歯科治療は技術を要求される医療である限り、基本手技の充実が上達の第一歩として欠かせない。シリーズ第2巻では、第1巻にて示したコンセプトである『治療ゴールを見定めた上での治療』に則った1歯単位の基本手技──歯周治療、修復治療、根管内処置、支台歯形成、抜歯──を集約的に解説している。たとえ1歯の治療であっても、その治療の是非によって患者の予後は大きく変化してしまう。その分岐点を本書から学んでほしい。
Chapter 1
歯科治療の基本コンセプト
石川清之
Chapter 1-1 患者に望まれる歯科医療を提供しているか?
1.患者とのコミュニケーションが、歯科医療のすべての場面で必要である
2.正確な診査・診断に基づく、エビデンスのある治療こそが求められている
3.コンサルテーションは、患者のニーズの把握と信頼関係を築く最高の機会である
4.治療よりも予防を重視する歯科医院こそ、かけがえのない存在である
5.『対症療法』ではなく『原因除去療法』こそが、本来の歯科医療のあるべき姿である
6.技術革新が早い時代だからこそ、原理・原則に基づいた医療姿勢が求められる
7.一生涯にわたって口腔機能を営める環境を提供できる歯科医院を目指す
Chapter 1-2 現在の歯科治療に必要なコンセプトを満たしているか
1.常にベストプランを考え、患者に伝えているか
2.診断を重視しているか
3.『E.・F.・S.・B.』を踏まえた治療を行っているか
4.修復治療の分類に基づいた治療計画を立案しているか
5.接着の有用性を活かした治療を行っているか
Chapter 2
歯周基本治療
牧江寿子
Chapter 2 歯周基本治療の要点
1.なぜ歯石を取り残してしまうのか
1)根面探知を極める
2)スケーラーのシャープニングを極める
3)スケーリング・ルートプレーニングで歯肉縁下をしっかり廓清する
4)非外科的処置では対処できない場合は、外科処置に移行する
2.付着器官の再生を阻害する歯根形態を知る
1)エナメルプロジェクション
2)エナメルパール
3)セメント質の過剰添加
3.患者のセルフケアを向上させるポイント
1)適切な清掃用具の使用法を理解させるには
2)患者のモチベーションを向上させるには
Chapter 3
歯周外科治療
窪田 努
Chapter 3-1 歯周外科治療の概念
1.修復治療のゴールからみた歯周治療の重要性
1)修復治療のゴールと歯周組織の関係
2)健康な歯周組織とは
3)治療の鍵となる付着歯肉
2.歯周治療の目的
3.歯周外科治療の目的
4.歯周外科治療のゴール
5.歯周外科治療の分類
Chapter 3-2 歯周外科治療を支える創傷治癒のバイオロジー
1.創傷治癒の諸相
1)炎症期
2)増殖期
3)成熟期
4)増殖期・成熟期のために炎症期が果たす役割
2.早期に治癒させるには
3.一次治癒と二次治癒
1)一次治癒
2)二次治癒
Chapter 3-3 歯周外科治療に必要な基本手技
1.切開の基本手技
1)切開のポイント
2)肉芽組織の除去のポイント
2.歯肉弁形成の基本手技
3.骨整形の基本手技
4.縫合の基本手技
1)縫合の目的
2)縫合針
3)縫合糸
4)結紮法
5)縫合法
(1)単純縫合
(2)マットレス縫合
Chapter 3-4 臨床で習得しておきたい歯周外科治療の術式
1.切除療法と組織付着療法
2.歯肉弁根尖側移動術
1)歯肉弁根尖側移動術とは
2)角化歯肉が少ない場合:歯肉弁を移動させて歯槽骨頂に縫合する方法
3)角化歯肉が多い場合:歯肉弁を切除し歯槽骨頂に合わせて縫合する方法
3.ウィドマン改良フラップ手術
Clinical Hints
部分層弁のヒント
骨膜縫合のヒント
歯槽骨頂予測切開法におけるライニング
歯肉弁根尖側移動術における歯間乳頭部の歯肉弁形成の注意点
歯冠部の切開
Chapter 4
修復治療
脇 宗弘
Chapter 4-1 現在の修復治療のコンセプト
Chapter 4-2 コンポジットレジン修復
1.コンポジットレジン修復の適応症
2.コンポジットレジン修復を成功させるための臨床的ポイント
Chapter 4-3 インレー/オンレー/ベニア/クラウン
Chapter 4-4 セメンティング
接着性レジンセメントによるクラウン装着手順
Chapter 5
根管内処置
松永健嗣
Chapter 5-1 歯の解剖学的特徴と根管内処置における注意点
1.上顎中・側切歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
2.下顎中・側切歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
3.上下顎犬歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
4.上顎小臼歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
5.下顎小臼歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
6.上顎大臼歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
7.下顎大臼歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
Chapter 5-2 歯内療法
1.歯内療法における診査
1)問診──根管内処置になった原因(ヒストリー)を考える
2)エックス線写真診査
3)咬合状態の診査
2.歯内療法の施術
1)開拡窩洞(チャンバーオープン)
2)根管清掃──拡大・形成・洗浄
(1)根管清掃の目的
(2)パイロットファイルによる確認
(3)NiTi 製ファイル使用上の注意点
(4)根管清掃の効率を向上する器具・器材
3)根管充填
Chapter 5-3 支台築造
1.直接法・間接法をどう選択するか
2.レジンコア材の選択基準
3.ファイバーポスト形状の選択基準
4.レジンコアの臨床上の注意点
5.コア(歯冠部)の臨床上の注意点
1)歯冠部歯質の厚み
2)歯冠部歯質の高さ
3)窩洞外縁
4)窩洞形態
6.ポスト(根管部)の臨床上の注意点
1)根管内の長さ
2)根管内の太さ
3)先端形状
4)テーパー
5)方向
6)残すガッタパーチャーの量
Chapter 6
支台歯形成
窪田 努
Chapter 6-1 支台歯形成の概念
1.歯冠修復治療に求められる歯科医師のスキル
2.支台歯形成の基本
Chapter 6-2 新しい概念と新しいマテリアルの登場
1.修復治療と歯周組織の関係
1)歯冠修復治療の礎を作ったメタルセラミッククラウン
2)歯冠修復治療における歯周組織の基準の確立
2.オールセラミッククラウンの臨床的位置づけ
1)オールセラミッククラウンの優位性
2)オールセラミックスの分類
Chapter 6-3 修復治療の流れ
1.歯冠修復治療における診断
2.マテリアルセレクト
1)支台歯の状態
(1)色調:問題があるのかないのか?
(2)歯髄:有髄歯なのか無髄歯なのか?
2)歯周組織の状態
(1)ブラックトライアングル閉鎖の必要性
(2)歯肉のbiotype―― thin scallop なのかthick flat なのか?
3.支台歯形成の実際
1)削除量
2)マージン形態
(1)accentuated chanfer
(2)rounded shoulder
3)フィニッシュラインの設定位置
4.プロビジョナルレストレーション
1)プロビジョナルレストレーションの目的と役割
2)プロビジョナルレストレーションにおけるリマージングの重要性
5.印象採得
1)最終印象採得時の歯肉圧排
2)印象材に求められる特性
Chapter 6-4 CAD/CAM
1.歯科技工はCAD/CAM の時代へ
2.現在のCAD/CAM の課題
3.CAD/CAM時代に求められる支台歯形成
Chapter 6-5 拡大精密診療
1.CAD/CAM 時代は拡大精密診療が必須
2.作業の質は、『みえる』ことから向上する
3.拡大精密診療は臨床医の寿命をのばす
Chapter 7
欠損修復を踏まえた抜歯
石川清之/脇 宗弘
Chapter 7-1 現在の抜歯のコンセプト
1.抜歯の基準
1)インプラントの導入により大きく変わってきた抜歯の基準
2)抜歯は一口腔単位の治療計画に基づき行う
2.骨の可及的保存を目指す現在の抜歯のコンセプト
1)抜歯に際し注意すべきこと
2)抜歯に使用する器具
(1)鉗子
(2)エレベーター
(3)ペリオトーム
3)審美領域抜歯の注意点
Chapter 7-2 ソケットプリザベーション
参考文献
索引
著者略歴
Chapter 1
歯科治療の基本コンセプト
石川清之
Chapter 1-1 患者に望まれる歯科医療を提供しているか?
1.患者とのコミュニケーションが、歯科医療のすべての場面で必要である
2.正確な診査・診断に基づく、エビデンスのある治療こそが求められている
3.コンサルテーションは、患者のニーズの把握と信頼関係を築く最高の機会である
4.治療よりも予防を重視する歯科医院こそ、かけがえのない存在である
5.『対症療法』ではなく『原因除去療法』こそが、本来の歯科医療のあるべき姿である
6.技術革新が早い時代だからこそ、原理・原則に基づいた医療姿勢が求められる
7.一生涯にわたって口腔機能を営める環境を提供できる歯科医院を目指す
Chapter 1-2 現在の歯科治療に必要なコンセプトを満たしているか
1.常にベストプランを考え、患者に伝えているか
2.診断を重視しているか
3.『E.・F.・S.・B.』を踏まえた治療を行っているか
4.修復治療の分類に基づいた治療計画を立案しているか
5.接着の有用性を活かした治療を行っているか
Chapter 2
歯周基本治療
牧江寿子
Chapter 2 歯周基本治療の要点
1.なぜ歯石を取り残してしまうのか
1)根面探知を極める
2)スケーラーのシャープニングを極める
3)スケーリング・ルートプレーニングで歯肉縁下をしっかり廓清する
4)非外科的処置では対処できない場合は、外科処置に移行する
2.付着器官の再生を阻害する歯根形態を知る
1)エナメルプロジェクション
2)エナメルパール
3)セメント質の過剰添加
3.患者のセルフケアを向上させるポイント
1)適切な清掃用具の使用法を理解させるには
2)患者のモチベーションを向上させるには
Chapter 3
歯周外科治療
窪田 努
Chapter 3-1 歯周外科治療の概念
1.修復治療のゴールからみた歯周治療の重要性
1)修復治療のゴールと歯周組織の関係
2)健康な歯周組織とは
3)治療の鍵となる付着歯肉
2.歯周治療の目的
3.歯周外科治療の目的
4.歯周外科治療のゴール
5.歯周外科治療の分類
Chapter 3-2 歯周外科治療を支える創傷治癒のバイオロジー
1.創傷治癒の諸相
1)炎症期
2)増殖期
3)成熟期
4)増殖期・成熟期のために炎症期が果たす役割
2.早期に治癒させるには
3.一次治癒と二次治癒
1)一次治癒
2)二次治癒
Chapter 3-3 歯周外科治療に必要な基本手技
1.切開の基本手技
1)切開のポイント
2)肉芽組織の除去のポイント
2.歯肉弁形成の基本手技
3.骨整形の基本手技
4.縫合の基本手技
1)縫合の目的
2)縫合針
3)縫合糸
4)結紮法
5)縫合法
(1)単純縫合
(2)マットレス縫合
Chapter 3-4 臨床で習得しておきたい歯周外科治療の術式
1.切除療法と組織付着療法
2.歯肉弁根尖側移動術
1)歯肉弁根尖側移動術とは
2)角化歯肉が少ない場合:歯肉弁を移動させて歯槽骨頂に縫合する方法
3)角化歯肉が多い場合:歯肉弁を切除し歯槽骨頂に合わせて縫合する方法
3.ウィドマン改良フラップ手術
Clinical Hints
部分層弁のヒント
骨膜縫合のヒント
歯槽骨頂予測切開法におけるライニング
歯肉弁根尖側移動術における歯間乳頭部の歯肉弁形成の注意点
歯冠部の切開
Chapter 4
修復治療
脇 宗弘
Chapter 4-1 現在の修復治療のコンセプト
Chapter 4-2 コンポジットレジン修復
1.コンポジットレジン修復の適応症
2.コンポジットレジン修復を成功させるための臨床的ポイント
Chapter 4-3 インレー/オンレー/ベニア/クラウン
Chapter 4-4 セメンティング
接着性レジンセメントによるクラウン装着手順
Chapter 5
根管内処置
松永健嗣
Chapter 5-1 歯の解剖学的特徴と根管内処置における注意点
1.上顎中・側切歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
2.下顎中・側切歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
3.上下顎犬歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
4.上顎小臼歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
5.下顎小臼歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
6.上顎大臼歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
7.下顎大臼歯
1)開拡窩洞の形と窩洞形成時の注意点
2)歯内療法時の注意点
3)支台築造時のポスト形成の注意点
Chapter 5-2 歯内療法
1.歯内療法における診査
1)問診──根管内処置になった原因(ヒストリー)を考える
2)エックス線写真診査
3)咬合状態の診査
2.歯内療法の施術
1)開拡窩洞(チャンバーオープン)
2)根管清掃──拡大・形成・洗浄
(1)根管清掃の目的
(2)パイロットファイルによる確認
(3)NiTi 製ファイル使用上の注意点
(4)根管清掃の効率を向上する器具・器材
3)根管充填
Chapter 5-3 支台築造
1.直接法・間接法をどう選択するか
2.レジンコア材の選択基準
3.ファイバーポスト形状の選択基準
4.レジンコアの臨床上の注意点
5.コア(歯冠部)の臨床上の注意点
1)歯冠部歯質の厚み
2)歯冠部歯質の高さ
3)窩洞外縁
4)窩洞形態
6.ポスト(根管部)の臨床上の注意点
1)根管内の長さ
2)根管内の太さ
3)先端形状
4)テーパー
5)方向
6)残すガッタパーチャーの量
Chapter 6
支台歯形成
窪田 努
Chapter 6-1 支台歯形成の概念
1.歯冠修復治療に求められる歯科医師のスキル
2.支台歯形成の基本
Chapter 6-2 新しい概念と新しいマテリアルの登場
1.修復治療と歯周組織の関係
1)歯冠修復治療の礎を作ったメタルセラミッククラウン
2)歯冠修復治療における歯周組織の基準の確立
2.オールセラミッククラウンの臨床的位置づけ
1)オールセラミッククラウンの優位性
2)オールセラミックスの分類
Chapter 6-3 修復治療の流れ
1.歯冠修復治療における診断
2.マテリアルセレクト
1)支台歯の状態
(1)色調:問題があるのかないのか?
(2)歯髄:有髄歯なのか無髄歯なのか?
2)歯周組織の状態
(1)ブラックトライアングル閉鎖の必要性
(2)歯肉のbiotype―― thin scallop なのかthick flat なのか?
3.支台歯形成の実際
1)削除量
2)マージン形態
(1)accentuated chanfer
(2)rounded shoulder
3)フィニッシュラインの設定位置
4.プロビジョナルレストレーション
1)プロビジョナルレストレーションの目的と役割
2)プロビジョナルレストレーションにおけるリマージングの重要性
5.印象採得
1)最終印象採得時の歯肉圧排
2)印象材に求められる特性
Chapter 6-4 CAD/CAM
1.歯科技工はCAD/CAM の時代へ
2.現在のCAD/CAM の課題
3.CAD/CAM時代に求められる支台歯形成
Chapter 6-5 拡大精密診療
1.CAD/CAM 時代は拡大精密診療が必須
2.作業の質は、『みえる』ことから向上する
3.拡大精密診療は臨床医の寿命をのばす
Chapter 7
欠損修復を踏まえた抜歯
石川清之/脇 宗弘
Chapter 7-1 現在の抜歯のコンセプト
1.抜歯の基準
1)インプラントの導入により大きく変わってきた抜歯の基準
2)抜歯は一口腔単位の治療計画に基づき行う
2.骨の可及的保存を目指す現在の抜歯のコンセプト
1)抜歯に際し注意すべきこと
2)抜歯に使用する器具
(1)鉗子
(2)エレベーター
(3)ペリオトーム
3)審美領域抜歯の注意点
Chapter 7-2 ソケットプリザベーション
参考文献
索引
著者略歴
プロフェッショナルデンティストリー STEP 2 Basic Treatment
─1歯の治療が確実にできるようになるための基本手技─
-
著者
木原 敏裕
石川 清之
牧江 寿子
窪田 努
脇 宗弘
松永 健嗣 -
出版社
クインテッセンス出版
-
ページ
200ページ
-
サイズ
A4判
-
ISBN
978-4781203416
-
価格
13,200円(税込)