世界を目指す歯科学生や歯科医師を支援する「ローンスターズ・プロジェクト」。
このプロジェクトは、日本の歯科界のさらなる活性化を期待し、世界の舞台でリーダーシップを発揮し活躍できる歯科医師を生み出すために、志高く一生懸命頑張っている学生から歯科医師までを支援するために行われている。
今回は若手歯科医師支援活動の第一弾として、学生や卒後5年目以下の歯科医師を対象に、アメリカ専門医教育を体験する米国研修をサポートするローンスターズ・トラベルグラントの受賞者が決定したので報告する。
若手歯科医師支援のプラットフォームを確立。ローンスターズ・トラベルグラントとは
主催者からのコメント
「9月にトラベルグラント応募を募ったところ、希望と挑戦に満ち溢れた多数の方から応募をいただきました。応募者からのエッセイを真剣に読ませていただきましたが、日本の歯科界は本当に明るいと感じるほど、無限の可能性に満ちた学生・歯科医師が多数存在していました。
高レベルな応募者ばかりで選考がかなり難航しましたが、今後の日本の歯科界の未来に熱い気持ちを持ち、世界でリーダーシップを発揮しながら活躍するであろう3名に授与することになりました。今後、皆様と一緒に彼らの活躍を応援していきましょう!
また、トラベルグラントに応募していただいた皆様にはとても感謝しておりますし、引き続きローンスターズ・プロジェクトは皆様と力を合わせ、頑張る若手歯科医師を支援するために今後も全力で突き進んでいきます。
尚、今年のローンスターズ・東京ミーティングに参加された皆様のおかげで、今回のグラント設立が可能になりました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。変わらぬサポートのほどよろしくお願いします。」
閔成弘,瀧本晃陽,杉田龍士郎,遠藤祐人
プロジェクトの元となったTokyo Meeting はWCCHで受講いただけます
受賞者のコメント
大沼 啓(東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野)
「もっと歯科を深く、学問として追求したいと思い、応募しました。世界の臨床、教育に触れることできっと何か日本にも還元できることがあるのではないかと思っております。」
原田 健太郎(東京医科歯科大学 歯学科3年)
「論文によるエビデンスをベースとしたアメリカの教育体制にはかねてより興味をもっておりました。今回のプロジェクトにて、実際に自分の身で経験をできる機会を学部3年という早い時期からいただいたことを大変嬉しく思います。本留学によって得られた貴重な経験が、将来の自身の歯科医師としてのビジョンをより明確にするものであると考えております。」
内田 俊(新潟大学大学院医歯学総合研究科う蝕学分野 歯科研修医)
「知識は科学的根拠を基に自分で得て、それを分析し、周囲と深めていくものだと私は考えております。米国ではその “知識の理由” にアプローチするための、世界でもトップレベルの臨床や研究、教育が行われております。私はその現場で少しでも多くのことを学び取り、自分自身のキャリアプランを構築していく所存です。また、日本の歯科医療界には新たな教育価値を創造できるイノベーターが必要です。米国で学んだスキル・マインドを日本の歯科医療に応用し、情報の発信者としてグローバルな歯科医師となれるよう努力を重ねて参ります。」
画像左から、原田さん、内田先生、大沼先生
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先人たちの積み上げにより、現在の日本の臨床や基礎研究は世界でもトップレベルであることに疑いの余地はない。
しかしながら、国際社会の舞台でリーダーシップを発揮しながら活躍できる歯科医師をこの先も継続的に輩出していくには、卒前・卒後教育のさらなる向上や、海外留学・研修の支援など、未来を担う若手歯科医療従事者を面として支えていくシステムが必要不可欠だ。
実際にこのようなシステムが動き始めた Lone Stars Project、そして貴重な機会を得た3名の今後の活躍に期待したい。