療の変遷
2 薬物療法の開始にあたり行うべき評価
3 薬物療法の用途について
4 局所進行口腔癌に対する薬物療法
1 術後再発ハイリスクの定義と,再発ハイリスク例への術後再発予防
2 術後化学放射線療法:high-dose CDDPからweekly-dose CDDPの変遷
5 再発・転移口腔がんに対する薬物療法
1 単剤療法から併用療法への変遷
2 分子標的薬の導入:CF/PF療法からCF/PF+Cmab療法へ
3 免疫チェックポイント阻害薬:プラチナ製剤抵抗性RM-HNSCCを対象とした開発
4 免疫チェックポイント阻害薬:プラチナ製剤感受性RM-HNSCCを対象とした開発
6 薬物療法:有害事象とその対策
3章 超選択的動注化学放射線療法(光藤健司)
1 頭頸部癌に対する動注化学療法の歴史
1 動注化学療法の投与経路,分類
2 頭頸部悪性腫瘍に対する動注化学療法
1.上甲状腺動脈経由の動注化学療法
2.浅側頭動脈経由の動注化学療法
3.大腿動脈経由の動注化学療法
4.選択的動注化学療法による腫瘍内の抗腫瘍薬濃度
2 動注化学放射線療法の適応と禁忌
1 全身状態
2 組織型
3 放射線照射歴,再発例
4 脳梗塞
3 治療法,治療成績,有害事象
1 上甲状腺動脈,浅側頭動脈,後頭動脈経由の動注化学療法,動注化学放射線療法
2 大腿動脈経由の動注化学放射線療法(RADPLAT)
4 頭頸部癌に対する動注化学放射線療法の臨床試験,システマティックレビュー・メタアナリシス
5 まとめ
4章 免疫療法(新規治療薬も含む)(岡野 晋)
1 はじめに
2 癌免疫療法の分類
1 養子免疫療法
2 ワクチン療法
3 サイトカイン療法
4 免疫賦活剤
5 免疫調整剤
3 癌免疫療法の基礎
1 癌免疫サイクル
2 癌免疫編集
3 腫瘍微小環境
4 癌免疫療法の薬剤
1 実臨床において使用されている免疫チェックポイント阻害薬
1.抗PD-1/PD-L1抗体
2.抗CTLA-4抗体
2 今後の開発が期待される免疫チェックポイント阻害薬
1.抗LAG3抗体
2.抗NKG2A抗体
5 癌免疫療法の最新動向
1 細胞障害薬と免疫チェックポイント阻害薬
2 分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬
1.モノクローナル抗体
2.血管新生阻害薬
3 異なる免疫チェックポイント阻害薬の組み合わせ
1.抗CTLA-4抗体薬との併用
2.IDO1酵素阻害薬との併用
3.抗ICOS抗体薬との併用
4 放射線治療と免疫チェックポイント阻害薬
5 手術治療と免疫チェックポイント阻害薬
6 まとめ
VI編 再建術と術後機能回復,術後評価
1章 各種再建法
1 総論(去川俊二)
1 口腔再建の目的
2 再建手技
1.術中に用いる人工物
2.遊離組織移植
3.遠隔皮弁
4.脈管吻合
3 口腔再建の流れ
1.術前シミュレーション
2.再建組織の決定・採取
3.再建・移植組織の固定
4.閉創
5.術後管理
2 頬部顔面・口唇・頬粘膜の再建(横尾 聡・牧口貴哉)
1 障害医学と社会的生命の維持
2 Step-Surgery Concept
3 口角,鼻唇溝,オトガイ唇溝の美容的標準形態
1.口角
2.鼻唇溝
3.オトガイ唇溝
4 頬部顔面・口角・口唇・頬部膜再建の実際
1.症例1:口角を含む頬部全層(頬部顔面,口角,口唇・頬粘膜)再建
2.症例2:口角を含む頬部全層(頬部顔面・口角・口唇・頬粘膜)再建
3.症例3:口角を含む頬部全層(下顔面・下唇・口角・頬粘膜)再建
4.症例4:下唇広範欠損の再建
5.症例5:下顎骨 vertical mandibular corticotomyによる下唇を含めた下顔面の形態(mental S)の温存
5 広頸筋皮弁,頸部島状皮弁による頬部顔面・口角・口唇・頬粘膜再建
1.広頸筋皮弁と頸部島状皮弁の概念と挙上
2.症例6:広頸筋皮弁による頬粘膜再建(1)
3.症例7:広頸筋皮弁による頬粘膜再建(2)
4.症例8:頸部島状皮弁・口蓋粘膜骨膜弁・赤唇進展皮弁による頬部顔面・口角・口唇・頬粘膜再建
3 舌,口底の再建(原田浩之)
1 舌,口底再建の目的
2 理想的な舌,口底再建
3 舌癌切除後の再建
1.舌部分切除
2.舌可動部半側切除
3.舌亜全摘,全摘
4 口底癌切除後の再建
1.口底部分切除
2.合併切除
4 下顎再建(桐田忠昭・柳本惣市)
1 下顎骨の解剖と特徴
2 歯の喪失と加齢に伴う下顎骨の変化
3 下顎再建の目標
4 下顎再建法の選択
1.遊離自家骨移植
2.再建用金属プレート,チタンメッシュトレー
3.骨延長法
4.血管柄付き遊離骨皮弁
5 下顎骨欠損の分類
6 下顎再建の実際
1.再建手術までの準備
2.手術の手順と実際
3.Virtual surgical planning(VSP)による下顎再建
7 3Dモデルとサージカルガイド(cutting guide)を用いた術前シミュレーションの評価
8 再建後の顔貌の整容的評価
5 上顎再建(牧野修治郎)
1 はじめに
1.顎義歯と再建外科
2.一次再建と二次再建
2 上顎再建に関わる欠損分類
3 切除部位・Brown欠損分類からみた障害と対策
1.歯槽突起~口蓋・Brown I,II~a,b,c,d
2.眼窩下部~頬部,上唇~鼻翼外側の裏面・Brown II
3.眼窩底・Brown III
4.頬骨隆起・Brown III
5.翼突部・Brown b,d
6.軟口蓋
7.眼窩内容・Brown IV
4 皮弁による再建について
1.皮弁の縫着について
2.血管吻合について
3.再建後の問題
2章 再建術後の咬合咀嚼再建(義歯およびインプラント治療),エピテーゼによる顔面再建
1 インプラントによる咬合咀嚼再建(総論)(山下佳雄)
1 治療計画
1.術前シミュレーション
2.インプラント体
3.上部構造
2 機能回復について
3 インプラント補綴の限界
4 インプラント治療の時期
5 インプラント治療経過および成績(残存率)
6 広範囲顎骨支持型装置・補綴の導入
7 Digital dentistry
8 インプラント治療の注意事項
1.インプラント周囲炎
2.インプラント器具の誤飲,誤嚥
3.放射線治療・化学療法
2 再建顎骨へのインプラント治療の実際(堀田 聡)
1 皮弁減量術
2 インプラント治療の手順
3 咀嚼・構音機能評価および口腔関連QOLの評価
3 口腔癌治療と顎顔面補綴治療(隅田由香)
1 顎顔面欠損患者と顎顔面補綴
2 口腔癌治療の支持医療に携わる顎顔面補綴医
4 術前に行われる顎顔面補綴診査と術前資料採得
5 術前に製作される顎補綴装置
1 術後即時顎補綴装置(ISO)
2 放射線治療補助装置
6 術後に行われる顎顔面補綴診査と術前資料採得
7 術後に製作される顎顔面補綴装置
1 欠損補綴装置
1.顔面補綴装置(顔面エピテーゼ)
2.顎補綴装置
2 補助装置
1.舌接触補助床(PAP)
2.開口訓練装置
8 最後に
3章 口腔癌治療後の摂食嚥下障害の診断と治療(髙橋浩二)
1 口腔癌治療後の摂食嚥下障害の原因
2 口腔癌治療後摂食嚥下障害の原発部位別の特徴
1 口唇癌
2 舌癌と口底癌
3 下顎歯肉癌
4 上顎歯肉癌・口蓋癌
5 中咽頭癌
3 摂食嚥下障害の診断
1 口腔癌治療前における摂食嚥下機能の診断の必要性について
2 スクリーニング検査法
1.医療面接
2.視診・触診
3.氷砕片嚥下検査
4.喉頭挙上テスト
5.反復唾液嚥下テスト(RSST)
6.改訂水飲み検査(MWST)
7.フードテスト
8.質問紙票調査(EAT10,聖隷式嚥下質問紙)
9.摂食嚥下障害の重症度分類
10.The Mann Assessment of Swallowing Ability-Cancer(MASA-C)
11.舌圧検査法
12.口唇圧検査法
13.口腔粘膜湿潤度検査法
14.頸部聴診法
3 精密検査法
1.嚥下造影検査(VF検査)
2.嚥下内視鏡検査(VE検査)
3.体組成計測法
4 口腔癌治療後摂食嚥下障害の治療
1 口腔癌外科的治療に伴い気管切開術を行っている場合
2 機能訓練法
1.排出訓練
2.口唇の閉鎖訓練
3.開口訓練
4.舌の負荷運動訓練
5.嚥下法
6.胃管を利用した嚥下訓練
7.バルーンによる食道入口部拡大訓練
8.頸部伸張訓練
9.頭部挙上訓練
10.表面筋電計を用いた喉頭挙上のバイオフィードバック・トレーニング
11.舌骨上筋への神経筋電気刺激療法(NMES)
12.嚥下反射亢進のための干渉波電気刺激療法(IFC)
3 代償的方法
1.姿勢調節法
2.食塊の量と運ぶペースを調整する方法
3.食べ物の粘性を調整する方法
4.摂食補助装置
4 入院下の短期集中嚥下リハビリテーション
4章 口腔癌治療後の言語障害の診断と治療(髙橋浩二)
1 はじめに
2 言語障害の診断法
1 構音器官の評価法
1.ビデオを用いた観察
2.構音器官の運動能と構音時の動態の評価
2 共鳴の異常の評価法
3 構音障害の評価法:発話明瞭度検査
1.音節明瞭度検査
2.会話明瞭度(了解度)検査
3 原発部位別の言語障害の特徴と治療法
1 口唇癌治療後
2 舌癌および口底癌治療後
3 下顎歯肉癌治療後
4 上顎歯肉癌および口蓋癌治療後
5 中咽頭癌治療後
5章 術後評価(機能,整容)
1 機能,整容の評価(山城正司)
1 形態・整容の評価
1.欠損の分類
2.整容的評価
2 運動機能の評価
1.舌運動機能の評価
2.舌圧の評価
3.副神経障害の評価
3 構音機能の評価
1.客観的評価
2.主観的評価
4 咀嚼機能の評価
1.客観的評価
2.主観的評価
5 その他の機能評価
1.感覚の評価
2.味覚の評価
3.口腔乾燥,唾液量の評価
2 QOL(青木隆幸)
1 口腔がん臨床・研究におけるQuality of Life:QOL
2 QOL評価の目的
1.臨床研究
2.日常臨床における患者立脚型アウトカム(PRO)
3.HTA(含:費用対効果)
3 QOL評価法
1.包括的尺度
2.疾患(がん)特異的尺度
3.インデックス型尺度
4 QOL尺度の選択
5 口腔がん患者のQOL
6 QOL評価の活用法
VII編 高齢者の口腔癌治療
1章 高齢者の口腔癌(上田倫弘)
1 はじめに
2 高齢者の身体構造の変化
3 高齢者の心理,精神状態
4 高齢者の臨床検査
1 加齢による検査値の変化
1.タンパク
2.脂質
3.血糖
4.含窒素成分
5.ホルモン
6.電解質,金属,ビタミン
7.血液検査
8.免疫学的検査
9.生理検査
2 加齢による神経の変化
1.自律神経系
2.末梢神経
3.中枢神経
5 高齢者の栄養管理(輸液管理を含む)
1 加齢に伴う代謝の変化
6 高齢者の薬物療法
7 高齢者の癌
8 高齢口腔癌の特徴
9 高齢口腔癌の治療選択とアセスメント
10 高齢口腔癌の治療
1 外科療法
2 放射線治療
3 化学療法
11 高齢者癌治療と医療経済
VIII編 周術期口腔機能管理,放射線骨壊死とその治療
1章 周術期口腔機能管理および粘膜炎,栄養管理,胃瘻(栗田 浩)
1 周術期口腔機能管理
1 周術期口腔機能管理とは
2 周術期口腔機能管理の内容
1.包括的口腔ケア
2.歯性感染巣のコントロール
3.口腔機能の維持,向上
4.歯科金属による有害事象対策
5.晩期有害事象の予防
6.歯の保護
7.粘膜炎/口内炎対策
3 周術期口腔機能管理の効果
1.肺炎予防効果
2.術後創治癒における口腔ケアの介入効果
3.口腔粘膜炎における口腔ケアの介入効果
2 栄養管理
1 癌と栄養
2 栄養と栄養素
1.糖質
2.タンパク質・アミノ酸
3.脂質
4.ビタミン
5.微量元素
3 栄養状態の評価
1.栄養評価指標
2.栄養スクリーニング・アセスメントツール
3.予後推定指標,栄養リスク指標
4 栄養療法
1.栄養法の選択
5 各種栄養法
1.経腸栄養法
2.静脈栄養法
6 口腔癌治療における栄養療法の実際
1.栄養投与量の決定
2.術前の栄養管理
3.外科手術周術期の栄養管理
4.放射線治療,薬物療法時
2章 放射線性骨壊死とその治療(山川延宏)
1 成因・頻度
2 ORNのリスク因子
3 症状・診断
4 発症の予防
5 治療法
1 保存療法
1.抗菌薬化学療法
2.高気圧酸素療法(HBOT)
3.その他の保存療法
2 外科療法
1.腐骨除去術
2.顎骨切除・顎骨再建
索引
・口腔癌について診断,治療そして治療後の再建や機能回復まで,全てを記載した書籍.
・口唇,頰,舌,歯肉,口底,口蓋をはじめ,頭蓋底などの口腔に関連する頭頸部の広い範囲をカバー.
・病理や解剖,各種治療法(手術,放射線,薬物,免疫療法など)に加えて治療部位の再建(義歯やインプラント,エピテーゼなど),嚥下や構音のリハビリテーション,評価なども記載.
・口腔外科,耳鼻咽喉科,頭頸部外科,形成外科,顎顔面補綴科など,口腔の癌治療に関わるすべての医療者のための成書です.
上巻
I編 口腔癌,口腔潜在的悪性疾患の診断
1章 口腔癌の疫学・TNM分類・アルゴリズム(長尾 徹・後藤満雄)
1 疫学
1 罹患数・罹患率
2 死亡数・死亡率
3 口腔癌の原因
1.喫煙・無煙タバコ(ビンロウ噛み)
2.飲酒
3.その他
2 口腔とは(機能,口腔癌の亜部位別発生頻度,分類)
1 口腔の亜部位と癌の発生頻度
2 亜部位と国際疾病分類
3 亜部位別の予後
4 頸部の取扱い
3 口腔悪性腫瘍のTNM分類
1 TNM分類使用の原則
2 病期分類および予後グループ
1.口腔(口唇を含む)のT分類
2.頸部のN分類
3.遠隔転移のTNM病期分類
4 口腔癌診療のアルゴリズム
1 口腔癌診療ガイドライン
2 NCCNガイドライン
3 EHNS-ESMO-ESTRO診療ガイドライン
2章 口腔癌の臨床像とその鑑別(中村誠司)
1 臨床像
1 臨床像と鑑別疾患
1.上皮性悪性腫瘍
2.非上皮性悪性腫瘍
3.悪性歯原性腫瘍
4.転移性癌
2 診断法
1 臨床診断 clinical diagnosis
2 画像診断 image diagnosis
1.原発巣
2.頸部リンパ節
3.遠隔転移
4.その他
3 病理診断 pathological diagnosis
1.細胞診
2.組織診
4 腫瘍マーカー tumor marker
3章 口腔潜在的悪性疾患(片倉 朗)
1 口腔潜在的悪性疾患の概念
2 口腔潜在的悪性疾患の病態と病理
1 紅板症 erythloplakia
2 白板症 leukoplakia
3 紅板白板症 erythroleukoplakia
4 口腔粘膜下線維症 oral submucous fibrosis
5 先天性角化不全症 dyskeratosis congenita
6 無煙タバコ角化症 smokeless tabacco keratosis
7 リバーススモーキング関連口蓋病変 palatal lesions in reverse smoking
8 慢性カンジダ症 chronic candidasis
9 扁平苔癬 lichen planus
10 円板状ループスエリテマトーデス discoid lupus erythematosus
11 梅毒性舌炎 syphilitic glossitis
12 日光性角化症(口唇のみ) actinic keratosis(lip only)
4章 各種口腔癌と歯原性腫瘍の病理(扁平上皮系癌,歯原性腫瘍)(中野敬介・長塚 仁)
1 扁平上皮癌の病因
2 口腔上皮性異形成,上皮内癌の組織病理
1 口腔上皮性異形成 oral epithelial dysplasia
2 上皮内癌 carcinoma in situ:CIS
3 扁平上皮癌の組織病理
1 扁平上皮癌の組織学的特徴
2 扁平上皮癌の亜型
1.類基底扁平上皮癌
2.紡錘細胞扁平上皮癌
3.腺扁平上皮癌
4.孔道癌
5.疣贅状扁平上皮癌
6.リンパ上皮性癌
7.乳頭状扁平上皮癌
8.棘融解型扁平上皮癌
4 歯原性腫瘍の病理
1 エナメル上皮腫 ameloblastoma
2 石灰化上皮性歯原性腫瘍 calcifying epithelial odontogenic tumor
3 腺腫様歯原性腫瘍 adenomataoid odontogenic tumor
4 エナメル上皮線維腫 ameloblastic fibroma
5 歯牙腫 odontoma
6 象牙質形成性幻影細胞腫 dentinogenic ghost cell tumor
7 歯原性線維腫 odontogenic fibroma
8 歯原性粘液腫 odontogenic myxoma
9 セメント芽細胞腫 cementoblastoma
5 歯原性悪性腫瘍の組織病理
1 エナメル上皮癌 ameloblastic carcinoma
2 原発性骨内癌,NOS primary intraosseous carcinoma,NOS
3 エナメル上皮線維肉腫 ameloblastic fibrosarcoma
5章 各種口腔癌の病理(唾液腺悪性腫瘍,非上皮性悪性腫瘍)(森 泰昌)
1 分子病理診断法
1 免疫組織化学染色
2 Fluorescence in situ hybridization(FISH)
3 Dual color in situ hybridization(DISH)
4 RNA in situ hybridization(ISH)法
5 ゲノムシークエンス,RNAシークエンス Sanger sequence,next generation sequence
6 Quantitative real time PCR(リアルタイムPCR法)
2 唾液腺悪性腫瘍の病理
1 腫瘍形成のドライバーとなる遺伝子異常
2 唾液腺導管癌 salivary duct carcinoma
3 多型腺腫由来癌 carcinoma ex pleomorphic adenoma/mixed tumor
4 粘表皮癌 mucoepidermoid carcinoma
5 (硝子化)明細胞(腺)癌 Hyalinizing clear cell carcinoma/adenocarcinoma
6 分泌癌 secretory carcinoma
7 基底細胞腺癌 basal cell adenocarcinoma
8 腺様嚢胞癌 adenoid cystic carcinoma
9 上皮-筋上皮癌 epithelial-myoepithelial carcinoma
10 腺房細胞癌 acinic cell carcinoma
3 非上皮性悪性腫瘍(肉腫)の病理
1 骨肉腫 osteosarcoma:OS
2 軟骨肉腫 chondrosarcoma
3 脂肪肉腫 liposarcoma
4 滑膜肉腫 synovial sarcoma
5 悪性末梢神経鞘腫瘍 malignant peripheral nerve sheath tumor:MPNST
6 Ewing肉腫 Ewing sarcoma
7 横紋筋肉腫 rhabdomyosarcoma
8 類上皮肉腫 epithelioid sarcoma
9 未分化多形肉腫 undifferentiated pleomorplic sarcoma:UPS
4 非上皮性悪性腫瘍
1 (粘膜)悪性黒色腫 malignant melanoma/mucosal malignant melanoma
5 非上皮性悪性腫瘍(血液リンパ系腫瘍の病理)
1 節外性NK/T リンパ腫(鼻型) extranodal NK/T cell lymphoma,nasal type
2 形質細胞腫 plasmacytoma
3 びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫 diffuse large B-cell type lymphoma/DLBCL
4 MALT関連性節外性辺縁帯B細胞リンパ腫 mucosa-associated extranodal marginal B-cell lymphoma
6 非上皮性悪性腫瘍(神経内分泌腫瘍の病理)
1 嗅神経芽細胞腫 olfactory neuroblastoma
2 上皮性内分泌新生物
3 神経内分泌癌 neuroendocrine carcinoma(NEC)
4 NUT癌 NUT carcinoma
6章 各種口腔癌におけるバイオマーカーの開発(本田一文)
1 はじめに
2 バイオマーカーの種類と現状
1 診断バイオマーカー・治療モニタリングバイオマーカー
2 治療効果予測バイオマーカー
3 予後予測バイオマーカー
4 副作用・毒性バイオマーカー
3 Liquid biopsy(CTCs,ctDNA)を用いたバイオマーカーの可能性
4 まとめ
7章 口腔癌の画像診断(林 孝文)
1 口腔癌原発巣の画像診断・総論
1 はじめに
2 エックス線画像(口内法・パノラマエックス線画像等)
3 CT(コンピュータ断層撮影)/コーンビームCT(CBCT)
4 MRI(磁気共鳴画像)
5 超音波診断(US)
6 PET陽電子放出断層撮影
2 口腔癌原発巣の画像診断・部位別症例供覧
1 舌癌・口底(口腔底)癌
1.右側舌扁平上皮癌 T1N0
2.右側口底(口腔底)扁平上皮癌 T2N0
2 下顎歯肉(下歯肉)癌・上顎歯肉(上歯肉)癌
1.左側下顎歯肉扁平上皮癌(左下6部) T1N0
2.左側下顎歯肉扁平上皮癌(左下7部) T2N0
3.左側上顎歯肉扁平上皮癌(左上6・7部) T4N0
3 頬粘膜癌
1.右側頬粘膜扁平上皮癌 T1N0
3 頸部リンパ節転移の画像診断
1 顎下リンパ節転移
2 上内深頸リンパ節転移
3 中内深頸リンパ節転移
4 鎖骨上窩リンパ節転移
4 正常画像解剖
1.骨組織
2.筋肉
3.血管
4.間隙(隙)
5.唾液腺
6.リンパ節
7.その他の解剖構造
5 遠隔転移の画像診断
1 右側舌扁平上皮癌T3N0術後
6 術後再発の画像診断
1.右側下顎歯肉扁平上皮癌 T4aN0
2.左側上顎歯肉扁平上皮癌 T4N0
3.右側舌扁平上皮癌 T3N0
4.左側下顎歯肉扁平上皮癌 T2N0
7 下顎骨の放射線障害(放射線骨髄炎・放射線性骨壊死)の画像診断
1.右側中咽頭扁平上皮癌に対する化学放射線療法後
II編 口腔癌治療の実際I
1章 口唇癌(中山秀樹)
1 発生頻度,疫学
2 好発年齢,性差,好発部位
3 臨床像,予後
4 病理組織学的特徴
5 治療
2章 頬粘膜癌(太田嘉英)
1 発生頻度,疫学,頻度,好発部位
2 予後
3 治療
1 外科療法
1.原発巣切除
2.術式
2 頬粘膜癌に対する放射線治療
3章 舌癌,口底癌(鵜澤成一)
1 舌癌
1 発生頻度,性差,好発年齢
2 臨床所見
3 病理組織学的所見
4 治療
5 予後
2 口底癌
1 発生頻度,性差,好発年齢
2 臨床所見
3 病理組織学的所見
4 治療
5 予後
3 舌癌・口底癌の治療
4 舌癌の外科療法
1 舌癌の術式決定に関わる因子
1.肉眼所見
2.頸部リンパ節転移
3.周囲組織への進展
2 舌癌の手術
1.舌部分切除術
2.舌可動部半側切除術
3.舌可動部(亜)全摘術
3 口底癌の手術
1.口底部分切除術
2.合併切除術
4章 下顎歯肉癌(臼後部癌を含む)(桐田忠昭)
1 頻度・疫学・発症部位・リンパ節転移
1 頻度,組織型分類
2 性・発症年齢
3 部位別頻度
4 初発症状と来院経路,来院までの処置
5 所属リンパ節転移
2 臨床所見
3 下顎歯肉癌(臼後部癌を含む)の解剖学的特徴と進展経路
4 下顎骨への浸潤様式
1 病理組織学的顎骨浸潤様式
2 エックス線画像による顎骨浸潤様式
3 病理組織学的顎骨浸潤様式とエックス線画像による顎骨浸潤様式との関連
5 原発巣進展の画像診断
6 治療法
1 手術療法
1.下顎歯肉癌,臼後部癌の切除方法と切除範囲の選択基準
2.手術方法
2 非手術療法
7 予後,治療成績
1 下顎歯肉癌
2 臼後部癌
3 下顎辺縁切除術と下顎区域切除術による治療成績の比較
4 予後因子
1.下顎歯肉癌
2.臼後部癌
8 原発性顎骨中心性癌
5章 上顎歯肉癌・硬口蓋癌(梅田正博)
1 上顎歯肉・硬口蓋癌の疫学
2 臨床像
3 組織型分類
4 原発巣の進展度分類
5 所属リンパ節転移の特徴
6 上顎歯肉癌治療に必要な解剖学的事項
1 側頭下窩
2 翼口蓋窩
3 咀嚼筋隙
4 翼突下顎縫線
7 治療
1 手術療法
1.口内法による上顎部分切除術
2.口外法による上顎部分切除術,上顎亜全摘出,上顎全摘出
3.咀嚼筋隙一塊切除(側頭下窩郭清術)
4.ルビエールリンパ節切除
5.頬部瘢痕予防手術
6.即時インプラント埋入
2 非手術療法
8 予後
6章 唾液腺癌(多田雄一郎)
1 発生頻度,病理,疫学,頻度,好発部位,臨床像,予後
1 発生頻度
2 疫学
1.放射線
2.喫煙
3.ウイルス感染
4.環境因子
5.腫瘍発生リスク病変
6.悪性腫瘍発症
3 好発部位
4 病理
5 遺伝子異常
6 発生頻度
7 臨床像
8 予後
9 代表的腫瘍型の概要
1.唾液腺導管癌
2.腺様嚢胞癌
3.粘表皮癌
4.多形腺腫由来癌
5.腺房細胞癌
6.分泌癌
7.上皮筋上皮癌
8.筋上皮癌
9.明細胞癌
2 治療前診断
1 細胞診
1.検体採取
2.検体採取判定・新報告様式とミラノシステム
2 画像診断
3 TNM
1.原発巣(T分類)
2.頸部リンパ節転移(N分類)
3.遠隔転移(M分類)
3 治療
1 外科的治療
1.良性腫瘍
2.悪性腫瘍
2 放射線治療
1.術後放射線治療
2.切除不能局所進行唾液腺癌に対する根治的放射線治療
3.化学放射線治療
3 薬物療法
1.放射線治療併用薬物療法
2.術後補助治療
3.遠隔転移に対する治療
4 まとめ
7章 非上皮性悪性腫瘍
1 肉腫-総論(伏見千宙)
1 原発性骨悪性腫瘍
2 悪性軟部組織腫瘍
2 肉腫-各論
1 原発性骨悪性腫瘍
1.骨肉腫
2.軟骨肉腫
Ewing肉腫
2 悪性軟部組織腫瘍
1.横紋筋肉腫
2.平滑筋肉腫
3.血管肉腫
4.Kaposi(カポジ)肉腫
5.孤立性線維性腫瘍
6.デスモイド線維腫症
7.隆起性皮膚線維肉腫
8.線維肉腫
9.未分化多形肉腫
10.脂肪肉腫
11.滑膜肉腫
12.悪性末梢神経鞘腫瘍(伏見千宙)
13.粘膜悪性黒色腫(道 泰之)
3 治療(薬物療法)(朝井洋晶)
1 骨原発肉腫
1.骨肉腫
2.Ewing肉腫
3.軟骨肉腫
2 軟部肉腫 soft tissue sarcoma
1.円形細胞肉腫
2.非円形細胞肉腫(横紋筋肉腫,骨外性Ewing肉腫以外の軟部肉腫)
3 粘膜型悪性黒色腫 mucosal malignant melanoma
4 神経内分泌癌 neuroendocrime carcinoma:NEC
5 造血器腫瘍悪性リンパ腫 malignant lymphoma
8章 転移性癌(莇生田整治)
1 定義・診断基準
2 疫学
1 発生頻度
2 性差
3 好発年齢
3 原発部位と口腔病変の発生部位
1 原発部位
2 口腔病変の発生部位
4 臨床所見,病理組織学的所見,診断
1 臨床像
2 画像所見
3 病理組織型
4 生検
5 治療・予後
索引
下巻
III編 口腔癌治療の実際II
1章 頭蓋底外科(吉本世一)
1 解剖
1 頭皮
2 頭蓋骨膜弁
3 側頭筋膜
4 脳脊髄液
5 頭蓋底を構成する骨
6 脳神経
7 前頭蓋窩
8 眼窩先端部
9 海綿静脈洞
10 中頭蓋窩
11 側頭骨
12 頸動脈管
13 頸静脈孔
14 S状静脈洞
15 舌下神経管
2 切除法
1 はじめに
2 手術適応
3 術前準備
4 前頭蓋底手術
1.はじめに
2.症例提示
3.手術の解剖学的イメージ
4.皮膚切開
5.pericranial flapの作成
6.開頭
7.硬膜切開および再建
8.鼻内内視鏡による鼻腔の処理
9.腫瘍切除
10.前頭蓋底再建
11.閉創
12.術後状態
5 中頭蓋底手術
1.はじめに
2.症例提示
3.手術の解剖学的イメージ
4.皮膚切開
5.頬骨弓切除・側頭筋切除
6.側頭開頭
7.中頭蓋底切除
8.頸部郭清
9.下顎区域切除・上顎部分切除
10.頭蓋底および口腔顔面再建
11.閉創
6 前中頭蓋底手術
1.はじめに
2.症例提示
3.手術の解剖学的イメージ
4.皮膚切開
5.開頭および頭蓋底操作
6.腫瘍切除
7.前中頭蓋底再建
3 再建法
1 硬膜再建
2 Pericranial flap
3 側頭筋膜弁,側頭筋弁,側頭骨膜弁
4 遊離皮弁
5 頭蓋底再建の基本的な考え方
IV編 口腔癌治療の実際III
1章 頸部郭清術(原田浩之)
1 頸部郭清術の歴史
2 レベル分類
3 頸部郭清術の術式と適応
1 根治的頸部郭清術(RND)
2 根治的頸部郭清術変法(mRND)
3 選択的頸部郭清術
4 頸部郭清術に際して確認しておきたい解剖
1 顎二腹筋
2 顎舌骨筋
3 顔面神経下顎縁枝
4 副神経
5 頸部郭清術の実際
1 肩甲舌骨筋上頸部郭清術
1.皮膚切開・皮弁挙上
2.上面(顔面神経下顎縁枝の剖出)
3.オトガイ下・顎下の処理
4.後方および下方限界の設定
5.内頸静脈周囲の処理
2 根治的頸部郭清術変法(IJV,SAN保存)
1.皮膚切開・皮弁挙上
2.上面(顔面神経下顎縁枝の剖出)
3.下面
4.後縁
5.前縁
6 術後合併症・後遺症
1 浮腫
2 嗄声
3 リンパ・乳糜漏
4 横隔神経麻痺
5 ショルダードロップ
6 ホルネル症候群
7 ファーストバイトシンドローム
V編 口腔癌の放射線療法,薬物療法,免疫療法
1章 放射線療法
1 基礎知識(三浦雅彦)
1 4つのR
1.Repair(修復)
2.Redistribution(再分布)
3.Reoxygenation(再酸素化)
4.Repopulation(再増殖)
2 粒子線の特徴
2 適応と選択(吉村亮一)
1 根治治療
1.組織内照射
2.外部照射
2 術後照射
3 緩和照射
3 エックス線外部照射(吉村亮一)
1 根治照射
1.標的体積
2.線量
3.治療成績
2 術後照射
1.標的体積
2.線量
3.治療成績
3 緩和照射
1.照射範囲
2.線量
3.治療成績
4 小線源(密封,非密封)(戒田篤志)
1 小線源治療の歴史
2 小線源治療が治療効果を示す根拠
3 小線源治療の適応疾患
4 小線源治療の種類
1.低線量率小線源治療
2.高線量率小線源治療
3.口腔内補助装置の重要性
5 小線源治療の治療成績
6 小線源治療による有害事象
1.早期障害
2.晩期障害
5 粒子線治療(重粒子線)(伊川裕明・小藤昌志)
1 重粒子線治療の基礎
1.重粒子線治療とは
2.重粒子線の特徴
2 重粒子線治療の臨床
1.口腔がんに対する重粒子線治療の経緯と適応
2.口腔がんに対する重粒子線治療
3.有害事象
6 粒子線治療(陽子線)(髙山香名子)
1 はじめに
2 陽子線治療の歴史
3 陽子線治療の特徴
4 陽子線治療の適応
5 口腔癌に対する陽子線治療の実際
1.治療効果向上のための集学的治療
2.有害事象とその軽減のために
6 今後の展望
7 ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)(加藤逸郎)
1 緒言
2 BNCTの原理
3 頭頸部癌におけるBNCTの治療成績
4 世界最初の頭頸部癌に対するBNCTの症例―巨大な再発耳下腺癌患者が7年生存
5 神経浸潤性の腺様嚢胞腺癌術後再発例
6 上顎癌再発後,眼窩・頭蓋内に浸潤した症例
7 全頸部郭清術・頸部照射後の頸部再発例
8 確立された治療法のない血管肉腫の治療
9 下顎骨関節突起の軟骨性骨肉腫
10 BNCTの適応症例について
11 考察
2章 薬物療法(治療の変遷から最新治療まで)(本間義崇)
1 治療の変遷
2 薬物療法の開始にあたり行うべき評価
3 薬物療法の用途について
4 局所進行口腔癌に対する薬物療法
1 術後再発ハイリスクの定義と,再発ハイリスク例への術後再発予防
2 術後化学放射線療法:high-dose CDDPからweekly-dose CDDPの変遷
5 再発・転移口腔がんに対する薬物療法
1 単剤療法から併用療法への変遷
2 分子標的薬の導入:CF/PF療法からCF/PF+Cmab療法へ
3 免疫チェックポイント阻害薬:プラチナ製剤抵抗性RM-HNSCCを対象とした開発
4 免疫チェックポイント阻害薬:プラチナ製剤感受性RM-HNSCCを対象とした開発
6 薬物療法:有害事象とその対策
3章 超選択的動注化学放射線療法(光藤健司)
1 頭頸部癌に対する動注化学療法の歴史
1 動注化学療法の投与経路,分類
2 頭頸部悪性腫瘍に対する動注化学療法
1.上甲状腺動脈経由の動注化学療法
2.浅側頭動脈経由の動注化学療法
3.大腿動脈経由の動注化学療法
4.選択的動注化学療法による腫瘍内の抗腫瘍薬濃度
2 動注化学放射線療法の適応と禁忌
1 全身状態
2 組織型
3 放射線照射歴,再発例
4 脳梗塞
3 治療法,治療成績,有害事象
1 上甲状腺動脈,浅側頭動脈,後頭動脈経由の動注化学療法,動注化学放射線療法
2 大腿動脈経由の動注化学放射線療法(RADPLAT)
4 頭頸部癌に対する動注化学放射線療法の臨床試験,システマティックレビュー・メタアナリシス
5 まとめ
4章 免疫療法(新規治療薬も含む)(岡野 晋)
1 はじめに
2 癌免疫療法の分類
1 養子免疫療法
2 ワクチン療法
3 サイトカイン療法
4 免疫賦活剤
5 免疫調整剤
3 癌免疫療法の基礎
1 癌免疫サイクル
2 癌免疫編集
3 腫瘍微小環境
4 癌免疫療法の薬剤
1 実臨床において使用されている免疫チェックポイント阻害薬
1.抗PD-1/PD-L1抗体
2.抗CTLA-4抗体
2 今後の開発が期待される免疫チェックポイント阻害薬
1.抗LAG3抗体
2.抗NKG2A抗体
5 癌免疫療法の最新動向
1 細胞障害薬と免疫チェックポイント阻害薬
2 分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬
1.モノクローナル抗体
2.血管新生阻害薬
3 異なる免疫チェックポイント阻害薬の組み合わせ
1.抗CTLA-4抗体薬との併用
2.IDO1酵素阻害薬との併用
3.抗ICOS抗体薬との併用
4 放射線治療と免疫チェックポイント阻害薬
5 手術治療と免疫チェックポイント阻害薬
6 まとめ
VI編 再建術と術後機能回復,術後評価
1章 各種再建法
1 総論(去川俊二)
1 口腔再建の目的
2 再建手技
1.術中に用いる人工物
2.遊離組織移植
3.遠隔皮弁
4.脈管吻合
3 口腔再建の流れ
1.術前シミュレーション
2.再建組織の決定・採取
3.再建・移植組織の固定
4.閉創
5.術後管理
2 頬部顔面・口唇・頬粘膜の再建(横尾 聡・牧口貴哉)
1 障害医学と社会的生命の維持
2 Step-Surgery Concept
3 口角,鼻唇溝,オトガイ唇溝の美容的標準形態
1.口角
2.鼻唇溝
3.オトガイ唇溝
4 頬部顔面・口角・口唇・頬部膜再建の実際
1.症例1:口角を含む頬部全層(頬部顔面,口角,口唇・頬粘膜)再建
2.症例2:口角を含む頬部全層(頬部顔面・口角・口唇・頬粘膜)再建
3.症例3:口角を含む頬部全層(下顔面・下唇・口角・頬粘膜)再建
4.症例4:下唇広範欠損の再建
5.症例5:下顎骨 vertical mandibular corticotomyによる下唇を含めた下顔面の形態(mental S)の温存
5 広頸筋皮弁,頸部島状皮弁による頬部顔面・口角・口唇・頬粘膜再建
1.広頸筋皮弁と頸部島状皮弁の概念と挙上
2.症例6:広頸筋皮弁による頬粘膜再建(1)
3.症例7:広頸筋皮弁による頬粘膜再建(2)
4.症例8:頸部島状皮弁・口蓋粘膜骨膜弁・赤唇進展皮弁による頬部顔面・口角・口唇・頬粘膜再建
3 舌,口底の再建(原田浩之)
1 舌,口底再建の目的
2 理想的な舌,口底再建
3 舌癌切除後の再建
1.舌部分切除
2.舌可動部半側切除
3.舌亜全摘,全摘
4 口底癌切除後の再建
1.口底部分切除
2.合併切除
4 下顎再建(桐田忠昭・柳本惣市)
1 下顎骨の解剖と特徴
2 歯の喪失と加齢に伴う下顎骨の変化
3 下顎再建の目標
4 下顎再建法の選択
1.遊離自家骨移植
2.再建用金属プレート,チタンメッシュトレー
3.骨延長法
4.血管柄付き遊離骨皮弁
5 下顎骨欠損の分類
6 下顎再建の実際
1.再建手術までの準備
2.手術の手順と実際
3.Virtual surgical planning(VSP)による下顎再建
7 3Dモデルとサージカルガイド(cutting guide)を用いた術前シミュレーションの評価
8 再建後の顔貌の整容的評価
5 上顎再建(牧野修治郎)
1 はじめに
1.顎義歯と再建外科
2.一次再建と二次再建
2 上顎再建に関わる欠損分類
3 切除部位・Brown欠損分類からみた障害と対策
1.歯槽突起~口蓋・Brown I,II~a,b,c,d
2.眼窩下部~頬部,上唇~鼻翼外側の裏面・Brown II
3.眼窩底・Brown III
4.頬骨隆起・Brown III
5.翼突部・Brown b,d
6.軟口蓋
7.眼窩内容・Brown IV
4 皮弁による再建について
1.皮弁の縫着について
2.血管吻合について
3.再建後の問題
2章 再建術後の咬合咀嚼再建(義歯およびインプラント治療),エピテーゼによる顔面再建
1 インプラントによる咬合咀嚼再建(総論)(山下佳雄)
1 治療計画
1.術前シミュレーション
2.インプラント体
3.上部構造
2 機能回復について
3 インプラント補綴の限界
4 インプラント治療の時期
5 インプラント治療経過および成績(残存率)
6 広範囲顎骨支持型装置・補綴の導入
7 Digital dentistry
8 インプラント治療の注意事項
1.インプラント周囲炎
2.インプラント器具の誤飲,誤嚥
3.放射線治療・化学療法
2 再建顎骨へのインプラント治療の実際(堀田 聡)
1 皮弁減量術
2 インプラント治療の手順
3 咀嚼・構音機能評価および口腔関連QOLの評価
3 口腔癌治療と顎顔面補綴治療(隅田由香)
1 顎顔面欠損患者と顎顔面補綴
2 口腔癌治療の支持医療に携わる顎顔面補綴医
4 術前に行われる顎顔面補綴診査と術前資料採得
5 術前に製作される顎補綴装置
1 術後即時顎補綴装置(ISO)
2 放射線治療補助装置
6 術後に行われる顎顔面補綴診査と術前資料採得
7 術後に製作される顎顔面補綴装置
1 欠損補綴装置
1.顔面補綴装置(顔面エピテーゼ)
2.顎補綴装置
2 補助装置
1.舌接触補助床(PAP)
2.開口訓練装置
8 最後に
3章 口腔癌治療後の摂食嚥下障害の診断と治療(髙橋浩二)
1 口腔癌治療後の摂食嚥下障害の原因
2 口腔癌治療後摂食嚥下障害の原発部位別の特徴
1 口唇癌
2 舌癌と口底癌
3 下顎歯肉癌
4 上顎歯肉癌・口蓋癌
5 中咽頭癌
3 摂食嚥下障害の診断
1 口腔癌治療前における摂食嚥下機能の診断の必要性について
2 スクリーニング検査法
1.医療面接
2.視診・触診
3.氷砕片嚥下検査
4.喉頭挙上テスト
5.反復唾液嚥下テスト(RSST)
6.改訂水飲み検査(MWST)
7.フードテスト
8.質問紙票調査(EAT10,聖隷式嚥下質問紙)
9.摂食嚥下障害の重症度分類
10.The Mann Assessment of Swallowing Ability-Cancer(MASA-C)
11.舌圧検査法
12.口唇圧検査法
13.口腔粘膜湿潤度検査法
14.頸部聴診法
3 精密検査法
1.嚥下造影検査(VF検査)
2.嚥下内視鏡検査(VE検査)
3.体組成計測法
4 口腔癌治療後摂食嚥下障害の治療
1 口腔癌外科的治療に伴い気管切開術を行っている場合
2 機能訓練法
1.排出訓練
2.口唇の閉鎖訓練
3.開口訓練
4.舌の負荷運動訓練
5.嚥下法
6.胃管を利用した嚥下訓練
7.バルーンによる食道入口部拡大訓練
8.頸部伸張訓練
9.頭部挙上訓練
10.表面筋電計を用いた喉頭挙上のバイオフィードバック・トレーニング
11.舌骨上筋への神経筋電気刺激療法(NMES)
12.嚥下反射亢進のための干渉波電気刺激療法(IFC)
3 代償的方法
1.姿勢調節法
2.食塊の量と運ぶペースを調整する方法
3.食べ物の粘性を調整する方法
4.摂食補助装置
4 入院下の短期集中嚥下リハビリテーション
4章 口腔癌治療後の言語障害の診断と治療(髙橋浩二)
1 はじめに
2 言語障害の診断法
1 構音器官の評価法
1.ビデオを用いた観察
2.構音器官の運動能と構音時の動態の評価
2 共鳴の異常の評価法
3 構音障害の評価法:発話明瞭度検査
1.音節明瞭度検査
2.会話明瞭度(了解度)検査
3 原発部位別の言語障害の特徴と治療法
1 口唇癌治療後
2 舌癌および口底癌治療後
3 下顎歯肉癌治療後
4 上顎歯肉癌および口蓋癌治療後
5 中咽頭癌治療後
5章 術後評価(機能,整容)
1 機能,整容の評価(山城正司)
1 形態・整容の評価
1.欠損の分類
2.整容的評価
2 運動機能の評価
1.舌運動機能の評価
2.舌圧の評価
3.副神経障害の評価
3 構音機能の評価
1.客観的評価
2.主観的評価
4 咀嚼機能の評価
1.客観的評価
2.主観的評価
5 その他の機能評価
1.感覚の評価
2.味覚の評価
3.口腔乾燥,唾液量の評価
2 QOL(青木隆幸)
1 口腔がん臨床・研究におけるQuality of Life:QOL
2 QOL評価の目的
1.臨床研究
2.日常臨床における患者立脚型アウトカム(PRO)
3.HTA(含:費用対効果)
3 QOL評価法
1.包括的尺度
2.疾患(がん)特異的尺度
3.インデックス型尺度
4 QOL尺度の選択
5 口腔がん患者のQOL
6 QOL評価の活用法
VII編 高齢者の口腔癌治療
1章 高齢者の口腔癌(上田倫弘)
1 はじめに
2 高齢者の身体構造の変化
3 高齢者の心理,精神状態
4 高齢者の臨床検査
1 加齢による検査値の変化
1.タンパク
2.脂質
3.血糖
4.含窒素成分
5.ホルモン
6.電解質,金属,ビタミン
7.血液検査
8.免疫学的検査
9.生理検査
2 加齢による神経の変化
1.自律神経系
2.末梢神経
3.中枢神経
5 高齢者の栄養管理(輸液管理を含む)
1 加齢に伴う代謝の変化
6 高齢者の薬物療法
7 高齢者の癌
8 高齢口腔癌の特徴
9 高齢口腔癌の治療選択とアセスメント
10 高齢口腔癌の治療
1 外科療法
2 放射線治療
3 化学療法
11 高齢者癌治療と医療経済
VIII編 周術期口腔機能管理,放射線骨壊死とその治療
1章 周術期口腔機能管理および粘膜炎,栄養管理,胃瘻(栗田 浩)
1 周術期口腔機能管理
1 周術期口腔機能管理とは
2 周術期口腔機能管理の内容
1.包括的口腔ケア
2.歯性感染巣のコントロール
3.口腔機能の維持,向上
4.歯科金属による有害事象対策
5.晩期有害事象の予防
6.歯の保護
7.粘膜炎/口内炎対策
3 周術期口腔機能管理の効果
1.肺炎予防効果
2.術後創治癒における口腔ケアの介入効果
3.口腔粘膜炎における口腔ケアの介入効果
2 栄養管理
1 癌と栄養
2 栄養と栄養素
1.糖質
2.タンパク質・アミノ酸
3.脂質
4.ビタミン
5.微量元素
3 栄養状態の評価
1.栄養評価指標
2.栄養スクリーニング・アセスメントツール
3.予後推定指標,栄養リスク指標
4 栄養療法
1.栄養法の選択
5 各種栄養法
1.経腸栄養法
2.静脈栄養法
6 口腔癌治療における栄養療法の実際
1.栄養投与量の決定
2.術前の栄養管理
3.外科手術周術期の栄養管理
4.放射線治療,薬物療法時
2章 放射線性骨壊死とその治療(山川延宏)
1 成因・頻度
2 ORNのリスク因子
3 症状・診断
4 発症の予防
5 治療法
1 保存療法
1.抗菌薬化学療法
2.高気圧酸素療法(HBOT)
3.その他の保存療法
2 外科療法
1.腐骨除去術
2.顎骨切除・顎骨再建
索引
口腔癌
-
著者
桐田 忠昭
原田 浩之 -
出版社
医歯薬出版株式会社
-
ページ
724ページ
-
サイズ
A4判
-
ISBN
978-4263423158
-
価格
66,000円(税込)