読み

かかんきしょうこうぐん

説明

比較的よくみられる歯科の合併症で、不安感や恐怖心が根底にあり、わずかな痛み刺激がきっかけで発生する。過剰な呼吸運動により、血中の二酸化炭素が過剰に体外に排出され、動脈血中の二酸化炭素分圧加工することにより引き起こされる。
症状の特徴としては、著しい呼吸困難感が出現し、「息ができない」「苦しい」「このままでは死んでしまう」などと訴えることが多い。他覚的には30回／分以上の頻呼吸や動悸がみられ、胸部の圧迫感を訴えることもある。意識は保たれることが多いが、重篤になるとめまいや意識レベルが低下することもある。しびれやテタニー様症状が出現すると、「助産婦様手つき」とよばれる独特な手指の症状を認める。
対応としては、不安感や恐怖感を除去するように努め、息をこらえることや、呼吸数を抑制することを促す。また、緩和精神安定薬を静脈内に投与して鎮静を図る場合もある。