* この記事は、2024年9月13日に更新しました
・私たちが必死にアピールしなくても、むしろ何もいわなくても、患者さんが定期的に通ってくれるようになる秘訣とは? ・患者さんに指摘をしなくてはいけない場合はどうする? 実践的なコミュニケーション術を徹底解説! |
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はじめに
私がデンタルフィットネスのコンサルでご支援をさせていただくクリニックにお伝えしている「こうすれば歯科医院経営は成功する!」という秘訣の一つが『患者さんが “勝手に” 来院する仕組みを作る』です。
この「勝手に来る」とは、私たちが必死にアピールしなくても、むしろ何もいわなくても、患者さんが定期的に通ってくれる状態です。
皆さんは、患者さんに来院してもらうために、必死にリコールの電話をしてみたり、キャンセル率の高い患者さんを断ってみたり、他にも色々工夫はしていても「勝手に来院される」状態にはまだなっていないのではないでしょうか?
今回はその解決策を、それももっとも簡単な方法をお伝えしますね!
その秘訣は・・・「褒める」。
これだけです。
え、それだけ?と思われた方いらっしゃると思いますが、どうぞ最後までお読み下さい(笑)。
そもそもどうやって褒めれば良いのか?
「褒めてください」というと、コンサル先の現場からは「いつどうやって何に対して褒めれば良いのかわかりません」と返ってきます。
治療をメインとする歯科医院では、患者さんはお口の中が良くない状態。むし歯だらけの様子を見て「素晴らしいですね!」なんていってしまうと、馬鹿にしているのかと怒られてしまうでしょう。
一方、予防で来られた患者さんの場合はどうでしょうか?お口の中を見て、褒めるところはまったく無いのでしょうか?
完璧ではないにせよ前回よりも少し歯磨きが上手になっている、今まで磨けていなかった奥歯がきれいになっている、歯肉の状態が良くなっている、そもそも定期的にずっと通ってくれている・・・、このように考えると褒めるところはたくさんあります。
褒められると嬉しいし、前向きになる!
実はデンタルフィットネスのゴール設定にしている「セルフケアの習慣化」を達成させるためにもっとも効果的なのが、この「褒める」ことです。
人は褒められると、認められたと思い、その気になります。
常にその人がセルフケアに対するモチベーションを高められるように、ポジティブな言葉を選ぶのが、とても大事なポイントとなります。
最近は、どの歯科医院でも患者さんを褒めることを心がけていることでしょうが、ここでクイズです。
Q. 定期健診で染め出しをして、プラークコントロールの数値が前回よりも今回のほうが悪かった場合、どうやって褒めますか?
歯科医師としてウソをつくわけにはいきませんから、本当は悪い状態なのに「今回も良い状態ですね」とはいえませんよね。
一方で、適切に歯磨きができていないからといって、「今回は良くないですね。歯磨きがちゃんとできていません」「あなたの歯磨き方法は間違っているので正しい方法を教えます」というと、ほぼ100%患者さんのモチベーションは下がります。
それでも患者さんを褒めるには、具体的にはどのような言葉をかければいいのでしょうか?
答えは、「過去を褒める」のです!!
「前回はすごく良かったですよね。今回は何かありましたか?」
「いつもは良くできていたから、今日はたまたま良くなかったですよね。次また期待していますね!」
と褒めてみましょう。
患者さんは、
「そうか、確かに前回はちゃんとできていたよな・・・!自分はやればできるんだ!」
とモチベーションが上がります。
指摘をしなくてはいけない場合はどうする?
もちろん、褒めるだけでは会話や指導は成り立ちません。指摘をする場面も多くあるでしょう。そのときは、同じことを伝えるにしても、少し工夫するだけで単なる「指摘」に終わらせないことが重要です。
ここでも、基本は「褒める」。どうしても「指摘」をしないといけない場合は「褒めてから指摘」を心がけましょう。
褒められて自信をもった患者さんはセルフケアが継続され、歯科医院に定期健診で通う度に褒められてモチベーションがひたすら上がり続けます。気付けば歯科医院に通うのは当たり前となり、セルフケアの習慣化が完成している状態です。
そもそも、なぜ褒めるのか?
ここまで読んで、「そういえば褒めてなかったな・・・」「褒めるのは苦手」「むしろ褒める必要はあるのか?」と思った方もいるのではないでしょうか?
ここで重要なのは、「治療」と「予防」とでは、提供しているサービスがまったく違うということです。治療においては、患者さんの耳に痛いことでも、ちゃんと指摘して指導しなければなりません。
しかし、予防は違うのです。すなわち、「治療の常識」と「予防の常識」が根本的に違うことをしっかり認識する必要があります。
治療の際にむし歯があれば、歯科医師は指摘しなければいけません。むし歯は、歯科医師が治療しない限り治らないからです。「髙橋さん、ここむし歯ですよ。治していいですか?」と指摘して、治療の同意を得なければなりません。
あるいは、もし患者さんから「なんでここにむし歯ができるんですか?」と質問されたら、「もしかしたら、甘いものを食べすぎているのかもしれませんね」「歯磨きの仕方がよくないかもしれませんね」と、患者さんにとって耳の痛いことをいわないといけません。
これらは歯科医師の使命ともいえるでしょう。
ところが、予防歯科で歯科医師や歯科衛生士がかけるべき言葉は、そうした言葉とは異なります。セルフケアを習慣化させるためには、患者さんにやる気になってもらわないといけません。耳の痛いことを指摘されてやる気が出る人はあまりいないでしょう。
デンタルフィットネスでは「治療と予防の境目」を強く意識します。今回の「褒める」という手法も「予防の世界」でのみ機能する方法論です。
そして、貴院を予防型の歯科医院経営に切り替えていくには、いかに顧客目線(患者目線)が大事か、ということが、今回の「褒める」意味をご理解頂ければ想像できるでしょう。
他にも「リコールの電話はやめる」「次回の予約はチェアサイドでDHが取る」「ノンバーバルコミュニケーションを意識した60分の定期健診メニュー」「予約表は左から予防枠で埋めていく」・・・・など、さまざまなノウハウがあります。
私が年に数回、コンサルをお受けしている「デンタルフィットネス導入コンサルティング」では、このノウハウを余すことなくお伝えするセミナーやマニュアルの御提供だけでなく、実際にやりながら経過観察をさせていただくOJT型のコンサルティングもセットになっている1年間の実践型経営塾とも言えます。そして、2022年9月現在、約70医院が同時にこのコンサルを受けていただいております。
ご興味があればぜひお問い合わせください!
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