マイクロスコープを診断・治療に用いたMI時代の歯内療法。複雑な根管を目視で行う根管治療は、根管の見落としもなく、根管内の無菌化も確実に行え予知性の高い治療法となっている。また防湿による根管内への細菌感染予防を行い、再感染させない無菌治療が大切。マイクロスコープの導入を考えておられる先生方の治療指針として、また導入しておられる先生方には治療のステップアップに繋がる使い方を症例をとおして解説している。
1 マイクロスコープと根管解剖
1-1 歴史 (中川寛一)
マイクロスコープ(顕微鏡)の発明
顕微鏡とその応用
テレスコープシステムとマイクロスコープ
1-2 マイクロスコープの種類と特徴 澤田則宏
マイクロスコープの選び方
マイクロスコープの特徴
・対物レンズ
・レンズの種類
・鏡筒
・接眼レンズ
・変倍機構
・照明装置
・懸架装置
・助手用観察装置
・CCDビデオカメラ、デジタルカメラ
・フットコントローラー
・国内で手に入るマイクロスコープ
1-3 マイクロスコープ下で使用する器具 (澤田則宏)
有用な器具
歯科用ミラー
超音波チップ
マイクロデブライダー
1-4 マイクロスコープ下の根管解剖 (中川寛一)
顕微鏡の視野
何が見えるか
・髄室形態
・髄床底の構造(related groove)
・髄室内・根管内の石灰化物
・根管口
・根管形態
・根管壁の汚染・清掃状態
・根尖孔と大きさ
・髄床底・根管壁の穿孔
・根管内破折機器
・髄室・根管内の亀裂
2 う蝕へのアプローチ
2-1 診断におけるマイクロスコープの利用 (宮下裕志)
マイクロスコープの効果的利用法
診査におけるマイクロスコープの有用性
ポストごと補綴物が脱離して来院された症例での対応
冷水痛を主訴とする患者さんへの臨床応用例
冷水痛に対するマイクロスコープの利用
・冷水反応の鑑別診断
2-2 MI時代の臨床判断 (宮下裕志)
う蝕と最小侵襲治療(MI:minimal intervention)
歯髄保存と最小侵襲治療(MI:minimal intervention)
誤って抜髄を行う理由
・疼痛の鑑別診断と歯髄の保存
・問診の重要性
2-3 マイクロスコープによるう蝕の診断 (飯島国好)
マイクロスコープの利用の仕方
初期う蝕の診断
二次う蝕の診断
2-4 処置の記録と画像処理(Microscopic Documentation) (中川寛一)
マイクロスコープによる処置の記録
静止画の記録
動画の記録
動画からの静止画記録と画像処理
2-5 感染歯質の診断と除去 (飯島国好)
マイクロスコープによる感染象牙質の除去
窩底象牙質の厚さの診断法
切削法
修復法
2-6 直接歯髄覆罩 (宮下裕志)
直接歯髄覆罩の予知性
・直接歯髄覆罩後の歯髄生存率
直接歯髄覆罩の失敗の原因
・疼痛の鑑別診断と歯髄の保存
・術中の感染除去
・術後の細菌感染
直接歯髄覆罩の適応性
3 歯内療法へのアプローチ
3-1 アクセスキャビティプレパレーション (飯島国好)
アクセスキャビティプレパレーションの重要性
アクセスキャビティプレパレーションの目的
アクセスキャビティプレパレーションのステップ
・ガイドホールの形成
・貫通
・天蓋の除去
・髄床底の郭清
・根管口の探索
・根管口の拡大
・直接的形成
その他
・補綴物の除去
・テンプラリークラウンの装着
・縁上歯質の確保
3-2 感染の除去 (宮下裕志)
感染の除去のファーストステップ 感染予防
・無菌治療
・MI時代の根管治療
感染の除去へのセカンドステップ 術野の滅菌
感染除去(根管内へのアプローチ)
・根管口の明示
・見逃し根管の探索
ラバーダムを含めた包括的な無菌治療の勧め
3-3 感染の除去(清掃) (澤田則宏)
根管治療の3つのステップ
Step1.髄腔開拡(Access Cavity Preparation)
・根管口の探索
Step2.根管上部の形成(Coronal flare)
Step3.根尖部の根管形成(Apical Preparation)
4 難症例へのアプローチ
4-1 根管内異物の除去 (宮下裕志)
治療用器具の破折
・根管内異物の除去器具と偶発症
器具の破折対策
・治療前に考えること
・器具を回転する前に考えること
・破折してしまった場合に考えること
破折器具の除去
4-2 あかない根管 (飯島国好)
あく根管とあかない根管の診断
石灰化した根管
逸脱した根管
人為的に閉鎖された根管
あきにくい根管
病変のあるかない根管
4-3 穿孔 (澤田則宏)
予知性の高い穿孔部封鎖法
穿孔部封鎖の原則
Internal Matrix Technique
・Internal Matrix Techniqueの術式
穿孔の位置
症例供覧
まとめ
4-4 歯根破折 (宮下裕志)
歯根破折とマイクロスコープ
生活歯の場合
失活歯の場合
4-5 歯根破折の診断 (飯島国好)
診断とは何か?
歯根破折の診断
マイクロスコープによる歯根破折の診断
・根管内からのマイクロスコープ診断
・根管外からのマイクロスコープ診断
破折確率
・これまでの歯根破折の診断
・破折確率
5 ケースプレゼンテーション
5-1 フルアーチブリッジ支台歯の感染根管治療に頬側根面からアプローチ (宮下裕志)
症例5-1
5-2 未処理根管の探索と根管治療 (中川寛一)
再根管治療
症例5-2
5-3 ラバーダムを装着するため、クラウンレングスニングを行った症例 (澤田則宏)
症例5-3
まとめ
5-4 第三の眼としてのマイクロスコープ 飯島国好
症例5-4
コラム
・ブロック使用による苦痛軽減:飯島国好
・付属の光ファイバーとランプの寿命:宮下裕志
・顕微鏡酔い:中川寛一
・ポジショニング:澤田則宏
・ピラミッドの入口:飯島国好
・ミラーの選択:飯島国好
・マイクロスコープの写真撮影:飯島国好
索引
1 マイクロスコープと根管解剖
1-1 歴史 (中川寛一)
マイクロスコープ(顕微鏡)の発明
顕微鏡とその応用
テレスコープシステムとマイクロスコープ
1-2 マイクロスコープの種類と特徴 澤田則宏
マイクロスコープの選び方
マイクロスコープの特徴
・対物レンズ
・レンズの種類
・鏡筒
・接眼レンズ
・変倍機構
・照明装置
・懸架装置
・助手用観察装置
・CCDビデオカメラ、デジタルカメラ
・フットコントローラー
・国内で手に入るマイクロスコープ
1-3 マイクロスコープ下で使用する器具 (澤田則宏)
有用な器具
歯科用ミラー
超音波チップ
マイクロデブライダー
1-4 マイクロスコープ下の根管解剖 (中川寛一)
顕微鏡の視野
何が見えるか
・髄室形態
・髄床底の構造(related groove)
・髄室内・根管内の石灰化物
・根管口
・根管形態
・根管壁の汚染・清掃状態
・根尖孔と大きさ
・髄床底・根管壁の穿孔
・根管内破折機器
・髄室・根管内の亀裂
2 う蝕へのアプローチ
2-1 診断におけるマイクロスコープの利用 (宮下裕志)
マイクロスコープの効果的利用法
診査におけるマイクロスコープの有用性
ポストごと補綴物が脱離して来院された症例での対応
冷水痛を主訴とする患者さんへの臨床応用例
冷水痛に対するマイクロスコープの利用
・冷水反応の鑑別診断
2-2 MI時代の臨床判断 (宮下裕志)
う蝕と最小侵襲治療(MI:minimal intervention)
歯髄保存と最小侵襲治療(MI:minimal intervention)
誤って抜髄を行う理由
・疼痛の鑑別診断と歯髄の保存
・問診の重要性
2-3 マイクロスコープによるう蝕の診断 (飯島国好)
マイクロスコープの利用の仕方
初期う蝕の診断
二次う蝕の診断
2-4 処置の記録と画像処理(Microscopic Documentation) (中川寛一)
マイクロスコープによる処置の記録
静止画の記録
動画の記録
動画からの静止画記録と画像処理
2-5 感染歯質の診断と除去 (飯島国好)
マイクロスコープによる感染象牙質の除去
窩底象牙質の厚さの診断法
切削法
修復法
2-6 直接歯髄覆罩 (宮下裕志)
直接歯髄覆罩の予知性
・直接歯髄覆罩後の歯髄生存率
直接歯髄覆罩の失敗の原因
・疼痛の鑑別診断と歯髄の保存
・術中の感染除去
・術後の細菌感染
直接歯髄覆罩の適応性
3 歯内療法へのアプローチ
3-1 アクセスキャビティプレパレーション (飯島国好)
アクセスキャビティプレパレーションの重要性
アクセスキャビティプレパレーションの目的
アクセスキャビティプレパレーションのステップ
・ガイドホールの形成
・貫通
・天蓋の除去
・髄床底の郭清
・根管口の探索
・根管口の拡大
・直接的形成
その他
・補綴物の除去
・テンプラリークラウンの装着
・縁上歯質の確保
3-2 感染の除去 (宮下裕志)
感染の除去のファーストステップ 感染予防
・無菌治療
・MI時代の根管治療
感染の除去へのセカンドステップ 術野の滅菌
感染除去(根管内へのアプローチ)
・根管口の明示
・見逃し根管の探索
ラバーダムを含めた包括的な無菌治療の勧め
3-3 感染の除去(清掃) (澤田則宏)
根管治療の3つのステップ
Step1.髄腔開拡(Access Cavity Preparation)
・根管口の探索
Step2.根管上部の形成(Coronal flare)
Step3.根尖部の根管形成(Apical Preparation)
4 難症例へのアプローチ
4-1 根管内異物の除去 (宮下裕志)
治療用器具の破折
・根管内異物の除去器具と偶発症
器具の破折対策
・治療前に考えること
・器具を回転する前に考えること
・破折してしまった場合に考えること
破折器具の除去
4-2 あかない根管 (飯島国好)
あく根管とあかない根管の診断
石灰化した根管
逸脱した根管
人為的に閉鎖された根管
あきにくい根管
病変のあるかない根管
4-3 穿孔 (澤田則宏)
予知性の高い穿孔部封鎖法
穿孔部封鎖の原則
Internal Matrix Technique
・Internal Matrix Techniqueの術式
穿孔の位置
症例供覧
まとめ
4-4 歯根破折 (宮下裕志)
歯根破折とマイクロスコープ
生活歯の場合
失活歯の場合
4-5 歯根破折の診断 (飯島国好)
診断とは何か?
歯根破折の診断
マイクロスコープによる歯根破折の診断
・根管内からのマイクロスコープ診断
・根管外からのマイクロスコープ診断
破折確率
・これまでの歯根破折の診断
・破折確率
5 ケースプレゼンテーション
5-1 フルアーチブリッジ支台歯の感染根管治療に頬側根面からアプローチ (宮下裕志)
症例5-1
5-2 未処理根管の探索と根管治療 (中川寛一)
再根管治療
症例5-2
5-3 ラバーダムを装着するため、クラウンレングスニングを行った症例 (澤田則宏)
症例5-3
まとめ
5-4 第三の眼としてのマイクロスコープ 飯島国好
症例5-4
コラム
・ブロック使用による苦痛軽減:飯島国好
・付属の光ファイバーとランプの寿命:宮下裕志
・顕微鏡酔い:中川寛一
・ポジショニング:澤田則宏
・ピラミッドの入口:飯島国好
・ミラーの選択:飯島国好
・マイクロスコープの写真撮影:飯島国好
索引
マイクロスコープによる歯内療法
MI時代の歯内療法
-
著者
中川 寛一
宮下 裕志
澤田 則宏
飯島 国好 -
出版社
クインテッセンス出版
-
ページ
144ページ
-
サイズ
A4判
-
ISBN
978-4874178652
-
価格
9,350円(税込)