歯科補綴学の研究者として世界的な名声を得ている著者の“高齢者補綴”の考え方と実践の指南書。先進国の高齢者治療学のテキストとして、また高齢者の経済性や社会性を配慮した臨床家向け指南書として同書は国際的にも高い評価を受けている。21世紀の日本の高齢者治療を行ううえで、必読の書となるはずである。豊富なカラー写真と丁寧な翻訳による待望の日本語版。
日本語版刊行によせて
前書き
緒言
訳者序


1.疫学:高齢者の歯科敵・補綴的状況
　機能的に自立した高齢者
　虚弱・機能的要介護高齢者
　結論


2.咀嚼器官の加齢変化
　歯の組織
　歯周組織
　口腔粘膜
　唾液
　神経筋機構
　顎機能異常症
　欠損部顎堤の吸収
　結論


3.咀嚼機能と栄養
　咀嚼機能
　高齢者の栄養と食習慣
　栄養状態と咀嚼機能・欠損補綴処置の必要性
　補綴処置、予防的口腔衛生処置
　結論


4.高齢患者の補綴治療計画
　処置の第1目標
　治療の必要性と要求の同一化
　危険因子の確認
　補綴処置法の選択
　治療計画における方針の決定
　包括的な口腔診査および治療計画の立案
　結論


5.虚弱・要介護高齢者に対する補綴的治療計画
　治療計画における初期目標
　治療の必要性と要求の同一化
　口腔治療計画
　口腔健康ケアの実態評価
　法律的・倫理的配慮
　治療計画、口腔健康ケアの実施
　結論


6.固定性補綴装置による治療
　一般的な治療の配慮
　歯周疾患の配慮およびアタッチメント・ロス
　根管処置歯の支台築造
　修復物と残存歯質の保全
　咬耗がある患者の治療
　硬毛した歯面の修復
　固定性ブリッジによる臼歯欠損の修復
　インプラント支持の固定性ブリッジ
　前歯部の修復
　結論


7.可撤性パーシャルデンチャーによる治療
　可撤性パーシャルデンチャーの分類
　生体力学的な設計の原則
　生物学的設計の原則
　可撤性パーシャルデンチャーに対する設計の原則
　咬合面アンレー・レストを備えた可撤性パーシャルデンチャーの機能的問題と治療
　インプラントを支台装置とする可撤性パーシャルデンチャーによる治療
　虚弱/要介護患者における可撤性パーシャルデンチャーの治療
　結論


8.歯根支持型のオーバーデンチャー
　適応症
　歯根を保存する利点
　オーバーデンチャーの欠点
　高齢患者における適応症
　治療計画
　オーバーデンチャーによる治療
　オーバーデンチャーの予後
　結論


9.無歯顎患者の治療
　使用中の義歯の診査
　専門医への対診
　即時コンプリートデンチャー
　使用中の義歯の修正
　使用中の義歯の複製による新義歯製作
　新義歯(新規コンプリートデンチャー)
　インプラント支持のコンプリートデンチャー
　結論


10.予防法と治療後のメインテナンス・ケア
　齲蝕予防法
　歯周疾患の予防法
　口腔粘膜炎の治療
　Candida　起因性義歯性口内炎の処置
　口腔清掃とメインテナンス・ケア
　口腔清掃を行う介護者
　結論