厚生労働省は5月31日、経口抗菌薬の在庫逼迫に伴う協力依頼を発出した。
これは、長生堂製薬川内工場における不適切製造により、同社品や同社に製造委託する経口セフェム系抗菌薬の一部品目で供給が停止し、供給不安報告や供給状況報告が相次いでいることを受け、医療機関や薬局に対して経口抗菌薬について過剰な発注を控え、当面の必要量に見合う量のみを購入するよう求める事務連絡である。
不適切製造を行ったとされる長生堂製薬株式会社(販売元:日本ジェネリック株式会社)は、在庫消尽をもって供給を一時停止することを発表している1)。
なお、今回の不適切製造については、川内工場に限定した問題であるとしており、現時点で健康被害が生じるリスクは極めて低いとのこと。
供給を一時停止する対象製品には、セファクロルカプセル(ケフラール)やセフカペンピボキシル塩酸塩錠物(フロモックス)、セフジニルカプセル(セフゾン)など、歯科において処方されることが多いとされる抗菌薬が含まれる。
厚生労働省は、経口セフェム系抗菌薬の製造販売業者に対しては増産の対応を依頼しているとのことであるが、安定的に供給されるには一定の期間を要するとの見解を示した。
1)製品供給に関するお詫び(製造販売元:長生堂製薬株式会社、販売元:日本ジェネリック株式会社)