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レポート 2024/11/14

【前編】世界レベルのOHIを4日間で徹底的に学ぶ!iTOPエデュケーターコースレポート〜iTOPインストラクターへの登竜門〜

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WHITE CROSS編集部
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・iTOPの基本をスタッフ等に指導できるレベルのプロフェッショナルを育成する「iTOPエデュケーターセミナー」。

・4日間ひたすらOHIについて学ぶiTOPエデュケーターセミナーでは、一体どんなことが学べる?

 

この記事は、口腔衛生・予防歯科>TBI・OHI

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はじめに

株式会社ヨシダ東京本社では9月19〜22日の4日間、「iTOPエデュケーターセミナー」が開催された。

 

iTOPエデュケーターセミナーは、iTOPイントロダクトリーセミナー受講者を対象とした、iTOPの基本を同僚のスタッフ等に指導できるレベルのプロフェッショナルを育成するセミナー

 

4日間のセミナーでは、より患者の口腔ケアへのモチベーションを高め、治療効果を長期に維持するための知識と技術がとことん学べるカリキュラムが組まれており、十分な訓練を受けた講師との1対1のトレーニングセッションが何度も行われる。

 

iTOPエデュケーターセミナーカリキュラム

 

 

今回、メイン講師を務めたのはフランカ・バラノビッチ・フーバー先生。フランカ先生は1991年にイタリアのジェノバ大学を卒業した歯科医師で、2008年にiTOPセミナーを受講。それからはiTOPのインストラクターとして、世界各国で講師を務めている。

 

メイン講師のフランカ・バラノビッチ・フーバー先生

メイン講師のフランカ・バラノビッチ・フーバー先生

 

エビデンスベースの講義と、講師陣の熱意溢れる実技指導が盛りだくさんのセミナー内容を、今回はダイジェストでお届けする。

 

iTOPイントロダクトリセミナーのお申し込みはこちら

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Day1.iTOPの概念とそのルーツを学び、フロスと歯間ブラシの使い方をマスターする!

エデュケーターセミナー初日は、まず講師陣の紹介より幕を開けた。

 

メイン講師を務めたフランカ先生と、講師兼通訳を務めた松下容子先生

メイン講師を務めたフランカ先生と、講師兼通訳を務めた松下容子先生

 

講師陣の紹介が終えられた後、フランカ先生は受講生に向け「セミナーを受講した理由」と「セミナーを通して学びたいこと」は何か、という問いかけを行った。

クラプロックス製品が大好きで、より多くの人にその魅力を知ってもらいたい。

iTOPの概念をより深く学び、身につけたい。

2年前イントロダクトリセミナーを受けてから、ずっと受講したいと思っていた!日本の予防歯科を変えたい!

 

など、受講した歯科医師と歯科衛生士が、それぞれの熱い想いについて語り、フランカ先生はその一つひとつに丁寧にコメントを返した。

 

受講生のコメントをすべてホワイトボードに記入するフランカ先生

受講生のコメントをすべてホワイトボードに記入するフランカ先生

 

講義では、まずはじめにフランカ先生がiTOPと出会うまでの道のりや、iTOPとの出会いによって歯科医師人生が変わったエピソードなどを紹介。その後iTOPの概念やそのルーツについて改めて確認した。

 

iTOPは、以下の4つの単語の頭文字をとって作られた予防歯科の概念のことを指し、現在は、欧州にある16大学で取り入れられているという。

i=individually(個々に)

T=Trained(トレーニングされた)

O=Oral(口腔の)

P=Prophylaxis(予防)

 

この中でも特に「Trained」の部分が、他の予防歯科の概念とは異なることを説明し、私たちの目的は「理論だけでなく、実践を身につけさせることである」と述べました。

フランカ先生自身も、2008年にiTOPの提唱者であるジリ・セデルマイヤー先生の奥様であるルーシー先生に初めてOHIを受け、何度も練習を繰り返して、テクニックを習得したと語った。

 

その後フランカ先生は、どのようにiTOPが生まれてきたのか、また発展してきたのかということや、iTOPのルーツとなったものについて共有。iTOPの根幹となる「Touch 2 Teach(教えるために触る)」や、良い道具の3つの条件に触れ、午前の講義を終えた。

 

iTOPへの熱い想いを語るフランカ先生

iTOPへの熱い想いを語るフランカ先生

 

午後からは、イントロダクトリセミナーのおさらいを兼ねて、デンタルフロスと歯間ブラシの使い方についての実習がスタート。

 

まずは、ループ状のフロスで歯間部清掃を行う方法について説明がなされ、各講師から具体的な輪っかの大きさや作り方のレクチャーが丁寧に行われた。

 

デンタルフロスの実習の様子

デンタルフロスの実習の様子

 

歯間ブラシを用いた実習では、専用プローブの『Interdental Access Probe(IAP)』や各歯間部のサイズを記入する『Interdental Access Card(IAC)』を用いて、より効率的かつ正確にサイズを計測するコツが伝授された。

 

受講生にTouth 2 Teachで指導を行うフランカ先生

受講生にTouth 2 Teachで指導を行うフランカ先生

 

クラプロックスの歯間ブラシは、適切なサイズを歯間空隙に1回通すだけで良いという優れもの。フランカ先生はその理由だけでなく、バイオフィルムの成り立ちやバイオフィルムが蓄積しやすい部位、歯間ブラシによる歯間部清掃の有用性について説明した。

 

歯間空隙について解説する様子

歯間空隙について解説する様子

 

また、他社メーカーの歯間ブラシやゴム製の歯間ブラシ、ウッドピックと比較した論文を紹介した上で、実際にさまざまな歯間清掃用具を自身の口腔内に使用する実習も行った。クラプロックスの歯間ブラシとの使用感の違いに驚きを隠せない受講生の声が目立ち、「自分が患者だったら何を使ってもらいたいか」ということを身をもって痛感させられた。

 

Day2.歯間ブラシを動機づけるツールとは?クラプロックスの歯ブラシの使い方を徹底的に学ぶ!

2日目は、歯間ブラシを挿入する際のテクニックに関する講義からスタート。講義では主に、「Vテクニック」と「Xテクニック」について説明がなされた。

Vテクニック:頬舌的に歯間ブラシを歯肉頂に向かって挿入する方法

Xテクニック:歯の近心面と遠心面それぞれに沿わせながら、1ヶ所で2回挿入する方法

 

前日に歯間ブラシが挿入しにくい部位や、挿入時に痛みを感じる部位があった受講生は、真っ先に自分ごととして捉えられただろう。患者指導時の具体的な引き出しが増える、非常に実用的な内容がレクチャーされた。

 

Vテクニックについて解説する様子

Vテクニックについて解説する様子

 

フランカ先生は、「歯肉からの出血は、患者のモチベーションツールとして最適である」という。しかし、通常の歯周組織検査時に使用するBOPの有無を測定するだけでは、患者のモチベーションツールとして役立たないとのこと。

 

そこでフランカ先生は、モチベーションツールとして活用できる出血についての指標をいくつか紹介し、その中でも「Bleeding on Brushing(BOB)」について取り上げ、計測方法やIACへの記入方法などを示した。実習では改めて、「どのようなテクニックを使うと歯間ブラシの本数を少なくしながら効率良く清掃できるか」という視点で、自身の口腔内に適切な歯間ブラシのサイズ計測を行った。

 

Bleeding on Brushing(BOB)についての説明を行うフランカ先生

Bleeding on Brushing(BOB)についての説明を行うフランカ先生

 

午前の部最後には、シングルブラシの実習が行われた。シングルブラシでのブラッシングは、歯を1本1本確実に磨くことができることから、iTOPの中では「ゴールデン〜〜」とよばれている。

 

実習では、フランカ先生自らシングルブラシを使って見せながら、各テーブルを巡回。今までやったことがない持ち方や動かし方に苦戦しながらも、確実にプラークが除去できていることに感動する受講生が続出した。

 

受講生にシングルブラシの使い方をレクチャーする様子

受講生にシングルブラシの使い方をレクチャーする様子

 

午後からは、音波歯ブラシの講義と実習が行われた。フランカ先生はまず、音波歯ブラシの種類について解説し、音波歯ブラシと手用歯ブラシを比較した論文を紹介。音波歯ブラシがもつ8つのメリットについても触れ、クラプロックス製品であるハイドロソニックプロの紹介を行った。

 

講義では、音波歯ブラシのメリットが全部で8つ紹介された

講義では、音波歯ブラシのメリットが全部で8つ紹介された

 

ハイドロソニックプロについて語る上で、キーとなるのが「ハイドロダイナミック効果」というもの。ハイドロダイナミック効果とは、ブラシの毛先が直接歯面に触れていなくても、ブラシの振動によって水流が起き、刷掃効果が2〜3mm先まで現れるといった効果のことを指す。

 

このハイドロダイナミック効果が現れるのは、1分間の振動が3万回以上の音波歯ブラシのみ。ハイドロソニックプロでは、7段階中の1段階目は22,000回/分、2〜4段階目は32,000回/分、5〜7段階目は42,000回/分の振動で動くため、2段階目以降からその効果が得られると説明した。

 

ハイドロソニックプロは歯面に当てるだけでプラークが除去できる(画像は株式会社ヨシダHPより引用)

ハイドロソニックプロは歯面に当てるだけでプラークが除去できる(画像は株式会社ヨシダHPより引用)

 

最終的な結論として、「音波と手用、どちらかが優位であるというわけではなく、どちらも完璧に使いこなせるようなテクニックを理解して身につけていれば、どちらでも同じように良い結果が出せる」とフランカ先生は語った。そのためには私たちは道具についてよく知って、よくトレーニングして、使いこなせるようにしておかなければいけないと述べ、午後の講義を終えた。

 

午後の実習では、ひたすらブラッシングの反復練習が行われた。

クラプロックスの主要製品であるCS5460やCS Smart、ハイドロソニックプロを使用し、講師陣のTouch 2 Teachによってそれぞれのブラッシングテクニックを繰り返し学んだ。

 

受講生にCS Smartの使い方をレクチャーする様子

受講生にCS Smartの使い方をレクチャーする様子

 

質疑応答の時間では、「ブラシ圧のコントロールはどうトレーニングすれば良い?」「小児にはいつから歯間ブラシを使用するべき?」「舌クリーナーはどう使うのが正しい?」など、実臨床にすぐに落とし込める内容の解説が行われた。

 

 

***

 

 

エデュケーターセミナー前半のDay1・2では、iTOPの概念や歯間ブラシの重要性とともに、クラプロックスのメイン製品すべての使用方法を徹底的に学んだ。

 

後半のDay3・4のレポートでは、「口腔と全身の健康はどう影響し合うのか」「どのように患者に行動変容を起こさせるか」といった座学に加え、よりクラプロックス製品への理解が深まる実習と実技テストの様子をお伝えしたい。

 

患者にセルフケアの重要性を確実に伝える方法が学べる!iTOPセミナーの詳細はこちら

クラデン社が開催するiTOPセミナーは、患者が一生涯正しいブラッシングが継続できるよう、口腔衛生に関する知識を提供しながら、患者と一緒に考え、トレーニングを行うプログラム。

適切なプロケアとセルフケアの両輪を回せる術が学べ、ブラッシングに関する知識だけでなく、技術も同時に身につけることができる。

 

今回ご紹介したエデュケーターセミナーが開催されるのは1年後!ただし、エデュケーターセミナーの受講には、イントロダクトリセミナーへの受講が必須となる。

 

2024年下半期に開催されるiTOPイントロダクトリセミナーの募集枠は残りわずか!ぜひこの機会に、多くの歯科医療従事者に世界レベルのOHIを学んでいただきたい。

 

iTOPイントロダクトリセミナーのお申し込みはこちら

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執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

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