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病因論と時間軸で語る Biology-Oriented Dentistry

病因論と時間軸で語る Biology-Oriented Dentistryの画像です
本アーカイブスは歯科疾患の多様な実像を浮き彫りにし、その本質に迫る臨床の提言のために編纂された。歯科疾患の病因論をふまえ、予防とメンテナンスを担保にMIの概念に基づく処置、適切な技術を適切な時期に必要とされる部位に行う臨床、それが本書の表題「Biology-Oriented Dentistry」である。知識、技術、エビデンス、経験が全投入されるその総合臨床は、閉塞感ただよう歯科界に医療としての明確なビジョンと、新たな挑戦課題を与えてくれる。
Prologue
私たちは歯科疾患の本質を本当に理解して治療・予防を行ってきたか?

第1章 Biology-Oriented Dentistry の基本コンセプト―病因論と時間軸の活用―

1. 病因論に立ち返る疾患のコントロールと時間軸の必要性を理解するために
1-1. う蝕と歯周病は多様な要因が関わる疾患である
1-2. う蝕、歯周病臨床の今日的課題と時間軸
2. エンドポイントから考える
2-1. 代用エンドポイントと真のエンドポイントは同一ではない
3. 時間軸を導入した適切なクリニカルジャッジメントを行うための重要事項
3-1. 適切なクリニカルジャッジメントにおける知識の意義
3-2. 臨床で行っておきたい定型的な資料収集
3-3. 診療室で構築しておきたいインフラ環境
3-4. エビデンスと経験のバランス
3-5. 時間軸の活用
3-6. 患者に対する歯科医療のゴールの捉え方と治療とケアの位置づけ
3-7. 生活習慣病の治療と予防における時間軸をふまえたクリニカルジャッジメントを
3-8. MI(ミニマル・インターベンション)の捉えかた

第2章 1,000年のメンテナンス治療で語るBiology-Oriented Dentistry
―81症例における歯科疾患のコントロールの実際―

1. 時間軸を導入した適切なクリニカルジャッジメントのために―長期例から学ぶ意義―
1-1. 知識と現実の違いを学び蓄積していくために
1-2. 失われた歯は本当に補綴すべきなのか?―介入の是非を判断するために
1-3. 口腔の健康を長期的な視点でとらえ、適切な介入をしていくために
2. 「健康」と「病気」の捉え方
2-1. 健康と病気は連続的なものである

症例アーカイブス

カリエスフリー症例 Case 1 ~ Case 7
Case1 プラークコントロールは悪いが、自我の成長、家庭環境も考慮したメンテナンスでカバー
Case2 親の意識が高い子供のカリエスフリー達成だが、今後もメンテナンスは重要
Case3 ホームケアとプロフェッショナルケアの大切さが兄弟4人に理解されている
Case4 親子代々メンテナンス、親の意識が確実に子供に受け継がれた
Case5 家族全員がメンテナンスに来院、家庭環境という強力な要素
Case6 学校の歯科検診という障害
Case7 学校検診の問題と口唇癖に要注意

カリエスフリーと構音指導 Case8 & Case9
Case8 構音障害に対する小帯切除と構音指導
Case9 構音障害と飲み込みの問題への対応

カリエスフリーと悪習癖 Case10 ~ Case16
Case10 指しゃぶりによる乳歯列の開咬
Case11 舌突出癖による開咬にMFT で対応
Case12 爪噛みという小さな悪習癖
Case13 適切な時期に適切な矯正治療を
Case14 カリエスフリーで、矯正治療の希望がなくても態癖を軽視してはならない
Case15 過蓋咬合と態癖による舌側傾斜
Case16 思春期というリスク、態癖というリスク

カリエスフリー失敗例 Case17 ~ Case21
Case17 メンテナンスには来ず、急患で主訴のみ治療を求めてくる患者
Case18 不安定なホームケア、食生活というリスク・Case17の次男
Case19 メンテナンスの途切れがまねいた損失・Case17の長男
Case20 家庭環境というリスク・カリエスができ続ける
Case21 隣接面カリエスの発症

こんなカリエスフリー Case22 & Case23
Case22 舌癖、開咬という悪条件を乗り越えて・Case23の姉
Case23 高度難聴という障害とともに・Case22の弟

咬合育成 Case24~28
Case24 早期に叢生傾向
Case25 正中離開のための矯正治療・Case56の次女
Case26 12歳から上顎前突・下顎前歯叢生で矯正治療開始
Case27 1歳で初診、カリエスフリー、8~9歳で叢生
Case28 親から受け継いだ受け口傾向

咬合育成と後戻り Case29 & Case30
Case29 頬杖、右向き寝、うつぶせ寝という態癖の影響
Case30 態癖のコントロールがメンテナンスの重要課題

防ぎきれないう蝕 Case31 ~ Case33
Case31 毎回、新たなう蝕が発生してう蝕による崩壊が止まらない
Case32 健康だった口腔内がシェーグレン症候群によりたくさんの問題を抱え始める
Case33 現在、84歳。現在の課題は急激な根面二次カリエス

自家歯牙移植 Case34
Case34 主訴の矯正治療から始まるへのレジン充填と自家歯牙移植による対応

カリエスフリーと外傷 Case35 ~ Case38
Case35 カリエスフリー・メンテナンス12年目で、運動中にを外傷脱落により再植
Case36 カリエスフリー・初診から9年後にを外傷により水平破折
Case37 高2でを強打、20歳時に異変あり
Case38 外傷歯である前歯へのアペキシフィケーション

歯内療法 Case39 & Case40
Case39 27年前、の根管治療を行った患者のその後
Case40 不定愁訴による来院から6年、への根管治療

顎関節症と咬合と不定愁訴 Case41 ~ Case44
Case41 他医院のリカバリー
Case42 パニック障害(背景に詐病が疑われる)
Case43 鎮痛剤乱用による疼痛
Case44 妄想 統合失調症

一般的な歯周治療症例 Case45 & Case46
Case45 歯周炎~初期歯周炎 リスク低
Case46 初期ないし中程度歯周炎 メンテナンスにより再発なし

中程度から重度歯周炎症例 Case47 ~ Case51
Case47 中程度~重度歯周炎 前医でのメンテナンスのはてに
Case48 限局性侵襲性歯周炎 MTM 微妙な歯周ポケットの変化に要注意
Case49 広汎性侵襲性歯周炎 早期に適切な歯科医療が行われていれば・・・
Case50 広汎性侵襲性歯周炎 安定しているが、咬合力に注意
Case51 初診より28年経過 現在はメンテナンスに来院していない若年に発症した限局性侵襲性歯周炎

治療技術の大切さを示す症例 Case52 & Case53
Case52 SRP の技術力が支えた中程度 ~ 一部重度歯周炎
Case53 SRP の技術力に注目 広汎性侵襲性歯周炎

メンテナンスに来ない症例 Case54~Case57
Case54 メンテナンスに来ず歯周炎が再発 重度歯周炎 更年期による体調不良・介護の過労
Case55 初診より24年、メンテナンスに来ず歯周炎の再発・現在3年メンテナンス メンテナンス不在が招いた惨憺たる状態
Case56 超多忙で定期的なメンテナンスに来られない中程度歯周炎 歯周炎の再発のたびにつらいSRP の繰り返しが・Case25,57の父
Case57 息子をみてみよう・Case56の長男

壊れ続ける症例 Case58~Case64
Case58 重度歯周炎 喫煙をやめられず崩壊が加速、extremely downhill のケース
Case59~62 Case58の4人の子供たち 父親の治療の合間に家族にも予防・メンテナンスを
Case63 喫煙、飲酒、高血圧、歯ぎしり、糖尿病、アブセスの多発・歯の喪失が止まらない extremely downhill のケース
Case64  中程度歯周炎Case63の妻に思う夫婦のもつリスクの差

手遅れ症例 Case65~Case69
Case65 ランパントカリエスでほぼ手遅れ症例
Case66 重度歯周炎の手遅れ症例 歯科恐怖症
Case67 手遅れ症例(Case66)の娘で早期発見型歯周炎が発症しつつある症例
Case68 手遅れ症例 ランパントカリエス
Case69 手遅れ症例 末期歯周病、心疾患、糖尿病

歯周炎のリスクを考える症例 Case70~Case73
Case70 重度喫煙をすぐに禁煙、重度歯周炎だが歯の喪失なし
Case71 重度~末期の歯周炎 喫煙をやめられず崩壊し続ける口腔内
Case72 双子の妹 ノンスモーカー
Case73 喫煙による重度歯周炎 双子の姉

家族単位の歯周治療症例 Case74~Case81
Case74 中程度~重度歯周炎 補綴が少なかったことのメンテナンスの利点
Case75 初期歯周炎 歯周治療後 う蝕も、歯周炎も再発なし・Case74の長女
Case76 限局性侵襲性歯周炎 20代前半から苦労した後に来院、再発なし
Case77 歯周炎を発症させないこと 矯正あり・Case76の長女
Case78 歯周炎を発症させないこと カリエスフリー・Case76の長男
Case79 広汎性侵襲性歯周炎 不適切な治療の後に
Case80 反抗期による中断・喫煙開始というリスク・Case79の長男
Case81 歯周炎で苦しんだ母親は、子供のカリエスフリー、歯周病フリーを強く希望・ Case79の次女

第3章 質の高いメンテナンス治療が基礎となるBiology-Oriented Dentistry

1. 予防とメンテナンス治療の根拠としての歯科医療の特殊性
2. 子供のメンテナンス治療の実際
3. 大人のメンテナンス治療の実際
4. メンテナンス治療にはSRP の質が欠かせない

おわりに
謝辞
参考文献

病因論と時間軸で語る Biology-Oriented Dentistry

メンテナンス治療累計1,000年の症例アーカイブス
  • 著者

    岡 賢二

  • 出版社

    クインテッセンス出版

  • ページ

    406ページ

  • サイズ

    A4判変型

  • ISBN

    978-4781202228

  • 価格

    17,600円(税込)

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