「仕事はできるけれど態度が悪い歯科衛生士」と、「挨拶が良いけれど仕事は難ありの歯科衛生士」。どっちの方がいいですか?・・・って、どちらもありえないですよね。
医療現場において、医療を提供する以前に『患者の不安を安心に導く接遇やマナー』を身につけることは医療人としての基本です。また、歯科医療機関の役割は疾患がある患者に、安心・安全・適切な医療を提供することです。
とある歯科医院のおはなし
某歯科医院のチーフAさんは、仕事はできるけれど、スタッフに注意する時の言い方がきつい。院長に対する態度も良くない。院長もスタッフもチーフAさんに気を遣いすぎてギクシャクしていました。
私がその医院に研修に入り、歯科医療接遇を開始する初日。院長がチーフのAさんに呼ばれ、涙目でこう言われたそうです。
院長は接遇さえよければ、仕事が出来ない人でも高い評価をするんですか?私はみんなのミスをフォローしたり、日々医院がうまくまわるように努力しているつもりです。注意しても直らないので厳しく注意することもありますが、すべてスタッフのためです。私が指導を任されているのに、何で外部の人を呼んだんですか?
その医院にはもう1人、施術は上手いけれど、いつも態度が良くない歯科衛生士Bさんもいました。
初回の研修前に「研修を開始する前に何か私に質問はありませんか?」と聞くと、歯科衛生士Bさんが私にこう質問をしてきました。
ここは医療機関です。仕事をできることは最低条件だと思います。私は衛生士として20年の経験があり、技術にそれなりに自信があります。でも、院長は技術の評価より接遇のことばかり注意してきます。濵田先生は技術より接遇が大事だと思いますか?
私からの回答はひとつ。
歯科医療現場で接遇が患者から重視されるのは【安心・安全・適切】な医療を提供するためです。患者視点において、治療は良くて当たり前なのです。
医療の質 = スタッフの質
仕事ができない人が勤務している医療機関に通いたいと思う患者はいません。しかし、患者は、大きなミスがない限り、そのスタッフは仕事ができないと判断しません。つまり、患者の立場で治療レベルは正確にわからないので、働く人の態度の良し悪しや、サービスの質の高い低いで判断するのです。
実際に、H.M’s COLLECTIONで行った患者満足度調査では、多くの患者が【医療の質 = スタッフの質】と評価しています。
どんなに歯科医師の治療レベルが高くても、アシスタントが怖い・歯科衛生士が冷たい・受付の態度が悪いためにネットにネガティブな書き込みをされてしまった医療機関もたくさんあります。たった1人のスタッフのせいで医院の総合評価が下がっているのです。
些細な問題こそプロに任せると確実
院内で歯科医療接遇レベルを整えたいと考えても、チーフAさんのように、肝心な指導対象者が自覚してくれないこともあります。そのような限界を感じる場合は、外部講師に院内で指導してもらうという選択肢があります。第三者が介入することで医院全体のレベルアップに取組めたり、プロから接遇関連の悩みを解決するためのアドバイスをもらったりすることが出来るからです。
医療チームの視点では、一つひとつの悩みを放置した結果、 組織全体を巻き込む大きな問題につながるケースもあります。 些細な問題はどんな医療機関でもおこり得ます。
仕事や雑務に終われ、各自が忙しい毎日だからこそ 医院側のあたりまえとスタッフのあたりまえや価値観をすり合わせて信頼関係を築いていってください。
H.M’s COLLECTION 流 仕組みづくりモデル3step
1. 本質が何かをきちんと理解させる
単純にルールとして丸暗記させない。
2. 重要・理解したことを正確に実践に導く
基本知識や行動様式を 良い◯ 悪い×で伝えていく。再現可能で理解するまで何回でも同じものを見られる。
3. 実践を繰り返して体得させる
知っているを出来ているに育て上げる指導。良い◯ 悪い× で苦手を再指導と克服。
さいごに
人は育てたようにしか育ちません。そこに目を向けないといつまでも苦労が続きます。 患者は、不満があっても、私達に伝えてこないことも多いはずです。 今回の〇と×の基本映像がお役に立てたら嬉しいです。
自走する医療チームつくりの仕組み化の中で、soeasyのシステムは共育のためのツールとして活用しています。今回は患者満足度をあげるために【患者さんの不安や不満の解消】【患者さんの安心や満足の提供】の両面で作成しました。是非、院内教育で歯科医療接遇の本やsoeasyの動画教育をご活用ください。
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