う蝕の初期は可逆性の病気であり,脱灰の抑制と再石灰化の促進によってう蝕の進行を抑制・停止すれば歯を切削しなくてもすみます。そこでう蝕の診断、メインテナンス、治療、予防計画を立案し「繰り返し治療」を遅らせることが大変大切になってきます。初期う蝕をミニマルイインターベンションのコンセプトから「初期う蝕の進行と治癒」「初期う蝕の診断と治療方針」「う蝕の予防と管理」の3章に分けて解説している。
[1]初期う蝕の進行と治癒
1-1.初期う蝕の進行と治癒稲葉大輔
・臨床の最優先課題
・脱灰・再石灰化のメカニズム
・唾液環境の評価と最適化
唾液の質
フッ化物配合歯磨剤と洗口
・セルフケアによる再石灰化の促進
脱灰抑制
唾液分泌の維持・増進
フッ化物の自己応用
う蝕予防に効果のある食品の利用
・プロフェッショナルケア
・個人を対象としたう蝕予防管理
・関連トピックス
ステップワイズ・エキスカベーション
歯髄腔内液による脱灰抑制および再石灰化
フッ化物徐放性材料による二次う蝕の予防効果
う窩の検出手段
・今後の課題 リスクと初期兆候の見逃しへの対応
[2]初期う蝕の診断と治療方針
2-1.初期う蝕の診断と治療 咬合面を中心に(柘植紳平)
・初期う蝕をを診断してみよう
・COとは
プラークの付着や白濁・着色の変化とう蝕の進行
・う蝕に関する新しい知見
ミュータンス菌の2つの特徴
MS菌とう蝕の進行
母子垂直感染
刺激唾液中のMS菌数
キシリトールの効果
特定保健用食品
・COの経時的推移の実際
・処置決定のための診断基準
処置決定のためのデシジョンツリー
図1の鑑別診断
・シーラントの適応条件
・細菌検査について
・診断補助器具としてのDIAGNOdent(R)
・インフォームドコンセント
・再石灰化促進療法 A.R.M.(Acceleration Remineralization Methods)
・診療室での実際
再石灰化促進療法
フッ化物歯面塗布
フッ化物の使用限界量
フッ化物の致死量
経過観察の間隔
・カリエスリスクの変化に注意
・ハイカリエスリスクの場合の対処法
3DS(Dental Drug Delivery System)
・歯科医自身が変わらなければ
2-2.う蝕を進行させないために 隣接面を中心に(松井みどり)
・隣接面う蝕の診断と問題点
・早期発見 隣接面う蝕はX線にどう写るか
X線写真に写りやすいう蝕
X線写真に写りにくいう蝕
・早期発見 その後どうするか
・早期管理
フロス指導は必要、でも難しい
コンタクトが緩いと隣接面う蝕予防が容易(8番の影響)
防げなかった隣接面う蝕
定期診査
予防法
・治療方針
2-3.修復物の予後を考慮した初期う蝕の予防と管理(日野浦 光)
・これまでの初期う蝕治療
う蝕の発生=切削治療?(問題提起)
Repeated Restoration Cycle(繰り返し治療)
・修復物の寿命
・Repeated Restoration Cycleを遅く回転させることの重要性
・ミニマルインターベンション(MI)
ミニマルインターベンションの治療ステップ
う蝕治療コンセプトをMIへ移行するには
・初期う蝕からの介入
Eldertonの研究
初期う蝕からの管理(オブザベーション)
・初期う蝕とは何か
従来の初期う蝕の定義
初期う蝕の定義と可逆性疾患
・要観察歯(CO)とその介入
・初期う蝕の診断方法
う蝕診断器
・初期う蝕の治療
非切削的対応
切削による生物学的対応
・初期う蝕の部位別対応
歯冠部う蝕
歯根面う蝕
・管理法(オブザベーション)
3DSとPMTC
来院間隔
・外科処置と経過管理
・これからの歯科医院
[3]初期う蝕の予防と管理
3-1.フッ化物洗口を併用した地域歯科保健活動 石川県田鶴浜町での試み(守友靖子)
・地域歯科保健
・「8020」を目指すむし歯ゼロの町づくり事業
実施の経緯
計画概要
実施事業
事業成果
継続している事業
・フッ化物洗口
導入まで
フッ化物洗口の実施
フッ化物洗口関係事業実施状況
成績
・これからの課題
3-2.グラスアイオノマー系シーラントを併用した地域歯科保健 歌登町での試み(小松久憲)
・グラスアイオノマー系シーラント塗布と独自の地域歯科保健活動
・永久歯う蝕予防対策
活動の原点
経過
現在の活動
歌登町における新たな試み「児童ブラッシング教室」
新たな活動を開始するために
アイオノマー系シーラントの特性
・う蝕管理には萌出時期に合った適切なう蝕予防対策が必要
3-3.う蝕の微生物学的リスク低減治療 Dental Drug DeliverySystem(3DS)にによる病原口腔細菌の制御
(武内博朗/阿部井寿人/泉福英信/花田信弘)
・Dental Drug Delivery Systemの概要
・3DSの臨床細菌学
3DSの作用機序
・3DSの適応診査
・細菌検査の実際
・検査結果の判定
・検査値の読み方
MS菌CFU/ml
総レンサ球菌数
検査例
・3DSの実施プロトコール
・3DSの使用薬剤
・3DSに先立つ機械的バイオフィルム破壊
バイオフィルム検出の実際
・ドラッグ・リテーナー
ドラッグ・リテーナーの装着(除菌処置)
・3DS術後の細菌学的評価 終了・継続・再開をどうするか
・3DSの臨床成績
・メインテナンスにおける除菌療法の位置
・口腔微生物叢のコントロール技術の進歩
3-3.プラークや汚れの付着を抑制する表面改質法(寺中敏夫)
・歯と修復物の表面改質
・フッ化炭素鎖の分子を表面に配列する
・フッ化炭素鎖を有するシランカップリング剤
・フッ化炭素鎖を有するシランカップリング剤の基礎的改質効果
耐酸化性
表面自由エネルギー
改質層の厚さ
・コンポジットレジンへの細菌の付着量と付着細菌の脱離率
・エナメル質の改質効果
ハイドロキシアパタイトおよびエナメル質に対するタンパク質吸着抑制
改質歯面の耐酸性
口腔内装置を用いたプラーク付着抑制試験
・その他の汚染防止
・コンポジットレジンの着色防止
・コンポジットタイプ人工歯の着色防止
・水溶性界面活性剤の開発
索引
[1]初期う蝕の進行と治癒
1-1.初期う蝕の進行と治癒稲葉大輔
・臨床の最優先課題
・脱灰・再石灰化のメカニズム
・唾液環境の評価と最適化
唾液の質
フッ化物配合歯磨剤と洗口
・セルフケアによる再石灰化の促進
脱灰抑制
唾液分泌の維持・増進
フッ化物の自己応用
う蝕予防に効果のある食品の利用
・プロフェッショナルケア
・個人を対象としたう蝕予防管理
・関連トピックス
ステップワイズ・エキスカベーション
歯髄腔内液による脱灰抑制および再石灰化
フッ化物徐放性材料による二次う蝕の予防効果
う窩の検出手段
・今後の課題 リスクと初期兆候の見逃しへの対応
[2]初期う蝕の診断と治療方針
2-1.初期う蝕の診断と治療 咬合面を中心に(柘植紳平)
・初期う蝕をを診断してみよう
・COとは
プラークの付着や白濁・着色の変化とう蝕の進行
・う蝕に関する新しい知見
ミュータンス菌の2つの特徴
MS菌とう蝕の進行
母子垂直感染
刺激唾液中のMS菌数
キシリトールの効果
特定保健用食品
・COの経時的推移の実際
・処置決定のための診断基準
処置決定のためのデシジョンツリー
図1の鑑別診断
・シーラントの適応条件
・細菌検査について
・診断補助器具としてのDIAGNOdent(R)
・インフォームドコンセント
・再石灰化促進療法 A.R.M.(Acceleration Remineralization Methods)
・診療室での実際
再石灰化促進療法
フッ化物歯面塗布
フッ化物の使用限界量
フッ化物の致死量
経過観察の間隔
・カリエスリスクの変化に注意
・ハイカリエスリスクの場合の対処法
3DS(Dental Drug Delivery System)
・歯科医自身が変わらなければ
2-2.う蝕を進行させないために 隣接面を中心に(松井みどり)
・隣接面う蝕の診断と問題点
・早期発見 隣接面う蝕はX線にどう写るか
X線写真に写りやすいう蝕
X線写真に写りにくいう蝕
・早期発見 その後どうするか
・早期管理
フロス指導は必要、でも難しい
コンタクトが緩いと隣接面う蝕予防が容易(8番の影響)
防げなかった隣接面う蝕
定期診査
予防法
・治療方針
2-3.修復物の予後を考慮した初期う蝕の予防と管理(日野浦 光)
・これまでの初期う蝕治療
う蝕の発生=切削治療?(問題提起)
Repeated Restoration Cycle(繰り返し治療)
・修復物の寿命
・Repeated Restoration Cycleを遅く回転させることの重要性
・ミニマルインターベンション(MI)
ミニマルインターベンションの治療ステップ
う蝕治療コンセプトをMIへ移行するには
・初期う蝕からの介入
Eldertonの研究
初期う蝕からの管理(オブザベーション)
・初期う蝕とは何か
従来の初期う蝕の定義
初期う蝕の定義と可逆性疾患
・要観察歯(CO)とその介入
・初期う蝕の診断方法
う蝕診断器
・初期う蝕の治療
非切削的対応
切削による生物学的対応
・初期う蝕の部位別対応
歯冠部う蝕
歯根面う蝕
・管理法(オブザベーション)
3DSとPMTC
来院間隔
・外科処置と経過管理
・これからの歯科医院
[3]初期う蝕の予防と管理
3-1.フッ化物洗口を併用した地域歯科保健活動 石川県田鶴浜町での試み(守友靖子)
・地域歯科保健
・「8020」を目指すむし歯ゼロの町づくり事業
実施の経緯
計画概要
実施事業
事業成果
継続している事業
・フッ化物洗口
導入まで
フッ化物洗口の実施
フッ化物洗口関係事業実施状況
成績
・これからの課題
3-2.グラスアイオノマー系シーラントを併用した地域歯科保健 歌登町での試み(小松久憲)
・グラスアイオノマー系シーラント塗布と独自の地域歯科保健活動
・永久歯う蝕予防対策
活動の原点
経過
現在の活動
歌登町における新たな試み「児童ブラッシング教室」
新たな活動を開始するために
アイオノマー系シーラントの特性
・う蝕管理には萌出時期に合った適切なう蝕予防対策が必要
3-3.う蝕の微生物学的リスク低減治療 Dental Drug DeliverySystem(3DS)にによる病原口腔細菌の制御
(武内博朗/阿部井寿人/泉福英信/花田信弘)
・Dental Drug Delivery Systemの概要
・3DSの臨床細菌学
3DSの作用機序
・3DSの適応診査
・細菌検査の実際
・検査結果の判定
・検査値の読み方
MS菌CFU/ml
総レンサ球菌数
検査例
・3DSの実施プロトコール
・3DSの使用薬剤
・3DSに先立つ機械的バイオフィルム破壊
バイオフィルム検出の実際
・ドラッグ・リテーナー
ドラッグ・リテーナーの装着(除菌処置)
・3DS術後の細菌学的評価 終了・継続・再開をどうするか
・3DSの臨床成績
・メインテナンスにおける除菌療法の位置
・口腔微生物叢のコントロール技術の進歩
3-3.プラークや汚れの付着を抑制する表面改質法(寺中敏夫)
・歯と修復物の表面改質
・フッ化炭素鎖の分子を表面に配列する
・フッ化炭素鎖を有するシランカップリング剤
・フッ化炭素鎖を有するシランカップリング剤の基礎的改質効果
耐酸化性
表面自由エネルギー
改質層の厚さ
・コンポジットレジンへの細菌の付着量と付着細菌の脱離率
・エナメル質の改質効果
ハイドロキシアパタイトおよびエナメル質に対するタンパク質吸着抑制
改質歯面の耐酸性
口腔内装置を用いたプラーク付着抑制試験
・その他の汚染防止
・コンポジットレジンの着色防止
・コンポジットタイプ人工歯の着色防止
・水溶性界面活性剤の開発
索引
初期う蝕のマネージメント
う蝕を進行させないために
-
著者
小松 久憲
稲葉 大輔
柘植 紳平
松井 みどり
日野浦 光
守友 靖子
小松 久憲
武内 博朗
阿部井 寿人
泉福 英信
花田 信弘
寺中 敏夫 -
出版社
クインテッセンス出版
-
ページ
156ページ
-
サイズ
A4判
-
ISBN
978-4874178140
-
価格
9,900円(税込)