歯周病もう蝕もバイオフィルム感染症であり、生活習慣病である。予防にはセルフケアの定着が重要であるが、ブラッシングで除去できなかった病原性の増したバイオフィルムを必要最小限の生体侵襲で除去するため、PMTCを目的に合わせテーラーメードで処方できるよう編集した。PMTCのツールの選択や、研磨材粒子の大きさによる研磨表面性状を示し研磨材の選択とPMTC時に注意ができるように構成した。PMTCを行う際の必読書。
1.セルフケア&プロフェッショナルケア
1-1 目的別PMTCとオーラルケア (武内博朗/日野浦 光)
・良い口腔常在菌叢を獲得するために
・セルフケアとプロフェッショナルケア
・PMTCの技術論と考え方
バイオフィルムの除去([1])
着色の除去およびエナメル質表層の滑沢化([2], [3])
口腔爽快感の認識および予防に対する意識強化([4])
・奥が深い予防歯科
・コメント 脱灰性エナメル質白斑の扱い(飯島洋一)
1-2 定期的なプロフェッショナルケアのエビデンスと、現場の課題
(豊島義博)
・オレオレ詐欺
・PMTCについての情報の吟味
・英国の医療システムと診療ガイドライン
・定期健診のガイドライン 歯科定期健診の間隔はどれくらいが
妥当か?
・現場で利用するときの課題
1-3 プロフェッショナルケアのメニュー目的別プロケアの整理
(内山 茂)
・リスクと目的別プロフェッショナルケア
・着色の除去(ポリッシング)
・う蝕の予防と管理におけるプロケア
・歯周治療時のプロケア
・重度歯周病の進行抑制・症状緩和としてのプロケア
・歯周治療後のメインテナンス(SPT)時のプロケア
・有病者・障害者のプロケア
・矯正中・矯正後のプロケア
・補綴物のメインテナンス時におけるプロケア
1-4 セルフケアを大事にした歯科医療 (丸森英史)
・歯科医の一方的な治療方針が受け入れられる時代ではない
・急性疾患から慢性疾患時代、何を問題にすべきなのか
健康教育
・自立支援は医療におけるすべての関わりの原点
・関わる時間軸で遭遇するセルフケアへの隘路
生活で何が問題になるのか
・行動変容には単純なシステム化では対応できない
医療のシステム化への取り組み
行動変容の難しさ
・システム的アプローチの見直し
・コミュニケーションの綾
・関係性の解明
・NBMの視点
・事例研究
・稿を終えるにあたり
2.目的別ショートカットPMTCの臨床応用例/
レディーメードからテーラーメードのPMTC
2-1 職域型Routine checkup時のセルフケア支援とクリーニング
(深川優子)
・セルフケア能力の向上支援を目指した健診システムの導入
・従来の疾病発見型検診とRoutine checkupの違い
・職域の患者(職員)の特色
・職域型Routine checkupの目的と来院のための工夫
・職域型PMTCの目的
・私たちが行うPMTC(クリーニング)
私たちが使用しているツールの紹介
私たちが使用している薬液、薬剤の紹介
フッ化物
セルフケア用のツール
・セルフケア能力の向上支援を目指した健診システムの導入
・症例をとおして考える
症例2-1-1
症例2-1-2
症例2-1-3
セルフケアではプラークコントロールが困難な症例
・セミテーラーメードのPMTC
2-2 口腔内の現状に応じたテーラーメードPMTC
(日野浦 光/清水麻理子/園田麻衣子/木藤奈緒)
症例2-2-1 良好な状態を長く現状維持する
症例2-2-2 現状に妥協してPMTCで現状維持を図る
症例2-2-3 PMTCと3DSの併用
若い人のセルフケアを中心として
・小児歯科領域における定期的来院とPTH
・オーバートリートメントを避ける
2-3 口腔内のリスク判定に基づくPMTC
(山本信一/北垣順子/福西一浩)
・ショートカットメインテナンス
・口腔内リスクを知る
リスク判定のための診査項目
・オーラルケアメニュー
う蝕型ショートカットケアメニュー
ペリオ型ショートカットケアメニュー
・当医院におけるPMTCの考え方とその役割
ペリオ改善のためのPMTC
う蝕予防のためのPMTC
審美のためのPMTC
・症例をとおして考える
症例2-3-1 う蝕型
症例2-3-2 ペリオ型
症例2-3-3 う蝕とペリオ(矯正治療)の混合型
・稿を終えるにあたり
2-4 口腔内状況に応じたステイン除去の実際
(西田佳史/鹿島長門/浦口昌秀)
・天然歯と補綴物のステイン沈着
・ステイン除去のゴールドスタンダードを求めて
口腔内ステイン除去用各種研磨材による天然歯の表面性状の変化
口腔内ステイン除去用各種研磨材による代表的修復材料の
表面性状の変化
この解析でわかったこと、臨床応用すべきこと
・症例をとおして考える
症例2-4-1 天然歯のステイン除去
症例2-4-2 修復物のステイン除去
3.PMTCの技術論
3-1 根面に対するPMTC
MIで考える根面う蝕の予防とPMTCでの研磨材の選択
(吉山昌宏)
・根面う蝕の多発
・根面う蝕の診断とステージ分類
・根面う蝕のリスク診断
・根面う蝕の予防処置
・PMTCにおける注意事項
・研磨材(ペースト)の選択基準
・PMTCと知覚過敏
・MI的なPMTCこそ患者に求められる
3-2 PMTCペーストの選択ガイド
その理解が予防プログラムを成功させる
(奥田健太郎/高見澤俊樹/宇山 聡/
武内博朗/宮崎真至/花田信弘)
・適切な予防プログラム
・PMTCペーストの現在
・研磨性の指標
・エナメル質への影響
・修復物に及ぼす影響
・PMTCペーストの選択基準
・PMTCペーストは患者とのコミュニケーションツール
3-3 修復処置とPMTC (田上順次)
・う蝕の原因除去療法としてのPMTC
・修復前、修復時の局所環境改善とPMTC
・修復後のPMTC
コンポジットレジン修復の現在
修復物のマージン
4.健康を維持するためのオーラルサイエンス
4-1 バイオフィルム制御の考え方と合理的な処方
(花田信弘/武内博朗)
・代理エンドポイントと予防治療
・バイオフィルムとは
・浮遊細菌とバイオフィルム細菌
・バイオフィルム成熟までのステージ
ステージI ペリクル形成
ステージII 初期定着菌群の付着
ステージIII 後期定着菌群の出現
ステージIV プラークからバイオフィルムの成熟へ
ステージV 成熟バイオフィルムから歯石の形成へ
・バイオフィルム除去の戦略
・化学療法や殺菌消毒剤 局所塗布の問題点
4-2 食育と健康
全身の健康につながる味覚形成と食生活 (丸森英史)
・生活習慣病
・現代は子どもを砂糖漬け、脂肪漬けにしやすい時代
・若者を襲う肥満 食育、健康への動機づけ
肥満と歯周病
2型糖尿病の予防
・味覚形成は食育とう蝕、生活習慣病予防への基礎
・健康な生活ではう蝕はできない
索引
1.セルフケア&プロフェッショナルケア
1-1 目的別PMTCとオーラルケア (武内博朗/日野浦 光)
・良い口腔常在菌叢を獲得するために
・セルフケアとプロフェッショナルケア
・PMTCの技術論と考え方
バイオフィルムの除去([1])
着色の除去およびエナメル質表層の滑沢化([2], [3])
口腔爽快感の認識および予防に対する意識強化([4])
・奥が深い予防歯科
・コメント 脱灰性エナメル質白斑の扱い(飯島洋一)
1-2 定期的なプロフェッショナルケアのエビデンスと、現場の課題
(豊島義博)
・オレオレ詐欺
・PMTCについての情報の吟味
・英国の医療システムと診療ガイドライン
・定期健診のガイドライン 歯科定期健診の間隔はどれくらいが
妥当か?
・現場で利用するときの課題
1-3 プロフェッショナルケアのメニュー目的別プロケアの整理
(内山 茂)
・リスクと目的別プロフェッショナルケア
・着色の除去(ポリッシング)
・う蝕の予防と管理におけるプロケア
・歯周治療時のプロケア
・重度歯周病の進行抑制・症状緩和としてのプロケア
・歯周治療後のメインテナンス(SPT)時のプロケア
・有病者・障害者のプロケア
・矯正中・矯正後のプロケア
・補綴物のメインテナンス時におけるプロケア
1-4 セルフケアを大事にした歯科医療 (丸森英史)
・歯科医の一方的な治療方針が受け入れられる時代ではない
・急性疾患から慢性疾患時代、何を問題にすべきなのか
健康教育
・自立支援は医療におけるすべての関わりの原点
・関わる時間軸で遭遇するセルフケアへの隘路
生活で何が問題になるのか
・行動変容には単純なシステム化では対応できない
医療のシステム化への取り組み
行動変容の難しさ
・システム的アプローチの見直し
・コミュニケーションの綾
・関係性の解明
・NBMの視点
・事例研究
・稿を終えるにあたり
2.目的別ショートカットPMTCの臨床応用例/
レディーメードからテーラーメードのPMTC
2-1 職域型Routine checkup時のセルフケア支援とクリーニング
(深川優子)
・セルフケア能力の向上支援を目指した健診システムの導入
・従来の疾病発見型検診とRoutine checkupの違い
・職域の患者(職員)の特色
・職域型Routine checkupの目的と来院のための工夫
・職域型PMTCの目的
・私たちが行うPMTC(クリーニング)
私たちが使用しているツールの紹介
私たちが使用している薬液、薬剤の紹介
フッ化物
セルフケア用のツール
・セルフケア能力の向上支援を目指した健診システムの導入
・症例をとおして考える
症例2-1-1
症例2-1-2
症例2-1-3
セルフケアではプラークコントロールが困難な症例
・セミテーラーメードのPMTC
2-2 口腔内の現状に応じたテーラーメードPMTC
(日野浦 光/清水麻理子/園田麻衣子/木藤奈緒)
症例2-2-1 良好な状態を長く現状維持する
症例2-2-2 現状に妥協してPMTCで現状維持を図る
症例2-2-3 PMTCと3DSの併用
若い人のセルフケアを中心として
・小児歯科領域における定期的来院とPTH
・オーバートリートメントを避ける
2-3 口腔内のリスク判定に基づくPMTC
(山本信一/北垣順子/福西一浩)
・ショートカットメインテナンス
・口腔内リスクを知る
リスク判定のための診査項目
・オーラルケアメニュー
う蝕型ショートカットケアメニュー
ペリオ型ショートカットケアメニュー
・当医院におけるPMTCの考え方とその役割
ペリオ改善のためのPMTC
う蝕予防のためのPMTC
審美のためのPMTC
・症例をとおして考える
症例2-3-1 う蝕型
症例2-3-2 ペリオ型
症例2-3-3 う蝕とペリオ(矯正治療)の混合型
・稿を終えるにあたり
2-4 口腔内状況に応じたステイン除去の実際
(西田佳史/鹿島長門/浦口昌秀)
・天然歯と補綴物のステイン沈着
・ステイン除去のゴールドスタンダードを求めて
口腔内ステイン除去用各種研磨材による天然歯の表面性状の変化
口腔内ステイン除去用各種研磨材による代表的修復材料の
表面性状の変化
この解析でわかったこと、臨床応用すべきこと
・症例をとおして考える
症例2-4-1 天然歯のステイン除去
症例2-4-2 修復物のステイン除去
3.PMTCの技術論
3-1 根面に対するPMTC
MIで考える根面う蝕の予防とPMTCでの研磨材の選択
(吉山昌宏)
・根面う蝕の多発
・根面う蝕の診断とステージ分類
・根面う蝕のリスク診断
・根面う蝕の予防処置
・PMTCにおける注意事項
・研磨材(ペースト)の選択基準
・PMTCと知覚過敏
・MI的なPMTCこそ患者に求められる
3-2 PMTCペーストの選択ガイド
その理解が予防プログラムを成功させる
(奥田健太郎/高見澤俊樹/宇山 聡/
武内博朗/宮崎真至/花田信弘)
・適切な予防プログラム
・PMTCペーストの現在
・研磨性の指標
・エナメル質への影響
・修復物に及ぼす影響
・PMTCペーストの選択基準
・PMTCペーストは患者とのコミュニケーションツール
3-3 修復処置とPMTC (田上順次)
・う蝕の原因除去療法としてのPMTC
・修復前、修復時の局所環境改善とPMTC
・修復後のPMTC
コンポジットレジン修復の現在
修復物のマージン
4.健康を維持するためのオーラルサイエンス
4-1 バイオフィルム制御の考え方と合理的な処方
(花田信弘/武内博朗)
・代理エンドポイントと予防治療
・バイオフィルムとは
・浮遊細菌とバイオフィルム細菌
・バイオフィルム成熟までのステージ
ステージI ペリクル形成
ステージII 初期定着菌群の付着
ステージIII 後期定着菌群の出現
ステージIV プラークからバイオフィルムの成熟へ
ステージV 成熟バイオフィルムから歯石の形成へ
・バイオフィルム除去の戦略
・化学療法や殺菌消毒剤 局所塗布の問題点
4-2 食育と健康
全身の健康につながる味覚形成と食生活 (丸森英史)
・生活習慣病
・現代は子どもを砂糖漬け、脂肪漬けにしやすい時代
・若者を襲う肥満 食育、健康への動機づけ
肥満と歯周病
2型糖尿病の予防
・味覚形成は食育とう蝕、生活習慣病予防への基礎
・健康な生活ではう蝕はできない
索引
目的別PMTCとオーラルケア
バイオフィルム除去とオーラルケアの到達点
-
著者
花田 信弘
武内 博朗
丸森 英史
内山 茂
豊島 義博
田上 順次
吉山 昌宏
宮崎 真至
日野浦 光 -
出版社
クインテッセンス出版
-
ページ
152ページ
-
サイズ
A4判
-
ISBN
978-4874178928
-
価格
7,480円(税込)