全顎的な治療を行う上で欠かせないことはなんだろうか? まず患者の状態を的確に把握する診査・診断が重要である。そしてその診査・診断を確実に行うために、顎関節や顎位に関する知識が必要になる。さらに、はたして補綴治療だけで目指す治療ゴールに到達できるのか?という冷静な判断のもと、矯正治療とのコラボレーションも念頭に置かなければならないだろう。STEP 4は、まさに全顎的な治療を行う上でのガイダンスといえよう。
Chapter 1
全顎的機能回復に必要な項目
藤本 博/牧江寿子
Chapter 1-1 審美の基準 ──軟組織と硬組織を調和させる意味とは──
1.midline
2.incisal edge
3.occlusal plane
4.gingival levels
5.smile line
Chapter 1-2 資料分析 ──資料から読み取るべきこと──
1.口腔内写真からみえること
2.模型からみえること
1)アーチレングスディスクレパンシー
2)ファセット
3.エックス線写真からみえること
Chapter 1-3 診断 ──医療の根幹をなすもの──
1.原因の追究 ──なぜそうなったのか──
2.リスクファクター
1)う蝕リスク
2)歯周病リスク
3)パラファンクション
4)骨格の歪み
3.症例の難易度 ──トゥースポジションと顎間関係──
Chapter 1-4 咬合再構成の要点と実際
1.咬合再構成の要点
1)審美と機能をつなぐ“形態”
2)治療ゴールの設定と治療計画の立案
2.咬合再構成の実際
3.ラボコミュニケーション
1)フェイスボウとエステティックボウ
2)診断用ワックスアップ
3)セットアップモデル
Chapter 1-5 リスクマネジメント ──安定した経過を得るためにするべきこと──
1.ナイトガード
2.患者の自覚と努力
3.メインテナンス
Chapter 1-6 リカバリー ──メインテナンス期間中のトラブル対応──
1.修復物のトラブル
2.支台歯のトラブル
3.支持組織のトラブル
Chapter 2
咬合のとらえかた
清水幹広
Chapter 2-1 顎関節の解剖と診査・診断
1.顎関節
1)下顎窩・関節結節
2)関節円板
3)下顎頭
4)関節包
5)靭帯
2.顎運動に関係する筋肉
1)動的な顎運動に関係する筋肉
2)静的な顎運動(下顎の静的安定)に関係する筋肉
3.顎関節の特異性
1)複関節
2)回転および回転+滑走運動
3)リモデリング
4.顎関節の動き
1)開閉運動
2)側方運動
5.顎関節症
1)咀嚼筋障害とは
2)関節円板障害とは
(1)クリッキング
(2)クレピタス
(3)クローズドロック
6.顎関節の診査
Chapter 2-2 下顎位
1.咬頭嵌合位と中心位
1)咬頭嵌合位(intercuspal position:ICP)とは
2)中心位(centric relation:CR)とは
3)ICP とCR、どちらを基準とするか?
2.下顎位の採得法と咬合器装着
3.スプリント
4.顎位の重要性
Chapter 2-3 咬合高径
1.咬合高径の指標となるもの
2.咬合高径の設定
1)咬合高径の設定は慎重に
2)咬合高径を変更する必要がない症例とは
3)咬合高径を下げる必要がある症例とは
4)咬合高径を挙上する必要がある症例とは
(1)本来の咬合高径に戻す場合
(2)補綴操作のために必要がある場合
Chapter 2-4 アンテリアガイダンスとポステリアサポート
1.アンテリアガイダンス
1)切歯誘導
2)犬歯誘導
3)側方運動時のガイドを担う歯
2.アンテリアガイダンスの重要性
1)ディスクルージョンによる臼歯の保護
2)垂直的なチューイングサイクルの維持
3)咀嚼筋の活動量の効率化
3.治療咬合におけるアンテリアガイダンスの指標
1)前歯部の被蓋関係(上顎前歯部の舌面形態)
2)犬歯関係
3)ディスクルージョンの量
4)審美性や発音などの機能
4.治療咬合におけるポステリアサポート
Chapter 2-5 模型診断
1.模型による咬合診断
1)模型診断に必要な基準線の引きかた
2)模型診断の進めかた
2.診断用ワックスアップの重要性
Chapter 2-6 生理的咬合と病的咬合
1.生理的咬合
2.病的咬合と治療咬合
1)病的咬合
2)治療咬合
3.診断と治療計画の難しさ
1)正常咬合と不正咬合
(1)患者の年齢
(2)患者の抵抗力
[1]細菌
[2]力
[3]顎関節
(3)咬合力
(4)パラファンクション
2)潜在的病的咬合
Chapter 3
機能回復と矯正治療 ──包括治療における成人矯正治療──
冨永宗嗣
Chapter 3-1 一般歯科医と矯正医の連携
1.一般歯科医による診査と患者説明
2.矯正医との初回の症例検討
1)成人矯正治療を依頼するにあたり、矯正医に何を伝えるか?
2)症例検討の準備と確認事項
3.矯正医による症例診査
4.一般歯科医と矯正医による2回目の症例検討
5.治療開始後の流れ
6.保定と後戻りをどう考えるか
1)保定と後戻り
2)補綴治療と保定
Chapter 3-2 成人矯正治療の目標 ──機能・審美・歯周組織──
1.機能面の治療目標
2.審美面の治療目標
1)下顔面部のプロファイルに配慮した矯正治療
2)歯列の対称性、歯肉とリップラインに配慮した矯正治療
3.歯周組織に関する治療目標
Chapter 3-3 セファロ分析を用いた診断と治療
1.補綴治療で必要なセファロ分析の計測項目
2.骨格系の計測項目
1)頭蓋骨における基準平面(SN 平面とFH 平面)
2)上顎骨の前後的位置を表す計測項目(SNA とMcNamara line to point A)
3)下顎骨の前後的位置を表す計測項目(SNB とMcNamara line to point Pog.)
4)上下顎骨の前後的位置関係を表す計測項目(ANB とWits)
5)下顎角形態と下顎骨回転(垂直的な不調和)を表す計測項目
(Gonial angle とMandibular plane angle(FMA))
6)下顎骨の側方偏位(顔面の対称性)を表す計測項目
2.歯系の計測項目
1)中切歯の前後的位置を表す計測項目
(U1 to point A perpendicular、L1 to A-Pog.)
2)中切歯の歯軸傾斜を表す計測項目
(U1 to SN とU1 to FH、L1 to Mand. pl.)
3)咬合平面の傾斜度を表す計測項目
(Occ.pl.to FH、Frontal occ.pl. Tilt)
Chapter 3-4 Facial type 別・症状と治療
1.Skeletal 1における垂直的不調和の症状と治療
1)Skeletal 1 Short face type の特徴と治療
2)Skeletal 1 Average face type の特徴と治療
3)Skeletal 1 Long face type の特徴と治療
2.Skeletal 2における垂直的不調和の症状と治療
1)Skeletal 2 Short face type の特徴と治療
2)Skeletal 2 Average face type の特徴と治療
3)Skeletal 2 Long face type の特徴と治療
4)II級咬合における前歯部被蓋
5)II級咬合における臼歯部咬合
・II級咬合による咬合崩壊と包括治療のポイント
3.Skeletal 3 における垂直的不調和の症状と治療
1)Skeletal 3 Short face type の特徴と治療
2)Skeletal 3 Average face type の特徴と治療
3)Skeletal 3 Long face type の特徴と治療
4)III級咬合における前歯部被蓋と臼歯部咬合
・III級咬合による咬合崩壊と包括治療のポイント
Chapter 3-5 治療目標を達成するための包括治療 ──矯正治療の役割と限界──
Chapter 4
ライフステージを考慮した咬合再構成
藤本 博/冨永宗嗣/木原敏裕
Chapter 4-1 『現在』の咬合崩壊への対応
1.症例の概要
2.一般歯科医と矯正医の症例診断
1)一般歯科医による診断
2)矯正医による診断
3.治療目標と治療計画
4.治療計画から導き出された治療の実際
1)模型診断とセットアップモデル
2)インプラントの埋入
3)矯正治療
4)補綴治療
5.治療終了時の評価
Chapter 4-2 『将来』の咬合崩壊への対応
1.症例の概要
2.一般歯科医からみた症例診断
3.矯正医からみた症例診断と矯正治療計画
1)診断
2)治療目標
3)矯正治療計画
4.補綴治療を見据えた矯正治療の実際
1)矯正治療の実際
2)一般歯科医による矯正治療終了時の確認事項
5.補綴処置の順序
6.治療終了時の評価
参考文献
索引
著者略歴
Chapter 1
全顎的機能回復に必要な項目
藤本 博/牧江寿子
Chapter 1-1 審美の基準 ──軟組織と硬組織を調和させる意味とは──
1.midline
2.incisal edge
3.occlusal plane
4.gingival levels
5.smile line
Chapter 1-2 資料分析 ──資料から読み取るべきこと──
1.口腔内写真からみえること
2.模型からみえること
1)アーチレングスディスクレパンシー
2)ファセット
3.エックス線写真からみえること
Chapter 1-3 診断 ──医療の根幹をなすもの──
1.原因の追究 ──なぜそうなったのか──
2.リスクファクター
1)う蝕リスク
2)歯周病リスク
3)パラファンクション
4)骨格の歪み
3.症例の難易度 ──トゥースポジションと顎間関係──
Chapter 1-4 咬合再構成の要点と実際
1.咬合再構成の要点
1)審美と機能をつなぐ“形態”
2)治療ゴールの設定と治療計画の立案
2.咬合再構成の実際
3.ラボコミュニケーション
1)フェイスボウとエステティックボウ
2)診断用ワックスアップ
3)セットアップモデル
Chapter 1-5 リスクマネジメント ──安定した経過を得るためにするべきこと──
1.ナイトガード
2.患者の自覚と努力
3.メインテナンス
Chapter 1-6 リカバリー ──メインテナンス期間中のトラブル対応──
1.修復物のトラブル
2.支台歯のトラブル
3.支持組織のトラブル
Chapter 2
咬合のとらえかた
清水幹広
Chapter 2-1 顎関節の解剖と診査・診断
1.顎関節
1)下顎窩・関節結節
2)関節円板
3)下顎頭
4)関節包
5)靭帯
2.顎運動に関係する筋肉
1)動的な顎運動に関係する筋肉
2)静的な顎運動(下顎の静的安定)に関係する筋肉
3.顎関節の特異性
1)複関節
2)回転および回転+滑走運動
3)リモデリング
4.顎関節の動き
1)開閉運動
2)側方運動
5.顎関節症
1)咀嚼筋障害とは
2)関節円板障害とは
(1)クリッキング
(2)クレピタス
(3)クローズドロック
6.顎関節の診査
Chapter 2-2 下顎位
1.咬頭嵌合位と中心位
1)咬頭嵌合位(intercuspal position:ICP)とは
2)中心位(centric relation:CR)とは
3)ICP とCR、どちらを基準とするか?
2.下顎位の採得法と咬合器装着
3.スプリント
4.顎位の重要性
Chapter 2-3 咬合高径
1.咬合高径の指標となるもの
2.咬合高径の設定
1)咬合高径の設定は慎重に
2)咬合高径を変更する必要がない症例とは
3)咬合高径を下げる必要がある症例とは
4)咬合高径を挙上する必要がある症例とは
(1)本来の咬合高径に戻す場合
(2)補綴操作のために必要がある場合
Chapter 2-4 アンテリアガイダンスとポステリアサポート
1.アンテリアガイダンス
1)切歯誘導
2)犬歯誘導
3)側方運動時のガイドを担う歯
2.アンテリアガイダンスの重要性
1)ディスクルージョンによる臼歯の保護
2)垂直的なチューイングサイクルの維持
3)咀嚼筋の活動量の効率化
3.治療咬合におけるアンテリアガイダンスの指標
1)前歯部の被蓋関係(上顎前歯部の舌面形態)
2)犬歯関係
3)ディスクルージョンの量
4)審美性や発音などの機能
4.治療咬合におけるポステリアサポート
Chapter 2-5 模型診断
1.模型による咬合診断
1)模型診断に必要な基準線の引きかた
2)模型診断の進めかた
2.診断用ワックスアップの重要性
Chapter 2-6 生理的咬合と病的咬合
1.生理的咬合
2.病的咬合と治療咬合
1)病的咬合
2)治療咬合
3.診断と治療計画の難しさ
1)正常咬合と不正咬合
(1)患者の年齢
(2)患者の抵抗力
[1]細菌
[2]力
[3]顎関節
(3)咬合力
(4)パラファンクション
2)潜在的病的咬合
Chapter 3
機能回復と矯正治療 ──包括治療における成人矯正治療──
冨永宗嗣
Chapter 3-1 一般歯科医と矯正医の連携
1.一般歯科医による診査と患者説明
2.矯正医との初回の症例検討
1)成人矯正治療を依頼するにあたり、矯正医に何を伝えるか?
2)症例検討の準備と確認事項
3.矯正医による症例診査
4.一般歯科医と矯正医による2回目の症例検討
5.治療開始後の流れ
6.保定と後戻りをどう考えるか
1)保定と後戻り
2)補綴治療と保定
Chapter 3-2 成人矯正治療の目標 ──機能・審美・歯周組織──
1.機能面の治療目標
2.審美面の治療目標
1)下顔面部のプロファイルに配慮した矯正治療
2)歯列の対称性、歯肉とリップラインに配慮した矯正治療
3.歯周組織に関する治療目標
Chapter 3-3 セファロ分析を用いた診断と治療
1.補綴治療で必要なセファロ分析の計測項目
2.骨格系の計測項目
1)頭蓋骨における基準平面(SN 平面とFH 平面)
2)上顎骨の前後的位置を表す計測項目(SNA とMcNamara line to point A)
3)下顎骨の前後的位置を表す計測項目(SNB とMcNamara line to point Pog.)
4)上下顎骨の前後的位置関係を表す計測項目(ANB とWits)
5)下顎角形態と下顎骨回転(垂直的な不調和)を表す計測項目
(Gonial angle とMandibular plane angle(FMA))
6)下顎骨の側方偏位(顔面の対称性)を表す計測項目
2.歯系の計測項目
1)中切歯の前後的位置を表す計測項目
(U1 to point A perpendicular、L1 to A-Pog.)
2)中切歯の歯軸傾斜を表す計測項目
(U1 to SN とU1 to FH、L1 to Mand. pl.)
3)咬合平面の傾斜度を表す計測項目
(Occ.pl.to FH、Frontal occ.pl. Tilt)
Chapter 3-4 Facial type 別・症状と治療
1.Skeletal 1における垂直的不調和の症状と治療
1)Skeletal 1 Short face type の特徴と治療
2)Skeletal 1 Average face type の特徴と治療
3)Skeletal 1 Long face type の特徴と治療
2.Skeletal 2における垂直的不調和の症状と治療
1)Skeletal 2 Short face type の特徴と治療
2)Skeletal 2 Average face type の特徴と治療
3)Skeletal 2 Long face type の特徴と治療
4)II級咬合における前歯部被蓋
5)II級咬合における臼歯部咬合
・II級咬合による咬合崩壊と包括治療のポイント
3.Skeletal 3 における垂直的不調和の症状と治療
1)Skeletal 3 Short face type の特徴と治療
2)Skeletal 3 Average face type の特徴と治療
3)Skeletal 3 Long face type の特徴と治療
4)III級咬合における前歯部被蓋と臼歯部咬合
・III級咬合による咬合崩壊と包括治療のポイント
Chapter 3-5 治療目標を達成するための包括治療 ──矯正治療の役割と限界──
Chapter 4
ライフステージを考慮した咬合再構成
藤本 博/冨永宗嗣/木原敏裕
Chapter 4-1 『現在』の咬合崩壊への対応
1.症例の概要
2.一般歯科医と矯正医の症例診断
1)一般歯科医による診断
2)矯正医による診断
3.治療目標と治療計画
4.治療計画から導き出された治療の実際
1)模型診断とセットアップモデル
2)インプラントの埋入
3)矯正治療
4)補綴治療
5.治療終了時の評価
Chapter 4-2 『将来』の咬合崩壊への対応
1.症例の概要
2.一般歯科医からみた症例診断
3.矯正医からみた症例診断と矯正治療計画
1)診断
2)治療目標
3)矯正治療計画
4.補綴治療を見据えた矯正治療の実際
1)矯正治療の実際
2)一般歯科医による矯正治療終了時の確認事項
5.補綴処置の順序
6.治療終了時の評価
参考文献
索引
著者略歴
プロフェッショナルデンティストリー STEP 4 Full Mouth Reconstruction
─審美と機能を両立させた全顎的治療─
-
著者
木原 敏裕
藤本 博
牧江 寿子
清水 幹広
冨永 宗嗣
木原 敏裕 -
出版社
クインテッセンス出版
-
ページ
212ページ
-
サイズ
A4判
-
ISBN
978-4781203614
-
価格
13,200円(税込)