インプラント治療の技術は日進月歩で、有歯顎時代とほとんど変わらない審美性や機能性を獲得することも十分可能になっている。
国民のQOLへの欲求も高まっており、インプラントは今や欠かすことのできない補綴治療であることは多くの歯科医療従事者が思うところであろう。
一方で、全身疾患などの身体的制約や時間を含んだ経済的制約により、すべての患者に完全な形態回復を目指した治療計画を提供することは現実的ではないのも実情だ。
長寿社会においてすべての歯科関係者が知っておくべきIODとは?
そのような背景から、取り外しが簡便でメインテナンスもしやすいインプラントオーバーデンチャー(IOD)という治療オプションが近年注目を集めている。
顎堤の吸収を抑えるとともに咬合支持の改善に優れる
インプラントの平行性が不良でも適応可能
クラスプをなくすことができ審美回復にも優れる
少数のインプラントで高い治療効果があり、インプラントの適応症を大幅に拡大
など、様々な利点があげられ、長寿社会に向けた補綴設計の選択肢として必要不可欠な治療法と考えられている。
インプラント埋入の外科手術に関しては、本数も抑えられ、骨増生や軟組織移植などの付加的な手術を伴わないことから、比較的シンプルな計画になることが多い。一方で、その補綴様式については、クラウンブリッジタイプのインプラント治療とは異なった配慮が必要となる。
そこにおいて、インプラントオーバーデンチャー(IOD)に関する知識・技術の研鑽の場として、IODに特化した研修を行う「磁性アタッチメントインプラント学術大会」がある。
同学会は2012年にアカデミーヒルズ(六本木ヒルズ内)にて第1回が開催され、200席が満席となる盛況振りであった。
第1回磁性アタッチメントインプラント学術大会 風景
来月、その第2回学術大会が東京駅丸ビルホールに場所を移した上で大規模に開催されるとあり、歯科関係者の注目を集めている。
大会長からのmessage
大会長 田中譲治
1986年日本大学松戸歯学部を卒業し、1995年に磁性アタッチメントのインプラントの臨床応用を研究するMACS研究会を設立。開業医としての臨床に従事する傍ら、日本口腔インプラント学会の認定医育成などの教育・啓発活動に携わっている。
世界でも類をみないスピードで高齢化の進んでいる日本において、QOLの向上、健康長寿につながると考えられる磁性アタッチメントによるインプラントオーバーデンチャーが注目されております。そして、長寿社会日本においてこそ、少数のインプラントで高い効果のある治療として、その適切な利用法を確立し、世界へ発信していくことが期待されます。その願いを叶えるため、この度第2回磁性アタッチメントインプラント学術大会が開催される運びとなりました。是非とも一人でも多くの方に参加いただき、深く考え追求できる場となれば幸いです。
プログラムと見どころ
point 1
インプラントオーバーデンチャー(IOD)臨床のトップランナーによる多彩な講演で、IODの基礎を知るとともに、最新の知見をアップデート。
point 2
開業臨床医、アカデミアを織り交ぜたシンポジウム。熱い議論が繰り広げられる。
大会詳細&お申し込み
日時:2018年11月11日(日)10:00〜17:00
場所:東京(丸ビルホール東京駅2分)
費用:歯科医師:16,000円(昼食込)※ 60歳以上および30歳未満:10,000円
歯科技工士・歯科衛生士・コデンタル・その他:8,000円(昼食込)
懇親会:10,000円 (小岩井フレミナール 丸ビル 5F )